検証捜査 (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450897

感想・レビュー・書評

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  • 一県警の捜査ミスを調べるために警察庁主導で全国の都道府県警察から選抜したスペシャルチームを作る、というありそうでない設定です。
    それぞれひと癖ありながら実は団結力を発揮するチーム、恋愛に発展しそうでしない優柔不断なところ、ここ一番で胆力を見せる上司など、堂場作品の共通点は健在です。

  • 問題を起こして離島に左遷された警視庁の元刑事が警察庁の特別チームに招聘。全国から集められたチームのタスクは神奈川県警の捜査ミスの調査。他の堂島作品のキャラに似ているとか、犯人像が早い段階で分かるとか、警察モノを読み慣れてきたってことか。頭を休めるのに最適ツール。

  • 設定や構成が完璧すぎる。

    左遷されていた主人公が事件に熱を入れていく理由付けや、ヒロインの抱える事情など、さまざまな設定が素晴らしいし、物語の構成も穴がない。人を楽しませ、惹きつける構成。

    正直なところ文章は今までに読んだ著者の作品より荒削りかな?って思う部分もあった(あくまでも私の個人的な印象)だけどそんな風にちょっとラフに書いたとしても、これだけ完成度の高い作品作れるの凄い。

  • 神谷警部補は、警視庁捜査一課の敏腕刑事だったが、伊豆大島署に左遷中。彼に本庁刑事部長から神奈川県警に出頭命令が下る。その特命は、連続婦女暴行殺人事件の犯人を誤認逮捕した県警そのものを捜査することだった。本庁、大阪、福岡などから刑事が招集されチームを編成。検証を進めるうち、県警の杜撰な捜査ぶりが…。警察内部の攻防、真犯人追跡、息づまる死闘。神谷が暴く驚愕の真実!

  • 評価は1.

    内容(BOOKデーターベース)
    神谷警部補は、警視庁捜査一課の敏腕刑事だったが、伊豆大島署に左遷中。彼に本庁刑事部長から神奈川県警に出頭命令が下る。その特命は、連続婦女暴行殺人事件の犯人を誤認逮捕した県警そのものを捜査することだった。本庁、大阪、福岡などから刑事が招集されチームを編成。検証を進めるうち、県警の杜撰な捜査ぶりが…。警察内部の攻防、真犯人追跡、息づまる死闘。神谷が暴く驚愕の真実!警察小説。

  • 2017年55冊目。
    先日仲村トオル主演でドラマ化されてたのを見て面白かったので原作も呼んでみた。
    大抵は原作の方が面白いのに、これはドラマの方が面白かったかな。
    まぁ展開を知ってて読んでるっていうのもあるけど、やや中弛みした感と、神谷と凛の恋愛っぽいのは要らないかなー、と。
    あとは、それ必要?っていう細かいト書きみたいなのが多くて、個人的にはあまり好きではないかも。
    警察小説は好きだけど、この著者の作品は次は選ばないと思う。

  • 堂上さんの作品を読むのは初めてです。警察小説は結構好きなので、読んでみました。しかし、本格的な警察小説というよりは、登場人物にかなり視点が置かれた作品でした。警察小説好きの方にはあまり薦められないものだと感じました。

    登場人物それぞれの行動が要となっているような感じの作品でした。登場人物の心情を考えながら読み進めると、興味深い部分もあって、最後までテンポよく読み進められました。

    機会があれば、他の作品を読んでみたいです。

  • 2017年1冊目

  • 神奈川県警が誤認逮捕した事実が大きく報道されることとなり、警察庁は神奈川県警そのものを捜査する特命チームを編成した。
    真っ直ぐな気質から暴走してしまいある事件をきっかけに左遷されていた神谷警部補は、元々は警視庁敏腕刑事。40の声を聞き、離婚もし、もう戻ることはないと投げやりになっていたある日、その特命チームに呼ばれた。
    そこには全国から年齢も経歴も様々な4人が集められていた。
    ぎこちなく始まる特命チームによる検証捜査。反発し合い探り合いながらも次第にチームになっていく。また、神谷は避けていた左遷のきっかけの事件と向き合うことにもなるのだった。そして意外な繋がりと組織の中の暗闇にたどり着く!

    あれ?この人おかしいなーと思っていたんですよね。やっぱりねー。
    また、自然な流れでの神谷の大人な恋もなかなかよいのです。チームのキャラクターもマル。

  • 都内と神奈川県内で同時期に起きていた連続婦女暴行殺人事件。
    手口は非常に似かよっていたため、特捜班にいた神谷は当時から神奈川での事件に注目していた。
    しかし、取調べの過程で不祥事をおこし伊豆大島に左遷。
    何かを諦め、何かを誤魔化すように、大島での生活を送っていた。
    突然に下された特命に戸惑う神谷。
    北海道、本庁、大阪、福岡などからバラバラに召集された刑事たち。そして畑違いの管理官。
    寄せ集めの検証チームが編成された。
    彼らは徐々に予想も出来なかった真実に迫っていく。
    勇気ある人間の残した遺書が突き刺さる。
    一部は判別できないほどに乱れた字が伝えてくる怖れ・・・。
    本人が書いたとわかるようにDNA鑑定用にわざとつけられた血痕。
    監視の目をかいくぐって投函されただろう遺書に込められた思いは、あまりにも重い。
    正義よりも真実よりも大切にされる警察という名の組織。
    「こんな馬鹿なことが起きるわけがない」と笑い、「架空の物語の中だけの出来事だから」と言い切れたらどんなにいいだろう。
    だが、現実に数々の警察の不祥事が発覚し、隠蔽工作に加担した警察官たちが何人も処分を受けている。
    氷山の一角、表沙汰にならないものを含めればその数はもっと多いはずだ。
    彼らが守るべきものは警察という組織ではない。
    本当に守るべきものは、正義であり市民の安全だと思うのだけれど。
    誰かに話すということで何かが変わることもある。
    神谷も凛も自分を変えたいと願っている。乗り越えたいと思っている。
    知らなくてもいい真実は、彼らの中にどう受け止められたのだろうか。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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