坊っちゃん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.67
  • (766)
  • (1144)
  • (1571)
  • (143)
  • (33)
本棚登録 : 11466
感想 : 1041
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010038

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 親譲の無鉄砲である坊っちゃんが、松山に教師として赴任し、そこでの同僚教師たちとの葛藤を描く。東京にいた頃の下女・清に対する感情の変化に、徐々に大人になりつつある坊っちゃんの成長を見てとれたが、ラストはなかなかに呆気ない。同僚に反旗を翻し東京に帰ってくる坊っちゃんが必ずしも勝者であるかというとそうではない点も興味深い。あえて東京へ帰った後の月給を明示しているところにはそんな狙いもあるのだろうか。全体的に軽妙な文章で筆もスラスラと進んだのだろうが、読み手としてもリズムよく読める作品だと思った。

  • なにこれー!初めて読んだけどめっちゃ面白かった!夏目漱石って、文豪ってすごい!清かわいい。

    終わりをこう締めるかと思ったし、そこが凄すぎてグッときた。目頭が熱くなりました。

    私も山嵐みたいな友達を作りたいな。

  • 「こころ」の次に読破
    上品な夏目文学のことだから堅苦しいイメージがありましたけど
    こんな文書くの!?特に「ぶちのめす」には驚かされました。ストレートすぎて笑笑
    すごく読みやすいです。まあ現代にも言えますよね
    人間関係なんてどの時代も複雑なもんです
    ラストはすごくスッキリして心あったまりました

  • 今の社会人でも共感できる話だと思います。私の中の夏目漱石シリーズのNo.3に入る本なのでぜひ読んでみてください。

  • 久しぶりに読み返した。
    一文一節たりともつまらない部分がない!
    登場人物たちがイキイキと動き語る様子がこんなにもイメージできるってすごい!
    100年以上前の小説とは思えないぐらい共感できるし、赤シャツや卑怯な人物にはムカムカくるし、エンタメしまくってる!
    無鉄砲さやいきすぎた正義感、損得で動かないところ…人格形成に絶大な影響を及ぼしている一冊。
    本当に面白い!大好き!

  • 坊っちゃんは四国の旧制中学校の教師を辞職して街鉄の技手となった。坊っちゃんは公務員的な出世主義では敗者となるが、それは公務員組織の価値観であり、当時は文明の最先端にある技術者と言えるだろう。

  • 今さら漱石。
    文語調(?)の文章はちょっと読みにくかったですが、慣れてくるとスラスラ読めます。純朴な雰囲気が漂い、朗らかな気持ちになりました。

  • 夏目漱石読みやすい〜が、電子書籍で隙間時間にちょこちょこ読んだので、時間かかった!
    この話好き。何が好きって清が好き。正義感が強い坊ちゃんが赤シャツのような組織の権力と戦うというのが本筋のようだが、わたしは終始貫き通される清の愛情が尊すぎて涙が出るし、坊ちゃんの良さって清が大きく担ってると感じる。誰からも好かれない性格の自分になぜこんなにも良くしてくれるのか、清の愛情を疑い素直に受け止められない時期もあった坊ちゃん。清と離れて、改めて気づく清という人の本物の愛情。注がれる愛情に対して不器用な坊ちゃんというキャラクターにちょっぴり共感できる。
    「だから清の墓は小日向の養源寺にある」
    坊ちゃんの最後の文章の「だから」を日本文学史上、もっとも美しい「だから」と評した井上ひさしに超同意。

  • 真っ直ぐな主人公に対して、その主人公が尊敬・心慕うような人達とそれとは逆にどこにでもいるような表面上は良い人を装うけど実は裏では汚い人達と両極端のコントラストを浮き彫りにした作品だと感じた。

    単純な主人公はその後者の人達に翻弄されながらも、最後は自分の思う正義を貫いた。しかし決してハッピーエンドなどではなく、それが現代の社会にも通じるリアルさがあって面白かった。

    そして、主人公が自分の思う正義を貫けたのはやはり清の存在のお陰だろう。そういった心の支えが自分の信念を貫く原動力なのだと勇気づけられる作品だった。
    自分もこの主人公のように折角得た心の支え(家族)を大事にしつつ、自分の思う道を貫いていきたい。

  • 面白い。ユーモアのセンスが最高。着眼点、感じ方、全て的を得てると思える程。夏目漱石が今生きてたら一緒に飲んで語り合いたい、と「吾輩は猫である」に続く勝手な妄想を抱いて楽しむ。
    坊ちゃんを読んだのは初めてで、ドラマも映画も見たことはありませんでしたが、坊ちゃんと言えば松山が舞台と言うのがあまりにも有名なだけに、松山が良き地として存在するのかと根拠なく思っていた。ところがどっこい、見切りを付けて東京に帰るんだ、と言う結末にあらびっくりとなる。なんとなくお帰りなさい、と言う気持ちになりました笑。

全1041件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夏目漱石の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×