蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087747706

感想・レビュー・書評

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  • 他で読んだ読み切りの方が印象的だった。

  • 少女峰子が常野一族の一家と出会う。
    聡子の最期の気持ちがみんなの心に響いて、癒されるようで良かった。
    常野一族の役割って、こういう癒しの役割なのかな。

  • あいかわらず優しくてふんわりと、そして不思議な作品でした。貴子様のありがちな気位の高い態度に苦笑しつつ、対照的な聡子様の優しさ、賢さ、強さが滲み出ていて最後はほろっと涙が。峰子さんは苦労の最後を綴りながら何を常野に望んでいたのだろうかと考えました。その後日本は過ちもあるけれど、平和ではないけれど、でも復興しているんだと伝えてあげたくなりました。しまう、というのはそういう事なんですね。光の帝国で漠然とした理解だったのがクリアになりました。静かに、目立たなく過ごそうとする常野の人にまた少し癒された1冊でした。

  • 常野物語2作目。
    温かい気持ちになれるが淡々としていた気がする。

  • 短編集「光の帝国」で描かれていた常野の人々と一時一緒に過ごした女性の回想録。時代や舞台設定は好みなものの筋はすべてが予想通りというか。でも、最後の最後だけぐっときたなぁ。でもあの一文も現在視点じゃないと出ない言葉だよなと思うと、ちょっと違うんだよなあと感じたり。

  • 251ページ。装画図案/菊寿堂いせ辰 装幀/中島かほる

  • 恩田陸さんの常野物語の2作目です。前作である「光の帝国」は連作短編でしたが、この作品は長編でした。
    日露戦争前の時代、槙村という旧家に支えられた小さな村を舞台にした作品です。物語は悲劇の予感をはらみつつ進行して、やがてそれが現実になります。そして常野によってもたらされる救い。
    この作品を読んでいて、何度も生きること、死ぬことについて考えさせられました。この本を読んだことで、私も救われたような気がします。

  • 「光の帝国」に続く常野物語第二作。「光の帝国」ではいい人が無常に傷付いてしまうような胸が痛む場面が印象的だったが、今作は基本的に優しさと人情味溢れる内容で、物足りないといえば物足りない、けれどほっと優しい気持ちになれた読後感だった。

  • 2013.09.峰子は,身体が丈夫ではなく,なかなか外出することのできない槇村のお屋敷の聡子様の遊び相手としてお屋敷に出入りするようになる.その後,お屋敷に光比古と紀代子の姉弟とその両親の春田一家がやって来る.彼らは特殊な力を持っ常野の一族だった.ある日,峰子と聡子様が村の子供達の面倒を見ていると突然嵐となってしまう.山崩れのために峰子と聡子様は子供達を必死にお堂まで連れていく.しかし,最後に聡子様が鉄砲水に流されてしまう.嵐の後,聡子様の遺体が下流で見つかる.嘆き悲しむ奥様.その中で光比古は,奥様,旦那様,峰子達に対して,「しまってあった」聡子様を響かせる.聡子様が今まで見てきて感じてきたことが響いてくるのだ.その後,天聴館に住んでいた春田一家は,また旅に出た.不思議な力を持つ,常野一族の話.いつも不思議な感覚で面白い.

  • 20世紀初め頃の福島県が舞台のようですが、時代も場所もはっきりしなくても全く差支えがないような不思議なファンタジーの世界です。旅を続ける4人の家族「常野」に出会った「私」(峰子)と名門槙村家の令嬢・聡子さん。未来を予知する不思議な能力を持つ「常野」は風のような爽やかな存在ですが、実際に存在しても可笑しくないように思われてくるのが不思議です。景色の描写が美しいです。「稲村の火」を思い出させる大水害の場面は手に汗を握る迫力でしたが、全体としては印象が薄いことは否めません。

  • 常野物語、三部作のうちニ作目!
    他の二つは既に読んであったが、この作品は特別な常野のちからの話があまり強くなく、ラストはシンプルな心暖まる作品だったと思う。

    恩田陸さんの作品は、常野物語だけなので、他のも読んでみようかな。

  • 舞台は20世紀初頭の東北の農村。旧家のお嬢様の話し相手を務める少女・峰子の視点から語られる、不思議な一族の運命。時を超えて人々はめぐり合い、約束は果たされる。切なさと懐かしさが交錯する感動長編。

  • 宝石のような、静かな美しさがある物語。ただ全体的に印象が薄いです。聡子様が予想していたとおりの結末を迎えたのも、話が薄くなった原因かな。『光の帝国』で好きだった春田一家が出てきたのは嬉しかったです。

  • 再読。

    読み始めから不穏な空気が漂っている感じ。
    切ない気持ちになる作品だった。
    恩田さんの遠野の話は基本的に切ない気持ちになる。

  • ふわりとした文体の読みやすいファンタジーでした。
    3冊シリーズの2冊目から手をつけてしまったのですが、
    この本自体は、長者さんの末っ子聡子がヒロインの物語。
    途中から最後は予想がついたのですが、やはりほろりときました。
    詳しい感想とかおおよその中身はブログに紹介してます。
    http://monogatarigatari.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

  • 彼らはなにを「しまう」のか?

    【内容】
    まだゆるやかさの残っていた時代。
    二人の少女の交流と、不思議な雰囲気を抱く人たちとの刹那の接点。

    【感想】
    意外さのまったくない展開ではあるのだけれど、感情は、動く。

    (2012年11月16日読了)

  • 終わり方も釈然としないし…
    常野ってなんなのか?
    はっきりさせないことが余韻なのか…

    うーん…

  • 戦争の前の物語。
    まだ日本が長閑で、田舎で、そして自然とつながっていた頃の話。

    少女は、隣のお屋敷の娘と仲良くしてくれと頼まれ。
    お屋敷の娘はか弱く、でも強い娘で。

    ある日、常野(とこの)の一族が屋敷にきたところから物語は動く。
    一家は人々の想いを、記憶を『しまう』。
    異能の持ち主の一族。

    そんな、物語は娘時代の遠い記憶。
    戦争で夫は、息子は、兵隊に取られ、この国は負けた。
    今、しまわれた記憶はどこへ。

  • 最終章までは、のんびりとした昔の空気感が溢れていて、和みました。
    ただ、ちょっと単調?かなって思うトコロも^ ^;
    お話しとしては、『光の帝国』の続きで、「しまう」能力の人達が出てくるお話し。
    最終章で、一気にお話しが進みます。
    日本が戦争を始める、少し前のお話しやから、主人公がどういう経緯を辿ったのか、読み終わった後に、自分の知り得る戦争の記憶を思い返しました。
    そして、私達が住んでいる時代に至るんだなぁって思って(-_-)ウーってなりました←住みやすいけど、生きにくいwwなんてなw
    そんなコトを感じられる本でした。
    蒲公英(たんぽぽ)は中国語をそのまま、当てた漢字なんですってね。
    花言葉は「真心の愛」それにぴったりの優しいお話しでした✽

  • 超能力を持つ一族常野のお話なのだが、超能力は主題ではない。人が生きていく意味をなんとなく教えてくれる。たんぽぽに何故こんな意味のわかりにくい字が当てられるのだろう?

  • 人のあたたかさとか繋がりとか、色々感じました。好きな本です。

  • 常野シリーズ

    春田一家が主役だと思って読んだけど違った(-.-)

    でも最後まで読む価値あり(^-^)

  • 19世紀の終わり、東北地方の村に暮らす少女峰子と、常野の一族との出会いの物語。
    「しまう」とか「響く」とか、なんだかよく分からないことも多いけど、そこはまぁ、恩田陸らしさということで。

  • 常野物語のシリーズ

    1作目の方が印象に残ったが、1作目とのつながりが感じられて、良かった。

    20世紀になったころの時代の雰囲気も感じとることができた。

    シリーズの今後の展開が気になる。

  • 今まで読みなれた文章とは異なる書き方のため、
    最初は読むのが苦痛だったが、
    読み進めるうちにその表現のおかけで
    世界観に吸い込まれていった。

    最終的には切ない話だが、とても良作だった。

  • 日本語のこの表記がぴったりだと思う、「あったかい」。

    優しくて穏やかで、温かい空気が流れてる。

  • 常野シリーズ続きがあったんだ!っと嬉しく読了。

  • 常野物語#2
    ゆったりとした物語全体の雰囲気が好み。ほのぼの感すら感じてしまう。

  • 「常野」の能力については、だいぶわかりやすくてほっとしました。(うっかり読んでしまった「エンド・ゲーム」では、ちんぷんかんぷんだったので)
    「しまう」力、ほんとにあったら怖いなあと思いました。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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