- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087462951
感想・レビュー・書評
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泣けたー。
二人の自殺の動機や、教授間の黒い部分が、曖昧に中途半端にしか描かれてなく、
矛盾を感じる部分もあったけれど。
悲しすぎる。
真も、由紀も、バースデイも。
最後の、真と由紀のやりとりが、涙で読めなくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初の方の事件が起こるまでが長くて少しだれちゃいました。
でも事件が解決してから読んでみたら、それにも結構意味があるんですよ。 -
荻原浩さん7作目。
類人猿ボノボ言語を習得させる研究の助手田中真と
大学院生の藤本由紀は恋人同士。
自殺した安達助教授の後を継いだ研究はまずまず順調。
二人の交際も進展していくかに見えた。
しかし、それはマコトの頭の中だけで思い描かれていただけで、
現実は全く違うチカラによって支配されていた。
人の気持ちを理解することの困難さを改めて感じる。 -
BookOffの100円均一コーナーはやけにこれまで読まなかった著者ばかり、それも女流作家が自棄に多いなと思っていましたが、やっぱりそうでした。
普段行く地元のBookOffではなく、秋葉原にあるお店に行ってみたんですが、100円コーナーは地元と同じような本ばかり。
そこで350円コーナーに行くと、今度は違う種類の本が。
ということで今回手にしたのでは、荻原浩のさよならバースディ。
これまでに3冊ほど読んでいるが、なかなか面白い作家である。
今回のさよならバースディは、とある大学研究所で人間との会話を夢見て研究が進められるボノボのバースディとその研究者のつながりをメインに、大学内で発生している不正事件とそれに関わる自殺事件のなぞを解き明かすミステリーだが、とても面白い。
サルといえば、志村動物園で活躍するチンパンジーのパン君をイメージしてしまうが、ここに登場するバースディもパン君に負けず劣らず、活字の中で生き生きとした賢い類人猿として描かれている。
数年前に飼い始めた我が家の犬のCocoを犬なのに猫っかわいがりしている私としては、かねてからパン君をぜひ我が家にと密かに思っていたが、バースディならなおさら、うちに来てほしいと思ってしまう。
そんな生き生きとした描写で前半を盛り上げると、中盤では人間の主人公たちの恋愛話に発展し、そして突然の彼女の自殺。
なぜそんなことになったのか、真相を追う人間の主人公と彼女の自殺を見届けていたと思われる、バースディとの会話(のようなもの)が後半のミステリーへと進んでいく。
この作者の描く背景や人物像は、リアリティーに富み、好感が持てる作家だ。 -
面白かった。というか切ない!
動物とふれあうことの楽しさが活写されて、つかの間、昔飼っていた猫との思い出がたくさん浮かんできた泣けてきた!
大学の霊長類研究センターに勤める若き研究者である主人公と、研究対象であるピグミーチンパンジー(ボノボ)、そして主人公の恋人。ある日、恋人が原因不明で死んでいるのが発見される。
自殺か他殺か?
大学の上層部を巻き込んで研究所は不穏な空気に支配されていく……
主人公とボノボの心の交流が活写される反面、恋人の死を正面から見据えることのできない苦悩もリアルに描かれている。
動物好きには堪えられないであろうミステリーだ。 -
め みず。意外なメッセージの残し方。ミステリーとしても面白いし、やはりこの作者の世界観が好きだな。休日を使い、読み切りました。
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切ない。すごく切なかった。
由紀の死の真相が解っていくにつれ、知らないうちに利用されていたこと、知らないうちに利用してしまっていたこと、それに気づけなかったことと、やるせない気持ちでいっぱいになった。
でも、ちゃんと気持ちが通じ合っていた部分もあるって信じたい。楽しく過ごした時間も、嘘じゃなかったよね? -
ボノボのバースデイと主人公の信頼関係にぐっとくるけど、やっぱり動物は人間に振り回されてしまうという切なさが残った。
ミステリーの要素は少ないかな?
バースデイの気持ちばかりが気になってしまった。