- Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101223124
感想・レビュー・書評
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1940年。 第二次大戦シリーズ。
日米混血の斉藤は、スペイン内乱(よく知らないの)でココロ折れて、アメリカで殺し屋生活。スカウトされ、アメリカのスパイとして、択捉島へ。
一方、択捉島へ帰ってきたゆき。彼女は日露混血。男を追いかけて本土へ行き、囲われ生活を経て、水商売してたが、叔父がなくなったので択捉島へ。
残り1/3くらいで二人は出会い、お決まりの。
日本では、択捉島の緊急伝が届かなかったから、真珠湾奇襲に成功したのだと、思われたが、アメリカは、知ってて見過ごしたみたいね。
てか、真珠湾奇襲は、択捉島からだったんだねー。
エピローグは戦後2年後の昭和22年。
択捉島から、本土へ向かうゆき。男の子といっしょに。 個人的には生んでないから、こういうのは心にしみるファンタジー。
あと1冊だけど、寄り道。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三部作の内の二つ目。
日系米国人スパイが主人公で、スパイになる過程から任務を遂行するまでの道程。
真珠湾攻撃は米国に事前に知られていたにもかかわらず、何故成功したのか。 -
この作者、警察物よりこっち系のがイイのかなぁ。周知の事実をどお結ぶのかと思ったが、ナルホドって感じ。
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警察小説で直木賞を取った佐々木譲氏の第二次世界大戦中の日本を舞台にしたサスペンス3部作の2作目を読んだ。一作目は零戦をドイツに売り込む為に零戦をアジア、中東経由でドイツまで飛ばすという荒唐無稽なお話だったが、2作目はハワイ奇襲の動きを探ろうとする日系アメリカ人が命をかけて艦隊の動きを探り報告する様を描いた物でこれまた作り話ではあるが、こんな事はもしかした本当にあったかもと思わせるような素晴らしい物語になっている。刑事物もよいのだが、またこのような作品を書いてほしいなあ。
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主人公・賢一郎の「この世界は、おれが真面目に怒らなくちゃならないほどの価値はない」
朝鮮から強制連行された金森の「わたしはこの国が一面焼け野原となるところを見たい。この国の連中が上から下まで餓えて路頭に迷い、わずかな食物を争って殺し合うところを見たいんです。」
戦争という時代に翻弄され、国を、血を追われながらも生きていく中に今の時代にない虚無感を感じました。
アメリカ、スペイン、中国、日本など大きく動きながらも、択捉島までよく、まとめられるなぁ~
2013.09.30 -
休みで、昨日は雨模様だったので一気に読んでしまった。
読み終わったのは朝の2時半くらい。
600ページ超の文庫本でこんなペースか。
前回作『ベルリン飛行指令』、今回の『エトロフ発緊急電』
共通するテーマは何か考えてみた。
両作品に登場する、山脇順三海軍省書記官、大貫誠志郎中佐、安藤真理子。
重慶無差別爆撃、南京大虐殺、ゲルニカ。
阿鼻叫喚の地獄絵図。
今回の舞台は、スペイン、ニューヨーク、サンディエゴ、東京、択捉島。
特に択捉島の描写、地理、天候、自然、基地風景、時代、歴史。
これをどうやって整理して物語を作るんだろうね。
何か創作技術みたいなものがあるのだろうか。
この600ページに及ぶ文章の何が15時間くらい連続で。
読んでみたいという衝動を引き起こすことが出来るのか。
一気に読んでみた今、単純にそれを知りたい。
文庫本の最後の解説で気になる文章があった。
この作品が出た直後にはケン・フォレットの『針の眼』との共通点を
指摘する声がしきりに聞こえた。
たしかに『針の眼』と本書とでは、物語の構造に共通する因子が少なくない。
今度ちょっと読んでみるか。
でも次回作は『ストックホルムの密使』か。
また共通の登場人物がいるのか。
何にしても読書好きの中年オヤジに一気読みさせた作品ということ。 -
「第二次大戦三部作」
読み出しは???と感じたが
読み進めるうちにどんどん引き込まれてしまった。
戦争、植民地支配、、お国のためにこの命まで。。
平和であることがありがたい! -
2013.5.20読了
初 佐々木譲作品
「永遠の0」が良かったと思うなら是非お薦めしたいと先輩に言われ、読んでみた。
太平洋戦争を背景にした三部作の二作目にあたるようだが、時間かかった~(><;)
中盤にさしかかりハワイから日本へと舞台を移したあたりからは一気に読めた。が、どっと疲れた。特に真珠湾攻撃直前に単冠湾に日本海軍部隊の戦艦、航空母艦、軽巡洋艦、駆逐艦等が集結する様は圧巻で、賢一郎の事も気になるし、違うタイミングで読んでいたなら素晴らしい作品と思えたのだろうが、今は悲しいというか、胸が苦しいというか…
あとの二作品は元気になったら読もうかな。 -
ついに日米開戦にまで時は進んでゆく。
前作の登場人物ももちろん健在だ。
真珠湾攻撃までを米国の諜報網は追い続けてゆく。
択捉島の単冠湾に集結する艦隊の描写は、
想像力をとてつもなく、駆り立てる。
終盤の展開はとてもスリリングだ。