りかさん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253343

感想・レビュー・書評

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  • 表題作の「りかさん」に加え「ミケルの庭」を収録。

    「りかさん」は不思議な作品だ。
    内容も理解の追い付かないところが多い。
    それでも「おもしろい」。
    人形という身代わりを通して見えてくる世界。
    その世界への、自分でもよくわからない共感。
    何か大切なことを訴えかけてくるような感覚。
    そうした漠然とした「もの」が、「おもしろさ」の減産なのだと思うけれど、うまく言葉にできない。
    とにかく面白かった。

  • 和ファンタジー。りかはりかでも市松人形なのでりかさん。主人公の小娘なんぞより多くの時間を過ごしている。りかさんを通じてあらゆる人形の言葉が理解できるようになって騒動に巻き込まれていく話。

  • 2009年2月9日~9日。
     会社から帰宅途中の電車の中。
     ちょうどアビゲイルの場面だった。
     どうにか落涙を押さえることが出来たが、危なかった。
     アビゲイル……。
     日本、アメリカ、戦争、憎しみ……。
     弱い者はどんどんと踏みにじられていく。
     いや、本当に弱いのはどっちなんだ。

     不思議な話である。
     あの「家守綺譚」とは雰囲気は違うが、あっちとこっちがごく自然に交差する。
     その中に明確に見えてくる「現実」。
     仮にこれが児童文学(そう紹介しているサイトもあった)だとしたら、そんな括り方をされたら勿体ない。
     年齢、性別を超えて、訴えてくるものがある。
     文庫のみに追加収録された「ミケルの庭」も絶品。
     重い、重い、とことん重い、けれど最後は救われる。

  • 『からくりからくさ』の主人公、蓉子の幼少期の物語。出版されたのも『からくりからくさ』の後なので、まずは『からくりからくさ』から読むことを強く勧めます。
    他の方のコメントを見ても、『りかさん』を先に読んでしまうと訳がわからない部分も多いと思います。


    『からくりからくさ』も『りかさん』も、繊細さと壮大さを併せ持った素晴らしい作品です。
    ずっと手元に置いて、ことあるごとに読み返したいと思わせる、人生に寄り添うようなシリーズ。

  • だめだ、途中で断念

  • いい物語には心を解き放つ力がある。忘れていた思い出を呼び起こし、悲しみを甦らせ、新しいかたちにまたしまい直してくれる。

  • 対象をどのくらいの年齢に設定してるんだろうなあ、これ。
    あまりに幼稚でまったく入り込めなかった。
    が、最後半あたりは結構「文学」って感じだったし、ターゲットが不明。

  • 最初読み始めたとき、めっちゃおもしろいわこれーと思ったけど
    人形の話が入り込めなくて結果的に普通。
    でも、おばあちゃんと孫の関係とか
    なんか素敵でほっこりした。
    こんなおもしろい題材なのにもうちょっとおもしろくできたやろー!と思う
    どこをどうしたらとか、具体的には分からんけど。笑

  • 梨木さんの作品で初めて読んだ本。
    世界観が好きですっかりはまってしまいました♪

  • 「人間の本当の使命は生きている人間の、強すぎる気持をとんとん整理してあげることにある…あんまり強すぎる思いは、その人の形か輪は乱して、そばにいる気持の薄い人の形に移ることがある。それが人形」

    幼い頃、人形やぬいぐるみと会話できたら良いのになと思ったことがある。興味深かったのは、大人になるにつれ遊ばなくなった人形は、大事にされなくなったのではなく役目が終わったこと、人形は周囲に人がいなくなったら、自然に休むようにできている等、人形の世界が垣間見えたところ。梨木さんの作品はあたたかみがあって好きだ。

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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