社会を変えるには (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881685

感想・レビュー・書評

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  • いい幹事 よりも 鍋を囲む
    究極の真理を一方だけが知っている、という事は弁証法的にはあり得ない。
    参加者みんなが生き生きして、思わず参加したくなるのが民主主義。数が集まらない事を反省するのは、楽しくない証拠。来ない人は損したね、となるべき。そんなの自己満足さ、と卑下する感覚になるのも本当に満足していれば出ないはず。
    それ自体が楽しい時、目的である時は、自慢したいとか、貶めたいとか結果にこだわらないはず。
    社会が変わるにはあなたが変わること。あなたが変わるにはあなたが動くこと。

  • 無知な自分に対して色々な示唆を与えてくれる。
    ただし思想は強め。
    相対化してしっかり考えていきたい。

  • ルソー、一般意思、代議員制、盛り上がること、

  • 勿論、「社会を変える方法」というタイトルでも、マニュアル本のような「方法」が載っているわけではありません。「変えるきっかけになる」と著者が考えた本や事例などが色々と載っています。通常の新書の倍くらいの厚さがあります。
    特に4章からのギリシャ時代からルネッサンス、産業革命を経て現在の「再帰的時代」まで、議会制民主主義に至った解説は面白いです。事例の1つ「べ平連」の信条「組織ではなく運動である」は個人的に心に響きました。

  • 確かに、昔のように『資本家』と『労働者』等のように単純なカテゴリーの分類が出来なくなっている。それなのに民進党は未だに「連合」なるものの影響下にある。古い枠組みの中で活動する組織では、社会を変えることは不可能だろう。
    右翼・安倍の言いなり自民党に変わりうる政党には程遠い。
    しかし対岸の米国では、一人の大統領で社会が大きく変わろうとしている。しかも人種差別主義者で自国第一主義者という、アメリカの矜持を捨て去った人間により。
    なんだか世界が全て自国第一主義に変わり始めている。英國のユーロ離脱、ロシアのクリミア併合、中国の海洋進出、そして今回のトランプショック。
    社会を変えると言っても、悪い方向になるのは困るよね。

  • 戦後日本の社会運動の歴史を振り返るとともに、自由で多様なポスト工業化社会においては従来の社会運動を理解するためのカテゴリーが無効となったことなどが、西洋の政治思想における自由主義と民主主義の歴史にも言及しつつ、わかりやすく解説されています。ただし本書は、単に分かりやすい解説書というだけではありません。じっさいに声をあげ、社会を変えていくための具体的な戦術についても、ある程度説明されています。

    著者の本はどれも分厚いのですが、新書なのに本書も500ページ超というヴォリュームです。分厚いだけに多くのテーマがあつかわれているのですが、概説としてもちょっと不十分な印象です。とくにフッサールの現象学からエスノメソドロジーにかんする説明は、むしろばっさり省略したほうがよかったのに、と思ってしまいます。また、市民運動が排外主義に結びついてしまうという問題もとりあげられていますが、リスク社会における社会的包摂の重要性に軽く言及するだけでかたづけられているのも不満がのこります。

    おもしろく読めたのは事実ですが、500ページを読み終えてなお、もっとくわしく語ってほしいというもどかしさを感じてしまいました。

  • 【久保田和男先生】
    東日本大震災と福島第1原発の事故以来、日本では、脱原発へのデモが数多く起こっています。それが社会を変える原動力になるのか、社会はどのように変わってゆくと良いのかを考えようと思っている学生諸君も多いのではないでしょうか。そんな学生にお勧めなのが、この本です。この本は、現代社会を支えている戦後の政治システム、工業化の構造、そして政治運動などを、易しく解説してくれます。分厚い本ですが、挑戦してみてください。

  • 社会構造の変化とともに、社会運動がどのように変化していったのか。知らない情報も多く、面白かった。特に、古代ギリシアからひもとき、哲学、科学、そして20世紀の近代の行き詰まりまでを広く追いながら説明していく。ただ、説明が冗長な部分も多かった。また一番最後の章で、社会を変えていくにはどのような「戦略」が必要なのかを、社会運動における資源動員論を始め、様々な理論的研究も紹介しているが、戦略としては弱いのではないかと思った。民主主義の可能性を信じて疑わないその主張に共感できる部分も多いが、2016年現在の状況を見ていると、そんなに楽観視できないのではないかとも思う。2012年に出版されているので、それから4年経っている。学生の時に読んだら、とても勉強になっただろうなと思う。でも筆者は、教科書的に本書が使われることは拒否しているようだ。

  • すっごい読みやすい。

    オレが求めてきたもの、たとえば、ビートニクス、ヒッピー、アシッド革命、キング牧師、マルコムX、ブラックパンサー党、フラワーチルドレン、反ベトナム戦争、反イラク戦争、アンベードカル、オルタナティヴ、ラヴパレード、個人情報保護法反対デモ、反原発デモ、ウォールストリート占領、暗号通過、ウィキリークス、サイファーパンクス・・・・・。

    要するに、オレは、社会を変革できる理論と実践を、いつも探してきた。

  • 近代日本社会の構造が分かりやすく書かれている教科書的な本。
    全517ページで通常の新書二冊分くらい。結構なボリュームがある。気になる章から読んでもいいと思う。

    以下メモ。
    「革新者と初期採用者の合計である16パーセントを突破すると、爆発的に普及がおこるという」(p.454)
    「社会を変えるには、あなたが変わること。あなたが変わるには、あなたが動くこと」(p.502)

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著者プロフィール

慶應義塾大学総合政策学部教授。
専門分野:歴史社会学。

「2023年 『総合政策学の方法論的展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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