- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087712728
感想・レビュー・書評
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どこか白夜行に似てるなと感じた。
人の事をいつも客観的にみれてても、自分の事となったらやっぱり難しいよな。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2009年01月29日 17:20
暴力はかえってくるのだ、という帯で購入した。
東野圭吾の「白夜行」を連想させる世界観。
一人殺しても二人殺しても同じだ、というのはよく聞くセリフだ。
人を殺害するというラインを超えたことで、道徳観念とか人としてのなんとかかんとかが壊れてしまって、もう何人でも一緒じゃ!となるらしい。
でも元々壊れてるから最初の一人を殺したって見方もできるんじゃないか、と読んで思った。
誰かのために人を殺すのは、自分のためよりも、結構簡単な気がする。親の仇とか、恋人を脅迫している奴とか。
でも、その「あなたのためにしてあげた」行為が、いわゆるありがた迷惑だったということが判明したときは、やりきれない。
自分のためでも、その相手のためでもない、いわゆる理由なき殺人を犯した人は、絶対に”自分”のアイデンティティーの不在に困惑するだろう。
白夜行でも光でも、随所に虚無感とでもいうべきものが漂うのは、それを知って利用した人物、1番残酷な女の存在が圧倒的だからかもしれない。 -
これは… 震災後の傷がまだ残る日本の図書館は、この本を置くのを自粛すべきでないかとまで思う。よりによって、津波で故郷すべてを、家族を失い、、、という話で、何度ももう読むのをやめようかと思った。でもタイトルからするときっとどこかで希望を与えてくれるのかと、信じて、読んだけど、非情なまでに鬱々しい終わり方だった。生き残った者たちは、お互いが枷になるようにして幸せにはなれない。命さえあればまた人生は開けるなんて嘘だ、だれと生き残るかで、また死ぬよりも苦しい生という道が造られる。そういう形もあることを、今は日本人だれも見たくないとおもう。まあ、2008年に書かれた作品なので、震災を知ってなおシニカルに描いた作品ではないんだけれども。どうしても連想させる事実の震災が実際に起きてしまった以上、その事実が忘れ去られる時代がくるまで、この作品を推す人は、おそらく現れないんじゃないかな。。。。三浦作品ではじめて、読まなきゃよかったと思った1冊。震災がこういう人生を実際につくりだしているかもしれない可能性を、思うと、吐きそうになる。
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光というタイトルからは一見想像出来ない仄暗さをもつ作品だった。
津波によって家も家族も失い生き残ったという始まり方も、その後に起こる全ての発端となった事件も、それが大人になった彼らへ与えた影響も。
一つずつ壊れて、遂には元に戻ることなど出来なくなる狂気や歪んだ愛情、狡さ、情。
輔は自分が殺されることも理解していた、望んでいたのだろうか、それとも諦めか、もしくはかすかな期待に賭けていたのだろうか。
もういちど、美花と生きることを望んだ信之は生きながら死へ向かい、
美花はもう人間には戻れない。
この洋題が"The Dark Light"であると最後に知り、信之の眼に南海子が見た光を思った。 -
悲しい話。人を信じること、愛することに不器用な
いや、鈍感な?人たちが出てくる。
娘の椿がかわいそう。最低の両親。
終始重い。読んでいて東野圭吾の「白夜行」を思い出した。 -
光が見えなかった。
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本の内容が濃すぎて怖かった、、、(笑)
島での暮らし、津波、、、。
人のこと信用できなくなりそうな気持ちに
なる内容だったけど続きが気になって
止まらなくなった!! -
女性はたくましくて強い
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読了2009.10.18
波の描写が美しくって苦しいです。
何もかもを浚っていってしまう圧倒的な力が、登場人物たちを捕らえて離さないように感じます。