残り全部バケーション

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 6904
感想 : 948
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714890

感想・レビュー・書評

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  • 人生、まだ、続いていくから。裏稼業コンビ「溝口」と「岡田」をめぐる五つの短編集。

    短編集なのに繋がりがあって、すごく楽しめた。
    溝口も岡田も怖いことしてるのに全然怖く感じなくてあほっぽいのにかっこよすぎ。
    伊坂さん、なんでこんな面白いことが浮かぶのか不思議。
    最近の伊坂さんの本はちょっとつまらなく感じてたけど久しぶりにガツンときて嬉しかった。

  • 深刻なことは軽く。
    なもんだから、岡田の過去も溝口の過去も、詳しく描写されることはない。つらい仕打ちをされて育ってきた人間が阿呆みたいなことに打ち込んで阿呆みたいに楽しんでいるのはなんとなく救われる気がする。……いや、やってることは犯罪のラインギリギリセーフかギリギリアウトなんだけど。
    それにしてもおもしろかった。満足である。
    偉そうな、調子乗ってるやつを虚仮にするのってなんて楽しいんだろう(笑)。

    第一章 残り全部バケーション
    第二章 タキオン作戦
    第三章 検問
    第四章 小さな兵隊
    第五章 飛べても8分

    岡田が活躍する二章と四章が好きかな。岡田が関係する話をもっと読みたかった。

    第五章の病院、なんとなく、ゴールデンスランバーを思い出してしまった。ちなみに溝口と高田を、TIGER&BUNNYのふたりに置き換えると意外に違和感がない!!

    ……それにしても伊坂小説の浮気・不倫の多さすごいな(笑)。

  • みんなの好きな伊坂作品のやつです!! 登場人物の
    キャラクター、その会話のテンポ、台詞。
    これこれ!! って感じの伊坂節っていう方の作品です。
    もう、表題タイトルからして秀逸ですよね。自分も
    「残り全部バケーション」の心意気で今、暮らしてる
    ようなもんです。生活はスゲー大変だけどw。

    飄々とした悪党「溝口」と「岡田」の
    コンビを基本的に描いたチャーミングな
    アウトロー達がメインですがその表題作から
    始まって、時間軸も登場人物もシャッフルされた
    短編達がところどころでカチリカチリっと
    ハマっていくスタイルにより様々な人物と
    事柄が繋がっていく例のアレです。
    伏線回収というよりは人物相関図の上手さと、
    各キャラクタの会話の妙が抜群。
    引用したくなる台詞のオンパレード。
    音楽で言うと耳に残る短いフレーズや
    メロディが詰まったような...。いいわー。

    ラスト1編の書き下ろしのスピード感と
    熱さによって作品全体の印象も大きく変わって
    くる秀逸の1編なのですが、賛否両論ありそうな
    ラストも個人的には、凄くカッコいい。
    このラストシーンは映像にしても絶対に
    鳥肌もの。読み終えるのが寂しくなるくらいに
    読んでいて楽しい一冊。

  • 伊坂幸太郎による伊坂幸太郎らしい作品。

    じわじわと登場人物が愛おしくなってくるのは、まんまと伊坂幸太郎のトラップにはめられたみたいだ

    小気味いいテンポとユーモアなストーリー。伏線回収される前に、自分で想像力働かせながら読む楽しみ。

    最後はいろんな意味で「え」ってなった(笑)

  • ストーリーがよく出来てる。点と点がふっと線になる所が好き。
    出てくる人達、やってる事は悪いけど人間味あるし心底悪いやつじゃない。

    この本も時間が経ったらもう一回読もう。1回目では気づけなかった線に気づけるような気がする。

  • すごく良かった。
    すごく好き。
    伊坂さんらしい、裏家業の善人による人助け。

  • 面白いですわ。ただし
    タイトルの「バケーション」なんて素敵な単語につられて、ほっこりとかワクワクとかスッキリ爽やかとか期待したらあきません。
    そこはそれ、伊坂幸太郎ワールドですから、
    物騒な裏稼業のひとたちの
    物騒な日常がこれでもかのてんこ盛りで
    ハラハラヒヤヒヤですわ。
    それでも魅力のある人出てくるけどね。

    ああ、甘いもんたべたいなあ

  • 相変わらず上手いなーと思う一作

  • 伊坂幸太郎作品ではおなじみの、悪いことしているのだけど、どこか憎めない。そんな二人が主人公の作品。
    きっといつか公正してくれるのではないかと、いつまでも見守っていたくなる、そんな人情味溢れる登場人物たち。
    そして、ところどころにでてくる名言?の数々。
    あっという間に読み終えてしまい、また他の作品も読みたくさせられてしまいます。

  • 他の伊坂作品同様、面白かった。
    5編の中編からなる作品だが、それぞれの作品は登場人物が共通しつつ、独立した作品になっている。
    最後の一編に向けてそのすべてがつながりをなして、集約されていく。
    終わり方もよかった!

    • 杜のうさこさん
      woody-kenjiさん、はじめまして。

      いいね!とコメントをありがとうございました。
      お返事が大変遅くなってしまい、申し訳ありま...
      woody-kenjiさん、はじめまして。

      いいね!とコメントをありがとうございました。
      お返事が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
      こちらにお返事させてください。

      伊坂さんの作品は好きでよく読んでいるのですが、
      悪人なのに憎めなくてほっこりさせられたり、
      殺し屋なのに応援したくなってしまったりと、まさに伊坂マジック、伊坂ワールドですよね!
      共感して下さって、とても嬉しかったです。
      どうもありがとうございました。
      2019/09/21
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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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