妻のトリセツ (講談社+α新書)

著者 :
制作 : 黒川 伊保子 
  • 講談社
3.68
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本棚登録 : 3804
感想 : 491
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065133392

感想・レビュー・書評

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  • 人に借りて読む。興味を惹く題名で中身は薄いのかなとあまり期待せずに読み始めたが、意外と面白かった(自分は脳科学に詳しいわけでもないのだが、女性脳と男性脳をちょっと画一化しすぎている気はした)。妻の女性脳の影響が夫だけでなく娘や息子にも波及するという話などは興味深かった。ユーモアのある文章で、よく理解できない妻の行動に対して優しい気持ちにさせてくれる(語り口=文体は大事)。夫が結婚生活を続けることを励ましてくれる。

  • 人工知能の研究者である著者が、脳科学の観点から、語り尽くされた男脳と女脳の違いを、夫婦間という場面に切り取り解説した一冊。
    世の男性に限らず、女性からも支持されている様子。

    人間、十人十色。夫婦間の問題や関係性ともなれば、一組とて同じ夫婦はない。夫婦喧嘩は犬も食わないと言われるほど、喧嘩の原因は多く、仲裁するまでもなく、じきに仲直りするものとはいえ、直面する男性側にとってみれば、妻の突発する理不尽な怒り、謎の不機嫌には、いつも悩まされていて、理解不能である。

    女脳は、これまでの記憶を溜めておいて、夫である男性の言動により、トリガー(引き金)が引かれたかのように、過去の出来事も織り混ぜて噴出する傾向がある。

    しかし、これはネガティブなものだけということはなく、ポジティブなものも同じように、溜めておいてくれるという面ももっている。

    洋服や料理、髪型等に加え、名前も付かないような家事(トイレットペーパーやソースを切らさない等)でさえ、妻のおかげで不自由なく生活できているということを言葉で伝え、月に1回でも2回でも、甘いお土産を買って帰ることで、女脳は、その記憶を何度も思いだし、飴玉のように、時間をかけて味わってくれるのだ。

    ネガティブトリガーを引かせないためには、ポジティブトリガーを定期的に準備しておくことが効果的になる。

    例えば、パーティーや旅行でも、サプライズよりも一ヶ月前に予告することのほうが、当日までの期間を買い物や情報検索、美容室に行ったり、ネイルしたりと、準備も含めて楽しんでくれる。

    また、結婚記念日や誕生日は、ポジティブなものもネガティブなものでも、ポイント1000倍dayのようなもので、この日をどう過ごし、どういう言葉をかけるかによって、ネガティブトリガーは引かれにくくなる。

    男側の言い訳はといえば、もともと空間認識力が高く、バイク等を自分の体の一部のように操ることが得意な男脳は、妻と永く暮らすうちに、自分の体の一部のような感覚になってしまい、自分の右手を誉めないように、妻を誉めることも忘れてしまう。
    しかし、妻を先に亡くしたとき、体の一部を亡くしたかのような喪失感に襲われる。
    意識していないと、妻を誉めることはできない人が多い。

    一番身近にいて、ついつい何も言わなくても感謝していることくらいわかっているだろうと勘違いしてしまいそうな夫婦間こそ、小さな思い違いから取り返しのつかない関係へと進んでいってしまうもの。
    日本男児の苦手なこととはいえ、身近な妻こそ、わかりやすく大切にして、言葉にして労い、日頃の感謝を伝えていかないといけない。言ったときは、何を急にと思われるかもしれないけど、絶対に嬉しいはずだし、夫婦間に良い効果をもたらすはず。
    そして、姑や子どもにさえ、妻に対する暴言や反抗から妻を守る言葉や態度までも見せることができれば、夫婦関係は素晴らしいものになるはずだ。

  • 本書の案内の「夫は怒りの弾丸に撃たれつづけ、抗う気さえ失ってしまう」にあるような、哀れな状況ではこの本もあまり役に立たない気がする。

    「妻の出すサインをどのように捉えてどう返答するのが良いのか?」とまるで外交プロトコルのような掟が存在していること、返し方を誤ると大きな問題に発展する可能性があるkとがよくりきできた。

    また同様の本でも繰り返し出てくる「回答など求めていない。共感してほしい」というのは忘れがちなので、再確認できてよかった。

    ただ、個人的には夫婦がお互いにアサーションのような良質のコミュニケーションが取れるように、各自能力の向上を目指してほしいとは思うのだが。

  • 20190102読了。

    書店で妻におすすめされて購入。
    書いてあることについて妻に当てはまってるかきいてみたけど、当てはまってない部分もあるよう。(個人差あるのでそりゃそうだ)

    どちらかというとどういう考え方の差異があるのかを話すきっかけづくりとして有効だと思う。
    人それぞれ考え方が違うので相互理解のための橋渡し。

  • なぜ完全に弾を避け切らないのか、というところに感心した。女性同士の会話によるとても現実的な効能も「なるほどなあ」と思う。各所の例え話がとても面白い。

    私は試行錯誤の末に、ある程度トリガーというか、適切な対応方法わかるようになってきたが、まだ足りないところが多いと知った。

  • なかなか良い本だった。
    男性脳と女性脳って、違うんです。

  • 男性と女性の脳構造の違いから解説。結婚する全ての夫婦の必読書籍として、市役所で婚姻届と交換する仕組みをお薦めします。10年前に読んでいれば良かったよ


  • 「妻の望む夫の対応と夫が提案する解決策のずれ」は、身に覚えがある方もいらっしゃるかと思います。




    女性脳は、感情に伴う記憶を長期にわたって保存することが得意です。


    日常生活の出来事とその時の感情が「色合いごと」「見出しごと」に記憶として脳に収納されています。


    あるとき、何かをきっかけに心が動くと、その感情と同系色の記憶(似た見出しの記憶)が数珠つなぎに引き出されます。


    これは、子育てをする際の危険回避として、過去の状況を思い出したり、対処したりするために備わったと言われています。


    そして、記憶の取り出しは特にネガティブなできごとに敏感になっています。


    ですので、さっき夫がした無神経な発言に対しての「私がつわりでひどかった時(20年前)にあなたなんて言ったか覚えてる!?」という妻の嘆きにつながります。


    それに対して、夫は「今のことに対して、なぜ20年前のことを持ち出すのか!?」と、たじろいでしまいます。




    さらに、自分自身のことだけでなく、周りの友達と体験談を共有し合うことであたかも自分の記憶のようにして収納することができます。女性の「おしゃべり」は相手との「知の交換」とも言えます。


    それは、いざという時の危険回避として有用ですし、共有、共感し合える集団でいた方が子育てもしやすいため、男性脳よりも女性脳の方が共感性が高くなっています。


    女性の会話に「そうそう!」「わかる!」「えーそれはショックだよね。」と言ったフレーズが多いことも分かります。


    妻が「こんなことがあって困った。」という話をして共感を求めているのに対して、夫が「今度からこうすれば良いね。」と問題解決、結論を述べてしまうことは、「私の話を聞いてくれない。」「否定してくる。」という妻の嘆きにつながります。


    それに対して目的志向の夫は「しっかり聞いてまた繰り返さないためにアドバイスをしているのになんで!?」と、たじろいでしまいます。


    つまり、悩みや経験したことについて「共感」してほしい女性脳に対して、「こうすればいいんだよ。」と「結論」を述べてしまう男性脳の特性により分断が起きているということです。


    相手が何を求めているのか(共感なのか、結論なのか、その他なのか)、それはなぜか(種の育成のために相互扶助が必要であった女性と、獲物を捕るために目的型になる男性という歴史的な背景)を理解しあうことが相手との良好な関係を構築する一助になります。




    男性脳と女性脳の違いは、右脳(感じる力)と左脳(考える力)をつなぐ脳梁の太さにあります。


    脳梁が太い女性脳は、右脳と左脳の情報連携、情報交換が多くなります。


    目の前の細かなあれこれ(子どもの顔色の変化、食材の賞味期限)に気づいたり、何かをしながらも他のこと(仕事をしていても雨が降ってきたら子どもの傘のこと、洗濯物のこと)を考えたり、という特徴があります。


    逆に男性脳は、連携が緩慢になるため、一つのことに没頭できたり、空間認知が得意だったりします。




    男性脳、女性脳について著者が述べているのを知ったのは10年ほど前でしょうか。分かりやすい解説から、注目するようになりました。


    著者の特徴として、医学的な解説が先ではなく、日常の生活場面(例えば、妻のあの行動、夫のあの一言)を描きながら、それを医学的な面から分かりやすく解説しているところがあります。非常に読みやすく理解しやすいです。

     

    シリーズで様々出ているのでよろしければ。

  • 父の日でプレゼントした本を自分でも読んでみた^_^
    女性脳と男性脳って作りが違うからそれを知って歩み寄ることが大事!結婚しててもしてなくても男女関係なく読んでタメになる本!

  • 分かるわかる〜
    そうなのよ〜
    と何度も頷きながら読了。
    夫にも読んでもらいたい。

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著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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