- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087462951
感想・レビュー・書評
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由紀の死の謎を解くシーンから先が気になる展開で読むスピードアップ。
もうろうとしながらも真の問いかけに答えるバースディが切ない。
最後、バースディも死んじゃうんじゃないかと思ったけど、真相わからず。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
研究者と研究対象であるボノボのバースディのお話。
実際、こういう公の研究所というのは、派閥争いやらドロドロした金の動きとかがありそうで、純粋な研究者でいるのは難しいだろうなと思いました。
研究が好きで大学に残ったはずなのに色々なしがらみに囚われて、よっぽど会社に入ったほうが研究に打ち込める…、という実話を読んでいる気分になりました。
あとがきにあるように、荻原さんは奇抜な物語を書かれるようですが、これにはそういう驚きはなかったので、ちょっと残念です。他の作品を読んでみるか悩み中。 -
人類にもっとも近いボノボという類人猿。昔とった言語学の講義で人間の言葉を理解し、言葉を習得した個体は人間に近い感情が芽生え、自分以外の仲間を庇おうとする行動が観られると聴いた記憶がある。多彩な感情表現を示しながらも、ある事件の目撃者であり、この物語のキーを握るボノボ・バースディは、主人公の大学研究助手・真が望むように、なかなか真相を「語って」くれない。
もどかしさを感じるが、それがこの作品のキモ。真に共感することで一層この作品を楽しめます。 -
切ない系。
霊長類研究センタで類人猿のコミュニケーションを研究する助手の真、大学院生の由紀、類人猿ボノボの「バースディ」
猿がどこまで人間の言葉を理解し、キーボードを使って会話ができるかは興味が湧く。
バースディの描写も可愛らしい。
ラストはバースディが扱うシンプルな言葉が涙を誘う。
ミステリというには謎解き部分は少なく、前半は緩慢。 -
なんかコメントしにくいなぁ。
結局、ほんとに大事に思ってたとしても、バースディは人間に振り回されちゃったわけだし。
ゆきに感情移入できなかったのも惜しい。ミステリーにするには物足りないかも。
ただ、バースディのいきいきとした描写やかわいらしさがすばらしい。
「めがね ちっぷ まこ れずん」はぐっときた。 -
荻原さんのは毎回展開が読めない。
今回も漏れずにそうであった。
マコ、ユキ、バー
三者?の関係性が幸せな家族像に見えかけた矢先の事件…
あまりにも大きなものを失い自暴自棄になるが、解けないなぜ?が真を動かす…
多くのもの失っても、過去を直視しようと尽力する主人公に心を動かされずにいられなかった。 -
彼女天才じゃない?せつない。。。
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ボノボ(ピグミーチンパンジー)が登場するミステリー。
地味な話だけど面白かった。 -
普通
作品の紹介
霊長類研究センター。猿のバースディに言語習得実験を行っている。プロジェクトの創始者安達助教授は一年前に自殺したが、助手の田中真と大学院生の由紀が研究を継いだ。実験は着実に成果をあげてきた。だが、真が由紀にプロポーズをした夜、彼女は窓から身を投げる。真は、目撃したバースディから、真相を聞き出そうと…。愛を失う哀しみと、学会の不条理に翻弄される研究者を描く、長編ミステリー。