マスカレード・ホテル

著者 :
  • 集英社
3.86
  • (896)
  • (1793)
  • (1080)
  • (152)
  • (22)
本棚登録 : 10616
感想 : 1387
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714142

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 星3.5かなぁ。一気に読んだけど期待したわりには物足りない感が残った。舞台に高級ホテルをもってきて、連続殺人らしき事案の仕上げが起きる恐れを窺わせることから選ばれた刑事たちが密かに配置される想定。敏腕ホテルウーマンと彼女に教えを受けて徐々にホテルマンに馴染み始める刑事が中心に事件解決に取り組む。真犯人の設定と動機に物足りない感を受けた。読者を引き込む展開は相変わらずの強さだけれど....

  • 昨日読了。
    本を読むペースが鈍っている。
    時間がない感じですかね。

  • えー、図書館にだいぶ前から予約を入れてようやく借りられたのが昨年の12月。と思っていたが、発刊自体が昨年9月ですね。ということは、3ヶ月後に借りられたんだ。
    何故だろう? 発行前に予約を入れたのだったかな?
    ま、それはともかくとして、かなり面白く読んだ記憶があります。
    ただし、細部はすでに忘却の彼方。
    これも「麒麟の翼」同様、装丁が素晴らしい。さすが大御所、日本推理作家協会理事長にもなると、出版社も装丁に並々ならぬ気合を入れるようだ。
    ぱっと見、仮面舞踏会を連想させる表紙です。
    確かにこの舞台となる高級ホテルには、様々な人間が出入りする。
    表面上はともかく、その人たちの本当の姿は誰も知らない。つまり、みんな仮面を被っている。
    あっ、やっぱりそうなんだ。今ウィキで調べたら「マスカレード」って「仮面舞踏会」という意味なんだね。
    主人公は、女性ながら優秀なフロントスタッフとして、どんなに我儘でも、どんな理不尽なことを要求する客にも「お客様第一主義」を錦の御旗として掲げ、一所懸命に接する山岸尚美。
    この子のキャラがなかなか魅力的。
    何があっても自分の果たすべき役割をこなそうという健気な姿勢にただただ好感を抱きます。
    次々に起こる連続殺人事件(ま、続いて起こらなければ連続殺人事件とは言いませんが)。
    で、次なる殺人はこの「ホテル・コルテシア東京」で起こると警察は推測し、このホテルに捜査員をホテルマンに扮して常駐させることを決断。
    まず、これが面白いですね。
    普通に考えたら、普段怖いものなしの刑事や警察官が、常に低姿勢で客に接しなければならないホテルマンになど、なれるわけないもの。
    素がついつい出ちゃうから、すぐにばれます。
    「おい、早く吐いて楽になれよ」とか「お前、警察をなめてんのか!!」などと常々おっしゃる刑事の方々が、「誠に申しわけありません。以後気をつけます」とか「何卒、この件に関してはご容赦ください」なーんて台詞や前方45度の角度のお辞儀なんて、絶対言えないし、できません。
    ニュースで、警察が「山口組一斉捜索」などという映像が流れることがあるじゃないですか。あれ見たとき、はっきり言って、どちらがやくざのお方でどちらが警察のお方なのか見分けつきません。
    みんな強面の顔してるから。
    でも、その無理な設定での人間模様を描いてるからこそ、この小説は面白いんですね。
    特に、健気な山岸さんと、若い新田刑事の掛け合い漫才が。
    もちろんミステリーとしての伏線は色々張られているのですが、人間群像小説として読んでもいいような気がします。

    閑話休題:
    このホテルはどこをモデルにしてるのかなあ、とずっと考えながら読んでいたのだが、調べると、日本橋の、というより東京シティエアターミナルのと言ったほうが分りやすいロイヤルパークホテルだそうだ。ふーむ、あそこか。
    こう言っては失礼だが、いまひとつ垢抜けないホテルだった気がしたが、辺鄙なところにあるからなんだな。逆に言えば落ち着いた感のするホテルと言ってもいいけれど。
    20階にある「鉄板焼すみだ」のお昼のランチ(当たり前だ)ブッフェを食べたなあ。確か日曜日だったけど、がらがらだったような記憶が……。でも、そういえば何処かのレストランか日本料理屋が、ミシュランの星をもらっていたような気も。まあ、そんなどうでもいい話は別にして。

    多くの人間が始終出入りするホテル。現われる人間全員が怪しく見えます。こういう展開だとまず思うのは、最も犯人とは思えない人間が、そうだったりしますよね。これ以上書くとネタバレになるので、終わり。
    いくつか「こんなのあるかなあ?」「ええ? そんなことで」とか疑問に思う部分もあったような気がしますが、総合点で捉えて、このブクログに来る前に作っていた個人的な読書記録の評価では4.5を付けていました。

    • koshoujiさん
      東野圭吾ファンにお知らせ!!
      彼の最新作『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は3月28日発売です。
      「ブクログ」には既に60人以上の方が登録している…...
      東野圭吾ファンにお知らせ!!
      彼の最新作『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は3月28日発売です。
      「ブクログ」には既に60人以上の方が登録している……。
      図書館派の方々は、早めにご予約を!!
      自分のレビューにこんなコメント書いて、誰か気づくのでしょうか?
      しかも自分自身は昨年12月に予約入れてるし(笑)。
      2012/03/16
    • honaoさん
      koshoujiさんのレビューを拝見し、私も読みたくなって、先日(3月18日)に某市立図書館に予約しました。今日現在552人待ちです。東野圭...
      koshoujiさんのレビューを拝見し、私も読みたくなって、先日(3月18日)に某市立図書館に予約しました。今日現在552人待ちです。東野圭吾恐るべし!気長に楽しみに待っています。

      ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
      間違いました。元のコメント削除してしまいました。本当は修正したかったのです。
      私が図書館予約したのは「マスカレード・ホテル」のことです…と言いたかっただけなのです。度々すみません。
      2012/03/28
    • あやちゃんさん
      koshouji様。
      コメントお知らせありがとうございました。(遅くなりすみません)
      『ナミヤ雑貨店の奇蹟』図書館に予約していて、本日や...
      koshouji様。
      コメントお知らせありがとうございました。(遅くなりすみません)
      『ナミヤ雑貨店の奇蹟』図書館に予約していて、本日やっと読むことができました。
      勝手ながら少し悲しくなったので星5はつけないのですが、思うことがいっぱいあったので
      またレビューを作成中です。
      東野さんいいですよね。(次のもまだ予約中です。)
      2012/09/29
  • おもしろすぎて、あっという間に読み終わった。
    伏線もしっかり回収されていて、もう一度読み直したいくらい。
    高級ホテルに思い入れがあるので、ホテルの描写が想像しやすくて楽しかった。
    ホテルマンのお客様への機転の利く対応は、心が洗われる。
    終盤は、善かれと思ってした行動が、他の誰かを傷つけてしまっているという一面も見せられて怖かった。

  • 帯や表紙から想像したものとは全然違っていた。
    もう少しスリリングなものを想像していたけど…。
    ホテルにはいろんなお客様がいて、そんなお客様にどうのように対応していくかというホテルマンの奮闘記。刑事はまず客を怪しんで見る。ホテルマンはまずお客様を信じて見る。
    刑事は常識(または自分)がルール、ホテルマンはお客様がルール。
    秘密・犯罪を暴きたい刑事、お客様を守りたいホテルマン。
    そんな二人がお互いの仕事に対する熱い思いをそばで感じ少しずつ理解し変わっていく…。
    次はどんな事件が待ち受けているのだろうか。

  • やっぱり安定の東野さん、面白い!
    普段とはひと味違ったよーな刑事もの。

    ホテルマンに扮する警察官。
    厳しい指導官のホテルウーマン。
    ホテルマンに憧れる方には是非読んで頂きたい!
    御守りの話には、感動した。

    帰国子女。チームプレイ。正義感。勘。匂い。

    登場人物の個性が現れてる作品。

  • ホテルウーマンとしてのプロの仕事ぶりがよかった。
    ホテルの世界や考え方、警察の世界や考え方、それぞれの違和感を持ちながらも人間として信頼していく様子がよくわかった。
    生きていく中で出会うことのないタイプの人もたくさんいる。
    信じられない価値観の人もいる。
    ちょっとしたことが相手にとっては人生変えるほどの出来事になってしまう場合もあるんだなーとこわかった。
    ひとつの殺人事件を防ぐための話だけど、いろんなエピソードがあってどんどん読み進めてしまいました。
    犯人も意外な人物だったし、それが途中のエピソードとリンクしてる感じも大好きでした。
    東野圭吾さんの本は必ず読んだ後、なにかを気づかせてもらえるので好きです。

  • 「マスカレードホテル」
    東野圭吾


    とても凝った造り。物語の至る所に細工が施されている。その洗練された雰囲気はまるで、小説の舞台となる超一流の高級ホテルのようだ。

    小さな謎が幾重にも積み重なって、私たちを翻弄する。先が気になってどんどん読み進めていくうちにすっかり物語に入りこんでしまい、読み終えた後でやっと、あれとあれがあそこで繋がって…?と整理し出すのだけれど、それをやり出すとまた止まらなくなってしまう。

    ミステリー自体が面白いのはもちろん、登場人物たちのやりとりがまた良い。ミステリー小説なのに、細やかな心理描写に胸が熱くなる。個人的に気に入っているのはホテル総支配人の藤木。際立って目立つ存在ではないけれど、とても味のある役どころだ。実写化なら児玉清なんか合いそう。柔らかな物腰と、時折見せる秘密めいた瞳なんかぴったりだ。(もう叶わない配役だけれど。)

    そういう、ミステリー以外の部分もひっくるめて、全体の完成度がとても高い。当たり前だけど文章も上手で読み易いし、何よりすごく面白い。東野圭吾はこれが初めてだったけど、これはハマってしまうかも。


    以下、内容紹介

    待望の新ヒーロー誕生! 極上の長編ミステリ
    都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。
    1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。

  • 大きなホテルが舞台の事件もの。
    特別にユニークとかすごい大作とかいうのではないけど、好感度が高く、多くの人に読んで貰いたいという意味で、★五つ。
    映画になりそう。

    山岸尚美は、ホテルのフロントでクラークを務める優秀な女性。
    捜査のため、ホテルの各所に警官を潜入させると聞いて戸惑う。
    掃除するぐらいならまだしも、直接客と接する仕事は、生半に出来ることではないのだ。
    共に働くことになった刑事の新田浩介は、傲慢な態度で、客のルール違反を指摘してのける。
    フォローと指導に頭を痛める山岸と新田のやりとりが面白い。
    警官と丸わかりな態度のままでは、犯人がすぐ気づいてしまうと指摘する山岸。
    お客様がルールだというホテルのやり方に驚愕する新田。

    しかも、客のふりをしてあちこちにいる警官がまた、目つきが悪い。
    じつは、このホテルが連続殺人事件の次の現場になりそうなのだ。
    捜査一課の新田は、捜査の最前線にいられないことに苛立つ。
    ホテルマンに見える外見で英語力もある刑事はそうないので、代わりはいないのだが。
    クラークの持ち場を離れようとしたり、山岸の気持ちを理解しなかったりと、小さな問題を起こしつつ、迫るXデー。
    新田が所轄で組んでいた能勢は小太りの中年男だが、腕は確か。連絡を取りつつ、しだいに新田の推理は事件の核心に迫っていく。

    披露宴を予定している女性にストーカーがいるらしく、披露宴のスケジュールを聞き出そうという電話があった。
    友人の名をかたった贈り物も贈られてくる。
    はたして、このストーカーは何をするつもりか…
    連続殺人事件の犯人と同一人物なのか?

    事件はなかなか複雑だけどあり得ないほどではなく、その描写は簡潔なのだが、今時らしくネットが絡み、興味をそそられる描き方になっています。
    ホテルには実に様々な人間が集まるので、その描写だけでも読めます。
    ホテルマンの心意気が何よりもいいですね。
    そして、刑事の心意気も。

    仕事に熱中し時には反発しながら、信頼が生まれ、ほのかに心が寄り添っていく新田と山岸。
    そして、問題の結婚披露宴当日…?!

    あと少ししかページがないので展開はこうかな…と推測したら~まあ近い流れでした。犯行の動機はわからなかったけど。
    2011年9月発行。

  • 他の本で紹介されていて、面白そうだとおもったので図書館で借りた。

    犯人の狙いはこの人か?と途中で思ったのが当たっていたけど、冷めたりはしないで、楽しく読めた。
    途中で「あれ?違うの?」なんて揺さぶられたり、人間関係があとで繋がったり、主人公二人の浮き沈みがあったり。飽きない。

    こういう作品を書き続けるって、すごいなぁ。

全1387件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×