遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101248042

感想・レビュー・書評

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  • 随分前に書かれた本なので迷ったけど
    「国家の品格」に続いて読んでみた。

    読んだ感想は、研究者というのは
    とても大変なんだなあと思った。
    そんなに1日中、数学のことを考えているんだなあと。
    またイギリスの教育制度もとても興味深かった。

    印象に残っているのは
    どんなに天才と言われる数学者でも
    ものすごい時間をその研究に割いているということを
    作者が述べていること。
    つまり、天才といえども、猛勉強してるということ。
    やはり、なんでも地道にやっていって初めて
    大きな道になるということなのだろう。

  • 「国家の品格」の作者が1987年から1年間に及ぶ英国ケンブリッジでの生活を綴ったエッセイ。
    イギリスというお国柄、国民性を作者はよく観察している。
    とはいっても、あくまで作者の周りは知識者層が多いと思われるので、作者のいうイギリス人が全てのイギリス人に当てはまるとは言えないけども。
    20年以上前ではあるが、イギリス人の古いものが良いという概念、人種差別、階級社会、生活が色々見られて面白かった。
    一方、次男の学校でのいじめが発覚してから、作者の日本人たるもの~という頑固親父な一面は思わず笑ってしまった。
    読んでみて、イギリス人は日本人と似ていると感じた。。

  • 数学者・藤原正彦、家族と一緒の1年間にわたるケンブリッジ大学滞在記。新しい環境、異文化の中、四苦八苦しつつも着実に居場所を見付けていく著者の姿に、ますます親近感をおぼえ、また、この先輩のように自分も、という意気込みも強まった。

  • ユーモアと思想の師と呼びたい。
    こんな真っ当な人が政治を担えばいいのに。

  • ケンブリッジ大学に1年間の任期付で赴任した数学者のエッセイ。数学者のはずなのに、一般的な文筆家よりも洗練された文章を書いてらっしゃる…! それにまず驚きました。
    筆者は昭和18年生まれとのことなので、少しばかり考え方に世代の違い(日本人男子たるもの武士として…云々とか)を感じましたが、武士の家系の方との事で納得。確かに私の祖父母たちより10歳程度若い、というお年なので、そういった違いを感じるのも致し方ないことかもしれません。
    エッセイは、自分との思考の違いをまざまざと読み取れるから面白い。小説は間接的だけれど。

  • 2009年5月読了

    「若き数学者のアメリカ」から何年か経って、筆者は結婚していて3児の親になっていた。アメリカ時代のとげとげしい感じがなくなっていたように感じたけど、やっぱりこの人は数学者とは思えないくらい感情の起伏が激しいと思う。だから読んでいてとても楽しい。

    イギリスは役に立つ学問を下等に見なす。だから工学などは結構卑下されるらしい。ヨーロッパは有名な科学者を多く排出しているから、学問だったらアメリカよりヨーロッパと僕は思っていた。純粋な学問はそうなのかもしれないけど、工学と便利に使ったり応用に使うものは必ずしもそうでは無い。むしろ、ヨーロッパでは敬遠されるのかもしれない。

  • 「若き数学者のアメリカ」に続く、筆者のケンブリッジ大学での研究生活記。アメリカ編と同様に瑞々しい感じが良い。

  • 数学者藤原正彦のエッセイ。
    英国での戦いの日々を送りながら、仲間ができていく。
    とにかく戦う姿勢が痛快なドキュメント。

  • 藤原先生最終講義記念第二弾で再読。
    私の中でこれが、藤原正彦の最高傑作です。

    「アメリカ〜」だとセンチメンタルでロマンチックな描写が多いのだが、イギリス版が結婚して家族もいるせいか、もっと余裕がある。
    子どもが、学校でいじめられた!とかめちゃ重大な書き方と心情描写をしてもいいのだが、さらっと笑えるように書いており、自己批判もかかさない。
    めっちゃバランスがとれている文章なのである。

    あと、ケンブリッジの教授たちが、アメリカ人よりおもしろいしな〜

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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