すべての疲労は脳が原因 1 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • / ISBN・EAN: 9784087208290

感想・レビュー・書評

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  • 「イミダゾールジペプチド」

  • 交感神経と副交感神経の話、それを司る脳の疲れ、なるほどなーと思う。
    鶏胸肉は毎日摂ろうと思った。
    結構広い内容が簡潔にかかれていて、特に章ごとにトピックスが異なるので、もう一度読んで全体の関連を落とし込みたい。

  • 運動している時1番疲労しているのは、筋肉などではなく脳
    →絶えず、脈拍、呼吸を調節している自律神経の中枢を司る脳幹の一部が疲労する

    飽きた、というのは、脳の疲労の最初のサイン
    →無視して使い続けると、神経細胞のオンとオフの切り替えを行う閾値が上がる(小さな刺激では素早い情報伝達ができなくなる)
    →ぼうっとしている状態

    こうなると、しばらく脳のその場所を休ませないと回復しない
    →まとめて休みを取るよりも、少しずつ休ませたほうが脳にとっては効率がよい

    素振りとはスポーツの反復練習はなぜ飽きないか?
    →小脳が司っている(手続き記憶)
    →ボケても、影響を受けにくい。
    →年を取っても一度覚えた自転車には乗れる。

    記憶
    ①エピソード記憶→大脳
    ②意味記憶→大脳
    ③手続き記憶→小脳(身体で覚える)

    →再認(ヒントありで思い出すこと)と再生(ヒントなしで思い出すこと)がある。
    →再生が大事。

    記憶に残すコツは感動すること
    →たくさんのタグをつける
    →嬉しい、悲しい、悔しい、、多面的に見る

    温泉に肩まで長く浸かると疲れる
    →自律神経を使うから(脈拍、呼吸)
    →半身浴なら疲れにくい。

    自律神経の本来
    ①交感神経→遠くを見る目のピント調節の時に使う→外敵に出会ったときに緊張する

    ②副交感神経→近くを見る目のピント調節の時に使う

    しかし、現代では、仕事をして緊張状態のときに近くのパソコンを見ることが多い
    →本来の機能とは逆。だから疲れる。
    →こまめに遠くを見ることが大事

    脳の疲労を取るためには
    ①鳥の胸肉、カツオ、サンマがよい
    →→渡り鳥が絶えず、羽を動かす筋肉
    →→カツオサンマは呼吸のため眠らない
    ②クエン酸
    →酸っぱいもの

    疲れにくい脳にするためには
    脳のワーキングメモリを鍛える
    →短期記憶を受け、長期記憶に照らし合わせて考え行動する一連の流れ
    →そのためにはいろんな人と話すことが大事

  • しってた

  • 細胞の酸化ストレスが疲れの原因。
    風邪のときは、インターフェロンが体温を上げる、疲労感を覚えさせて運動を抑制する。
    脳の自律神経の中枢が疲れた、と感じさせる。身体はつかれていない。
    飽きる、疲れる、眠くなる、は疲れのサイン。

    筋肉痛のときはCPKとLDHが上昇する。有酸素運動では上昇しない=疲労と筋肉のダメージは相関しない。
    自律神経の中枢の疲労が運動疲労の正体。
    達成感があると疲労を感じない=過労死に繋がる。

    記憶は、エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶。
    手続き記憶は運動など。小脳が関係しているので疲れを感じない。

    活性酸素はスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類。
    ミトコンドリアが傷つきやすい=機能低下=疲れる。

    疲労因子FFと疲労回復因子FR。
    ヒトヘルペスウイルスも疲労時に増加する。
    睡眠によって、FRが反応し、FFが減少する。
    いびきをかくと、むしろ疲れてしまう。疲労が抜けない。
    CPAPのレンタル

    脳の疲労を回復するのはレム睡眠。最初の3分の1の時間。と同時に成長ホルモンが分泌する。

    風呂で体温があがると放射熱で深部体温が下がり、眠りやすい。
    寝酒は悪影響。

    ドリンク剤は覚醒作用だけ。疲れが取れるわけではない。むしろ蓄積する。カフェインとアルコール。タウリンはエビデンスがない。

    土用の丑の日は、味が落ちてうなぎが売れない夏になんとか売ろうとした結果。

    イミダペプチド(イミダゾールペプチド)が疲労回復。
    鳥の胸肉。鶏胸肉100gで一日200mg。できれば一日400mg。
    イミダペプチド確証マークを確かめる。
    クエン酸も効果がある。運動時にクエン酸回路が回復する。レモン2個、黒酢大さじ1、梅干し2個、など。運動後または運動中。
    BCAAは筋肉ダメージに対して効果がある。疲労を軽減するわけではない。

    ゆらぎがある環境が体に良い。ステンドグラスからの光、木漏れ日、風など。
    夕暮れを味わう。
    「快眠健康ナビ」鳥のさえずり、徐々に明るくなる照明。

    エコノミー症候群を避けるため1時間ごとに立ち上がって歩きまわる。

    半身浴のほうがFFが増えない。HSPは、免疫を上げるが疲れも増加する。
    ラベンダーやカモミールに効果はない。効果があるのは緑青の香り。

    ボトムアップ処理とトップダウン処理。
    トップダウン処理を鍛える=しらみ潰しではなく経験で考える。
    ワーキングメモリは再生力で鍛える。思い出すこと。名前が出てこない=思い出そうとすること。記憶に感動が伴えば思い出しやすい。

    記憶を多面的に見る。感動してみる。人とのコミュニケーション。多趣味。

  • 『すべての疲労は脳が原因』
    著者:梶本修身(かじもと おさみ)(1962-)
    編集協力:井上健二
    企画構成:朝日奈ゆか/品川緑/岩田なつき(ユンブル)
    図版作製:クリエイティブメッセンジャー


    【版元の紹介】
      最新科学が解明した疲労の正体
      疲れているのは、体じゃない脳だった!
      “栄養ドリンクや運動は疲れに効く”“乳酸=疲労物質”は、すべてウソ!
     疲労回復物質の存在が明らかになって以来、疲労に関する科学的調査が進んでいる。その結果、私たちが日常的に使う「体が疲れている」とは、実は「脳の疲労」にほかならないことがわかった。疲労のメカニズムとは何か、最新のエビデンスをもとに解説する。
     また、真に有効な疲労対策や乳酸、活性酸素、紫外線、睡眠との関係なども明らかにし、疲労解消の実践術を提示する。
    http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0829-i/


    【目次】
    目次 [003-008]
    はじめに 疲労を科学することとは [009-016]

    第一章 疲労の原因は脳にあり 017
    「疲労」とは生体アラームのひとつ
    運動疲労の正体は脳だった
    「疲労」と「疲労感」は別の現象
    達成感のある仕事が過労死をまねく
    「飽きた」は脳疲労の最初のサイン
    同じ作業の繰り返しは脳の作業効率を低下させる
    脳は大きく3つのブロックからなる
    もっとも疲れているのは自律神経
    疲労が蓄積すると視野が狭くなる
    眼精疲労の原因は自律神経にある
    集中力を高めるのは危険な行為
    終業後のスポーックラブ、土日の早朝ゴルフは危険
    スポーツや楽器演奏での反復練習が飽きない理由とは
    脳の神経細胞は新生しないため疲労が蓄積しやすい
    疲労を放置すると生活習慣病、メタボのリスクが高まる
    疾病としての疲労「慢性疲労症候群」は治療が必要

    第二章 疲労の原因物質とは 062
    乳酸は疲労の原因ではない
    疲れの直接の原因となるのは活性酸素である
    サングラスで紫外線による疲労を最小限にとどめる
    疲労因子FFの発見で疲労度が計測できるようになった
    ヒトヘルペスウイルスも疲労の蓄積度を示す
    疲労回復因子FRが疲労因子FFを抑制する
    疲労回復を促す疲労回復因子FRは加齢で変化する

    第三章 日常的な疲労の原因はいびきにあった 084
    昼間にウトウトは睡眠中のいびきが原因か
    いびきには新開発「疲労回復CPAP」で呼吸負荷を軽減
    CPAPではいびきがある蹄%以上の人に疲労回復効果
    酸素カプセルと「疲労回復CPAP」の決定的に異なる点
    「睡眠時無呼吸症候群」は疲労と関わりが深い
    いびきがある場合はPSG検査で睡眠チェック
    睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病に罹るリスクが高い
    厚労省も警告する国民病「睡眠障害」
    睡眠中は疲労回復因子FRの働きが疲労因子FFを上回る
    疲労回復の決め手は睡眠開始の3時間
    睡眠の質を向上させるには生体リズムを整える
    夕方以降は強い照明を浴びないようにする
    安眠を呼ぶ入浴と食事法
    寝酒は睡眠にとって悪影響でしかない

    第四章 科学で判明した脳疲労を改善する食事成分 116
    栄養ドリンクを飲みすぎると疲れはむしろ溜まる
    世界初のプロジェクトで判明した疲労回復成分「イミダペプチド」
    イミダペプチドの抗酸化作用が抗疲労効果をもたらす
    イミダペプチドは持続的に抗酸化作用が働く
    イミダペプチドは鶏の胸肉1009で効果的に摂取できる
    イミダペプチドは細胞の酸化と損傷を抑える
    「クエン酸」にも疲労回復効果があることが判明
    ビタミンCとBCAAに疲労軽減作用があるというのは間違い
    酒の飲みすぎは活性酸素が発生するもと

    第五章 「ゆらぎ」のある生活で脳疲労を軽減する 147
    森が快適なのはマイナスィオンの作用ではない
    生体に「ゆらぎ」があるから自然環境は心地よい
    「ゆらぎ」で疲れにくい環境を作ることができる
    「ゆらぎ」を意識してサーカディァン・リズムを整える
    デスクワーク中に立ち上がるだけで疲労が軽減する
    「休日に1,2泊で温泉旅行」は疲労のもと
    「緑青の香り」が疲労を軽減する
    理想の休日のすごし方は犬や猫を見習う

    第六章 脳疲労を軽減するためにワーキングメモリを鍛える 171
    複数のことを同時に考えて行動する脳の力
    ワーキングメモリを鍛えて認知機能の衰えを抑制する
    「トップダウン処理」の力を強化する
    「記憶のタグつけ」で情報を有効活用する
    効果的な「記憶のタグつけ」のコツは感動すること
    ワーキングメモリの基礎力は「再生」にあり
    日常的にワーキングメモリを鍛える3つの方法

    あとがきにかえて(平成二八年四月吉日 梶本修身) [189-190]

  • 飽きる、疲れる、眠くなる→視野が狭くなる。

    クエン酸は食事が足らずに激しい運動をしている最中が最も有効。
    クエン酸→1日レモン二個、黒酢大さじ一杯、梅干し二個

    疲労にはイミダペプチド、鶏の胸肉>赤みの魚>牛肉など

    BCAAは筋トレとか高強度のトレーニングの時に有効

    エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶(体で覚える記憶)小脳。

    小脳記憶は忘れない。疲れない。脳疲労につながらない。だから、楽器演奏とか繰り返しても慣れてるフレーズなら疲れない。

    ゆらぎが副交感神経を優位にする。
    「ゆらぎ=不規則な規則性」

    運転の疲れは長時間の同じ姿勢。
    歩くと足の筋肉→ミルキングアクション→牛の乳搾り

  • [メモ]
    ■疲労を取り除きたかったら,鶏肉を食べて,よく寝よう。
    ■個人的にはちょっと期待はずれだったかな…。

  • 疲労を多角的に検証し、日常生活どのよう落とし込むのか盛り込まれている。

  • ■筋肉や肝機能などにはほとんど影響が出ていないにも関わらず「体が疲れた」と感じるのは,脳の自律神経の機能が果たせなくなっている「脳疲労」の状態であるから。
    ■運動を始めると,脳の自律神経の中枢である「視床下部」や「前帯状回」が心拍,呼吸,体温を制御し続け,この処理が増加することにより,脳の細胞で活性酸素が発生し酸化ストレスの状態に晒されることで錆びつき,本来の自律神経の機能が果たせなくなる。このとき,「体が疲れた」というシグナルを眼窩前頭野に送り,「疲労感」として自覚する。
    ■日本は疲労大国
    ■実際に疲労を起こしていてもそれを感じるのは脳であるため脳の複雑な働きにより疲労感を覚えないことがある。
    ・疲労が起こるのは視床下部と前帯状回(自律神経の中枢)
    ・「疲労感」を自覚するのは大脳の前頭葉にある「眼窩前頭野」
    ■過労死するのは人間だけ。
    ・疲労と疲労感は別の現象
    ・疲労感を感じなくなるのは発達した前頭葉が原因
    ・前頭葉は「意欲や達成感の中枢」
    ・眼窩前頭野で発した疲労感を意欲や達成感で隠してしまう現象を「疲労のマスキング」という
    ・前頭葉が発達していない人以外の動物は(意欲や達成感より)疲労感を優先して行動する
    ・楽しく仕事をしているときほど「疲労なき疲労」が蓄積されやすく,果てには「過労死」に至らしめる
    ■ランナーズ・ハイは脳内でエンドルフィンやカンナビノイドが分泌され,辛さが高揚感に変わる。
    ・疲労感や痛みを消すために防御的に分泌される
    ・多幸感や快感に似た感覚が引き起こされる
    ・脳内麻薬と言われるもの
    ■神経細胞の状態には活動状態(オン)か休息状態(オフ)のどちらかしかない。
    ・オフからオンへの移行には電気信号がある一定の「閾値(限界値)」を超えることが条件
    ・「閾値」未満の刺激では何の反応も起こらないが閾値を少しでも超えると特定の反応が起こる
    ・「閾値」は同じ神経細胞ばかりを使って疲れが溜まってくると上昇するため,オフからオンへ切り替えるために要する刺激の量が増える
    ・神経細胞が疲弊して刺激に鈍感な状態になると素早い興奮の伝達が行えなくなるため,脳全体の作業効率が低下することが脳が疲弊する原因の一つ
    ■疲労を最も起こしやすいのは,脳幹の間脳にある自律神経の中枢の「視床下部」と左右大脳半球間の信号を伝達する「前帯状回」
    ■生体機能の調整は自律神経によって1000分の1秒単位で行われている。
    ■自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がある。
    ・二重支配
    ・拮抗支配(正反対の役割をもつ)
    ・相反支配(一方が活発に活動しているときはもう一方の活動は抑制される)
    ■疲労が蓄積すると視野が狭くなる。
    ・「飽きる」という疲れの兆候が表れると脳の情報処理能力が下がる
    ・「飽きる」というサインを無視すると,次には「疲れる」「眠くなる」というサインが出てくる
    ・「飽きる」「疲れる」「眠くなる」は脳疲労のサインでこれを無視して作業を続けていると「視野が狭くなる」という症状が現れる
    ■目で見て気付く,見つけることができる範囲を「周辺注意力視野」といい,疲れると狭くなる。
    ・脳疲労が溜まると周辺注意力視野が狭くなる理由は人の脳は90%近くの情報を視覚から得ているため
    ・視覚からの情報は量が多いため,当然,脳に対する負荷が大きくなる
    ・脳疲労が溜まり始めると,脳が周辺注意力視野を狭めて視覚情報の量を意図的にコントロールし,減らそうとするホメオスタシスが働く
    ・流入する視覚情報の量を効率的に低減させて脳疲労を抑えようとする
    ■スポーツや楽器演奏での反復練習が飽きない理由は,刺激やストレス,加齢によって疲れが生じにくい「小脳」が関わっているから。
    ■脳に収められる記憶は「エピソード記憶」,「意味記憶」,「手続記憶」の3種類がある。
    ・「エピソード記憶」は個人が体験したイベントの記憶
    ・「意味記憶」は物事の常識的な意味を表す一般的な知識・情報についての記憶
    ・「手続記憶」は同じ体験を反復してマスターする動作のことで「体で覚える記憶」とも表現される
    ・「エピソード記憶」と「意味記憶」は大脳が,「手続記憶」は疲れにくい小脳が大きな役割を果たす
    ・「エピソード記憶」は加齢により薄らぎ,認知症になると「意味記憶」も障害されるが,小脳の機能は加齢によっても失われにくい
    ■脳の神経細胞は新生しないため疲労が蓄積しやすい。,
    ・疲労を招く因子の一つに「加齢」
    ■生体は「神経系」,「内分泌系」,「免疫系」のメカニズムの相互の働きにより体内環境を一定のコンディションに保とうとする(ホメオスタシス)
    ・疲れやストレスが長期化すると脳からの指令で副腎皮質から「ステロイドホルモン」が分泌される
    ・ステロイドホルモンの役割は「ホメオスタシスを乱す勢力への無駄な抵抗をやめて,なすがままに任せること」
    ・ステロイドホルモンは大量に分泌されると血管を老化させ動脈硬化のリスクを高めるなど生活習慣病の引き金となる
    ・ステロイドホルモンは血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効き目が悪くなる「インスリン抵抗性」を引き起こし高血糖や肥満をもたらす
    ・がんの芽をみつけて摘み取るのは免疫系の役割で,人体では毎日1兆個の細胞が死んで,1兆個の細胞が新たに生まれる新陳代謝が休みなく行われているが,新たに生まれる1兆個の細胞にはおよそ5000個のがん細胞が含まれており,疲労が慢性化すると免疫系が疲弊し,がんに対する防衛力もダウンする
    ■筋肉の2台エネルギー源は糖質と脂質である。
    ・脂質は酸素がないとエネルギーを作り出せない
    ・糖質は酸素の有無に関係なくエネルギーになる
    ■強度の強い運動をすると筋肉内の酸素が増えるため,酸素がなくてもエネルギーになる糖質が主なエネルギー源となる。
    ・乳酸は酸素の少ない環境下で糖質が代謝されるときに産生され,酸素が供給されだすと筋肉の細胞のエネルギー源として利用される
    ・乳酸は老廃物ではなく,糖質の分解やエネルギーの再利用に働く
    ■疲れの直接の原因は脳内で神経細胞を攻撃している「活性酸素」。
    ■活性酸素は老化や生活習慣病,シミ・シワ,白内障などの原因になる。
    ■活性酸素は,呼吸で取り入れた酸素が体内で変化して,他の物質を酸化させる力が強くなった酸素の総称
    ・「スーパーオキシド」,「ヒドロキシルラジカル」,「過酸化水素」,「一重項酸素」の4種類
    ・呼吸で取り入れる酸素のうち1~2%は活性酸素に変化する
    ・ほかの物質に対する反応性(活性)が高く,強力な「酸化」を呼ぶ作用をもつ
    ・白血球は活性酸素を出して体内に侵入してきた外敵を攻撃し無力化させる
    ・体を作っている細胞や遺伝子を酸化させ,老化やがん,生活習慣病などの引き金となる
    ■「抗酸化酵素」は活性酸素の作用を抑え込む安全装置。
    ・「SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)」,「カタラーゼ」,「グルタチオンペルオキシダーゼ」などがある
    ・活性酸素は他の物質から電子を一つ奪いまず「スーパーオキシド」になるが,「SOD」によって過酸化水素に分解された後,カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼにより水と酸素などに分解される
    ■激しい運動と同じように活性酸素をたくさん発生させて疲れのもとになるのが,紫外線をたくさん浴びること。
    ・紫外線には,「UVA(紫外線A波)」,「UVB(紫外線B波)」,「UVC(紫外線C波)」の3種類がある
    ・波長が一番短いUVCが最も有害であるが,空気中の酸素とオゾン層でシャットアウト
    ・地表に降り注ぐ紫外線の大半はUVAとUVBで,その95%はUVA
    ・UVAが体内に吸収されると活性酸素が生じる
    ■活性酸素が脳に直接的に「疲労感」をもたらすわけではなく,疲労因子の「ファティーグ・ファクター」と呼ばれるたんぱく質の働きによる。
    ■疲労による判断ミスが大きなアクシデントにつながりかねない職業に関しては,安全を期するためにも唾液中のヒトヘルペスウイルス量を測定することが有効である。
    ■睡眠障害は国民病
    ・寝床に入っても寝つきが悪く普段より2時間以上眠れない状態を「入眠障害」
    ・夜中に2回以上目が覚め,なかなか再入眠できない状態を「中途覚醒」
    ・予定していた時刻より2時間以上早く起きてしまい,なかなか再入眠できない状態を「早期覚醒」
    ・朝起きた時にぐっすり眠った感じが得られない状態を「熟眠障害」
    ■人には1日を単位とする「サーカディアン・リズム」(概日リズム)があり,これをコントロールしているのは脳の体内時計。
    ・体内時計は視交叉上核という視床下部にある一対の小さな神経核に中枢があり,日中に行動して夜間は休息するというサーカディアン・リズムを作りだしている
    ・視交叉上核の体内時計にとっての1日は24時間10分ほどで,体内時計は毎朝24時間周期にリセットする仕組みをもっている
    ■現在のところ,疲労回復効果が証明されているものは一つもない。
    ■疲労回復成分「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」は鶏の胸肉に多く含まれる。
    ・マグロやカツオなどにも多く含まれる
    ・サプリメントの方が適している
    ・イミダペプチドは細胞の酸化と損傷を抑える
    ■森林や滝ツボがもたらすリラックス作用は樹木が発している香りの成分である「フィトンチッド」や,水際のしぶきから発生する「マイナスイオン」によるものではない。
    ・フィトンチッドには殺菌作用は確認されているが疲労を軽減する作用はみつかっていない
    ・マイナスイオンは存在そのものが曖昧(マイナスイオンは和製英語で日本以外の国々では研究対象にもなっていない)
    ■リラックス効果をもたらしているのは「ゆらぎ」であり,「ゆらぎ」は脳疲労を軽減することが解明されている。
    ・自然環境に存在する人の生体も常にゆらいでいるから心地よいと感じる
    ■長時間同じ姿勢で座り続けることによる疲労の回復には立ち上がる,歩くことが効果的で,ストレッチをプラスするのが理想的。
    ■休日に1,2泊で温泉旅行は疲労もと。
    ■夜更かししてサーカディアン・リズムを乱さない。
    ■ドキッとするような音の目覚まし時計を使わない。
    ■記憶にタグ付けをうまく行うことで「エピソード記憶」は飛躍的に改善する。
    ・記憶にタグ付けを効率的に行うためには喜怒哀楽や感動を伴う付随情報を与えること
    ・短期記憶をつかさどるのは脳の「海馬」
    ・情動や快・不快などの感覚が伴う記憶は「海馬」がその情報の重要性を判断し,短期記憶から長期記憶に移される
    ■ワーキングメモリを強化することは脳疲労の予防につながる。
    ・日常的にワーキングメモリを鍛える3つの(タグ付けを増やす)方法
    ①物事を多面的にみる習慣をつける
    ②多くの人と会話をしてコミュニケーションを交わす
    ③世の中の様々な事象に興味をもち多趣味になること

     

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著者プロフィール

梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)

「2022年 『医師が教える 疲れとりごはん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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