友達・棒になった男 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121192

感想・レビュー・書評

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  • 話が通じない人と話してる時のイライラ感が味わえる

  • 安部公房の戯曲。
    表題作、冒頭の『友達』は、とっても苦手な話でした。
    ずけずけと知らない人に立ち入れられるっての、物凄く神経に障るんです。
    結局萎えたまま読了。。。

  • 3篇の戯曲を収録。巻頭の『友達』は、不条理劇ではあるものの、劇のどこにも深刻さが感じられない。それどころか、きわめて喜劇的なタッチであるとさえ言えるだろう。そして、それ故にこそ安倍公房に特有の不条理が醸し出されるという奇妙な味わいの劇。続く『棒になった男』は寓話劇と見ればわかりやすくはあるのだが、そうすると第1幕をどう位置付けるのかが難しいところ。それによって解釈が変わりそうだ。最後の『榎本武揚』は、一見したところは安倍公房らしからぬ普通の劇に見える。この作品は、特に戯曲よりも舞台で見る方が楽しめそうだ。

  • 戯曲3編を収録。表題作のひとつ「友達」は限りなく不気味だ。ある日突然ひとつの家族が自分の家に押し入ってくる。“隣人愛”を説く彼らは自分たちが正しいと信じて疑わないようなそぶりで主人公を追い詰めていく。是非とも舞台で見たい作品だ。「棒になった男」は小説という体で読んで見たい作品。2013/249

  • 台本仕立て 読みにくい

  • 戯曲?初めて読む形式。世界観は安部公房

  • 「友達」怖し。
    非現実世界の中にいるようでいて、そこには確実に現実世界の様相が多分に含まれており、
    序盤では可笑しさに機能していたユーモアも、
    終盤に差し掛かるにつれ徐々に恐怖感を助長し、不安をも煽る事に。

    父「一般的に狂人は自分の事を正気だと言い張るものらしいじゃないですか」
    …一家の「善意」に戦慄が走った。

  • 「友達」
    面白かった。小説形式でやってもらいたかったな。友達一家の浮かべる「親切な笑顔」は、はたして…。二女の行動から察するに、武器としての笑顔なんだろな。あの一家はわざとやってたはず。

    世間の繋がりがバラバラになった現代の都会人は、病気なのだろうか。孤独は弱さなのだろうか。
    覆いかぶさってくるしがらみこそが人類の病巣のような気がする。

    「棒になった男」
    鞄、時の崖、棒になった男の三作。「鞄」は「家」の変形版。「時の崖」はそのままで、「棒になった男」は同名の短編を改編した戯曲。
    鞄、くたびれたおっさんであることがとってもユーモラス。そのおっさんを挟んだ女二人のやり取りが笑いを誘う。
    時の崖、あっと言う間に崩れていく。
    棒になった男、小説形式より分かりやすかった。大量に生産されていく、汎用性の高い棒、優秀につまんない棒。でも男の子にとっては、大事な棒。

    「榎本武揚」
    日本史に疎いのでノーコメントで…。

  • 安部公房の戯曲集を初めて読んだけれど、やっぱり安部公房であって、現実の中の非現実、日常の隣にある非日常に誘う作品です。このなんともいえない不思議な世界観にいつも感嘆するばかり。素敵です

  • 又吉から

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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