マスカレード・ホテル

著者 : 東野圭吾

• 集英社 (2011年9月9日発売)

感想・レビュー・書評

[lalamama1さんの感想 · 2017年11月4日]

新作「マスカレード・ナイト」を読みたくて、本棚を探した一冊。新田・山岸コンビのぎこちなさから、段々と築き上げて行く信頼関係の変化が興味深かったです。一方ホテルマンの在り方についてもプロフェッショナル感が随所に盛り込まれていて、職業としての素晴らしさに改めて気づかされました。

[kanrofuruさんの感想 · 2016年9月18日]

男性作家の書く女性は、どうも苦手なことが多い。

[ひ よさんの感想 · 2016年2月13日]

　最近都内で起こった３つの殺人事件が、連続殺人である可能性が浮上した。それぞれの現場に似たような数字の羅列の書かれたメモが置かれていたのだ。その数字は、次に起こる殺人の日付と場所を表す。そして、４つめの殺人現場として予告されていたのが、一流高級ホテル、コルテシア東京。
　次の殺人を未然に防ぐため、数人の刑事がホテルマンに扮して捜査に乗り出す。フロントクラークに化けて潜入するのが、優秀ではあるがプライドの高さが欠点の新田浩介。新田を教えるベテランのフロントクラーク、山岸尚美。来る客すべてを疑ってかかるのが仕事の刑事と、お客様をルールブックとして従事するホテルマン。二人の葛藤、連続殺人と思われるこれらの事件の本当の関係とは、そして、４つめの事件の結末とは。



　東野圭吾の作品は、読んでいて面白い。
　それに、さすが東野圭吾、と思う点もたくさんあった。
　表現描写、物語の進行のテンポは、明快で歯切れ良く、とても読み進めやすかった。また、ホテルの内情、ホテルマンの業務等については、どうやって取材するのかと不思議に思うくらいリアルで具体的に描かれていた。実際にホテルにやってくる客たち、その客たちが持ち込んでくる事情とそれらから引き起こされる数々の事例も、リアリティがあり、興味をそそられた。ホテルマンも大変な仕事だな、と同情するほどに。
　巧妙に仕組まれたトリック、それらを明かしていく過程。
　完璧でない人間味溢れる主人公。少しずつ成長していく様。
　ただ、そのトリックの巧妙さ複雑さに鑑みると、動機がやや薄かったかな、という感は否めなかった。何がその人をどこまで苦しめるのかは分からない、と言ってしまえばそれまでだが。

[mtgrmcさんの感想 · 2015年6月22日]

イブを読んで再読
なるほど、イブと関連する部分を確認

やはり、新田の印象がルーキーとは随分違うと感じる
刑事よりホテルマンがもっと活躍する方が面白かったかもと思った次第

[ayaponさんの感想 · 2015年4月9日]

図書館にあったので借りてきたけれど、東野圭吾の中では久々に面白いと思えた1冊。犯行予告が出された高級ホテルを舞台に、ホテルに来る様々な客人たちとそれぞれが抱える事情が大変興味深く面白く読めた。高級ホテルに足を運ぶ時には誰しもが仮面をかぶっているのね。ホテルマンのプロのおもてなし素晴らしいね。2013/198

[uraraさんの感想 · 2015年4月5日]

やっぱりこの作者は読ませる力がある。

連続殺人の次の舞台はホテル。
何人かの捜査員がそのホテルの従業員として潜入する。
さまざまな客が出入りするホテル。その内幕が興味深かった。

[Poohさんの感想 · 2015年3月21日]

頭は切れるが、まだ若くプライドの高い警視庁の男性刑事が捜査のためホテルにフロントクラークとして潜入。その刑事が、ホテルでの教育係りとなった優秀な女性や所轄のキレ者刑事に助けられ成長していく姿が描かれていく。
様々な人間が交差するホテルという舞台が効果的に使われている。
人間、誰しも仮面を被っているよね。

[あおいさんの感想 · 2015年3月15日]

東野さんはやっぱりうまいなあとおもった。
犯人については皆目分からないが、次の犯行場所だけは分かっている、という状況設定がまずうますぎる。

先がきになって一気に読んでしまった。
犯人もラストも見事だった。

[りぶれさんの感想 · 2015年2月23日]

諸事情によりイブを先に読んだので、山岸さんと新田さんが登場した時は「待ってました！！」な気分でした(笑)山岸さんのプロ意識には頭が下がる思いです。読んでいるだけでいらっと来るお客様相手に…素晴らしい❤その意識の高さ故に新田さんも最初はかなりうっとおしく思ったのでしょうね、とラストのシーンを読みながらにやにや♪新田さんも鋭い洞察力と正義感、さらには山岸さんともう一人の頼りになる相方に助けられ事件を解決していくし♪マスカレードとはそっちの意味もか！とラストにはびっくり。とても面白かったです。

[wasbook723さんの感想 · 2014年9月16日]

ホテルの物語としてはまぁまぁ。いろんな客がいて、でもいつでも仙人のようにお客様のためだけを思うホテルマン。昔好きだったHOTELみたいで楽しめた。

ミステリーとしては･･･うーん･･･
ちょっとチープな印象が否めません･･･
クラークの何気ない一言に、刑事が「そうか！！」って閃くというパターンが多くて、君はコナンか！！ってツッコミ。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。