きのうのオレンジ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087445565

感想・レビュー・書評

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  • 人は死んでも、誰かの心を震わせることができる。胃がんを宣告された主人公と大切な人に生きててほしいと願う家族との生を描いた長編小説。
    人はいつか死ぬ。明日かもしれない。1日1日を大切に生きよう、と改めて思いました。


  • 33歳の若さで癌と立ち向かうひとりの男と家族のお話。
    そのなかで特に印象に残っている、お母さんのセリフ。毎日を丁寧に生きることとは。
    -------------------
    雑草を抜くことと同じじゃよ。
    雑草は目についた時に抜いておくのがええ。そうすると庭はいつもきれいなままじゃ。雑草を放っておくと、いつしか庭は草にのみこまれてしまう。雑草を抜こうという気持ちも萎えていく。雑草が蔓延った庭が当たり前になる。やがて雑草が雑草に見えなくなる。
    毎日を丁寧に生きるというのは、雑草を抜くことと同じじゃよ。雑草はどんな庭にも生える。
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    内容も知らずたまたま手に取った本だったけど、読んでよかった。人が死ぬ前提の話は好きじゃないけれど、この本は温かく、自分がもし今後の人生で窮地に立つことがあったら思い出したいと思う言葉がたくさんあった。
    たまにはこんな本を読んでみるのもいいかもしれない。

  • 癌が発覚してから、手術、投薬…
    主人公の優しさ、気遣いが辛い。

    5章から、少し気持ちが救われた。



  • 105苦しい闘病とそれを支える善意の人たちの温かい気持ちが溢れる物語。分断と悪意の世の中にこの作品の良さが伝わると良いのに。

  • 解説の大島さんも書いてますが、闘病の話なのに明るくて救われます。

    登場人物が皆気持ちのよく素敵な人たちです。
    自分が闘病の時はこんな人たちがそばにいてくれたらいいなと思いましたし、自分自身もこうなりたいです。

  • 母が胃ガンで亡くなっているので、思い出して辛くもなったのだけど、
    精一杯生きなくては!と改めておもいました。

  • 闘病のお話ですので、悲しみはあります。けどそれで涙が零れたわけではない。主人公の遼賀という人柄に、そしてその家族の絆に涙しました。

  • 若くして闘病する悲しい話なのですが、彼の誠実な生き方、家族、友人の温かい思いに、心温まり、また心が震えました。電車で、何度も涙を流しました。1日、1日、大事にして生きようと思いました。

  • 五反田のレストランに店長として勤務する遼賀は、胃の不調を感じて病院に来た。
    そこで出会ったのは元同級生で、いまは看護師として働いている泉だった。
    彼女は胃がんと診断された遼賀を支えていくことになる。

    人に自慢できるものは何もないと思っていた遼賀だが、彼は穏やかな性格で我慢強かった。
    周囲の人を気遣い、病気を受け入れていく姿は悲しいほどだ。

    生きる と言う事を深く考えさせられた。

  • 久しぶりに、悲しいけれどひたっていたいと思えるあたたかな空気感に包まれた本に出会えました。ずっとこの本の主人公と一緒にいたいって思いました。

    この本はいろんな人に読んでもらいたいです。
    ちょっと心が疲れたなっていう日でも、この本の優しさに触れたら優しく疲れを撫でてもらえます。

    毎日何気なく過ごす大切な人との時間を、
    大切にしたくなりました。

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著者プロフィール

藤岡 陽子(ふじおか ようこ)
1971年、京都市生まれの小説家。同志社大学文学部卒業後、報知新聞社にスポーツ記者としての勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後に塾講師や法律事務所勤務をしつつ、大阪文学学校に通い、小説を書き始める。この時期、慈恵看護専門学校を卒業し、看護師資格も取得している。
2006年「結い言」で第40回北日本文学賞選奨を受賞。2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー。看護学校を舞台にした代表作、『いつまでも白い羽根』は2018年にテレビドラマ化された。

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