【旧版】深夜特急5 ートルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235097

感想・レビュー・書評

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  • ロンドンまで、半分以上の行程を残しながら、ついに旅の壮年期にさしかかり、好奇心が失われてきている。
    香港やインド、ペルシャでの熱気はまったくなく、移動が主な旅の目的になり、また行き当たりばったりから、予定していた人に会ったり、思い入れのある場所へ行ったりする、普通の旅に変化してきている。
    定年後を気にするサラリーマンのように、目的地に到着した後の自分を想像するようになる。
    ロンドンに到着する次の6巻が楽しみだ。

  • トルコは、行ったことあるから、時代が違うもののなんとなく雰囲気が分かった。
    ギリシャは、いつか行ってみたいっ!

  • 深夜特急5冊目。
    ついにイランからトルコへ抜け、ギリシャに至る。
    彼も小説内にて書いているが、すでに変化してしまった旅に
    ドキドキ感がなくなってしまった。
    アジアにおける物語は非常に心を惹いたが、トルコ以降、ヨーロッパ圏での物足りなさに愕然とする。

    旅は人生のようなものという件が非常に興味深い。

    あと1冊で終わりだが、少し寂しい感じもする。

  • 時間と自由を持つ大学生が一番(?)謳歌できるであろう「旅」というものが億劫な行為になってしまっている自分に喝をいれるため、昨夏に全巻読んだ。
    テンション上がった。世界は広いなって思った。
    こんな旅してみたいって思った。

    そしてつい最近、トルコに行ってきた。
    はっきり言ってなんら興味のなかったトルコを旅行地として友人に推されたとき「ま、行ってもいっか」と思ったのは、『深夜特急』で沢木もトルコを訪れていたから、という理由に他ならない。

    新市街、旧市街、ガラタ橋、ポルポラス湾のクルーズ、ケバブサンド、ブルーモスク……
    沢木とほぼ同じようなルートを楽しめたイスタンブールはかなりテンションがあがった。
    彼が訪れたときから何十年もたっており、イスタンブールはかなり近代化しているはずなのに、
    風、みたいなものは同じだった気がする。

    実際に旅行をしている途中、私のなかで
    “その土地の「人」を見たい、触れ合いたい”
    という気持ちがどんどん膨らんでいた。
    というか、それしかなかった。
    だからツアーで有名な観光地を巡るだけの日が続いたり
    どこに行っても日本語が通じる環境に置かれたときは
    非常に違和感を感じた。
    それは、完全にこの本に、沢木の旅のスタンスに影響を受けているからに違いない。

    また、トルコにもこの5巻だけは持参したが、
    実際に旅をしながらあらためて読むと、
    一見さりげない文なのになんてうまいんだ!と思うところがいくつもあった。
    あらためてその文才がすごい、って思ったし、
    これだけ旅してきた人の筆は違う、って「感じた」。
    実際に感じることができたのは、この旅での収穫かな。

  • どっぷりと異国に腰を下ろして書かれた物ではなく、あくまで旅人としての目線であるのが、安心して読める。

    文章が、バックパックで旅する著者そのもののように簡潔で、深く土地の魅力を伝えている。きっと今では同じ旅は不可能だろうが、イスタンブールに行ってみたい。

  • 深夜特急5巻め。旅の終わりが近づいていることを感じさせる描写があちこちにあって、読んでてしんみりしてきます。実際に旅をしてるわけでもないのに、そんな気持ちを抱かせるってすごいこと。一番心に残ったのは、ペロポネソス半島のパトラスでの誕生日パーティー。道ですれ違った人から誕生日を一緒に祝わないかと誘われ、言葉もわからないのにみんなが楽しく過ごしてる。そんな体験できたら幸福この上ないなー。

  • オーディブルでリリースされるたびに楽しみに聴いているシリーズ。
    もはや値切ることが生き甲斐になっている著者。お金が底をつく=帰国がいよいよ見えてきたので慎重になるのもわかるけれど、バックパッカーって大変だなとつくづく感じる。
    それにしても今のようにスマホでWi-Fi使ってググることもできない時代に、「日本の禅について教えて」と言われてサクサク知識が出てくることがすごい。海外の歴史や文化についての知見も広く、著者の頭の良さが窺える。

  • ギリシャや地中海の美しい情景が想像できて、読んでて楽しかった。

  • 多分に感傷的。
    それがアジアからヨーロッパへとロケーションが変わったからなのか、記述された時期の影響なのか。本書が旅行後一気呵成に書かれたものでなく長期間に分割して書かれたことを初めて知った。
    それと、「ポセイドン・アドベンチャー」と「スノー・グース」を書いたのが同じポール・ギャリコだったとは知らなんだ。するってぇとCamelの由来ももっと調べる必要がありそうだな。

  • 今までの旅話だけでなく、誰かに会うといった目的がある話も面白かった。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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