あと少し、もう少し (新潮文庫)

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著者 : 瀬尾まいこ
  • 新潮社 (2015年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101297736

あと少し、もう少し (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 眩しいばかりのスポーツ青春小説。
    1区の選手から順に1章ずつ襷を繋いでいくように物語は進んでいく。語り手を変えて同じ時間同じ場面を繰り返す事により、メンバーの本当の気持ちが見えてくる。襷の受け渡しの時は彼らの色んな思いがグッとこみ上げてきて何か叫びたくなる。
    上原先生視点からも読んでみたいな。ずっとどんな事を考えていたのかが気になる。駅伝はダメダメだけど、彼女の人間観察力は凄いと思う。そして何気にいい事を言う。
    「取り返しのつかないこともごくたまにはあるでしょ?」誰かに言ってみたい。

  • 年寄りにとって、直球ど真ん中の青春スポーツ小説ほど、手を出すことにちょっとためらいを感じる作品はない。しかし、本作に関しては、素直に読むことができた。
    それぞれ個性の異なる中学生が、県大会を目指して中学駅伝の6区を走る。同じ場面が各走者の視点で繰り返されるが、決して煩雑にはならず、むしろ物語に立体感をもたらしている。それに、顧問の上原先生の立ち位置、存在が何ともいい。
    今や、この分野では古典的名作!と言ってもいい三浦しをんの『風が強く吹いている』に迫るともいえる傑作。
    若いっていいもんだ(年寄りの繰り言)

  • 駅伝を扱う小説って、どうして傑作が多いんだろう。

    人間は絶対的に一人でしかないけれども、確かと誰かに繋がっている。

    なんでこんなに感動するんだろうと思って、気が付いたことがある。

    昨今、タケノコの山のように出されている作品に描かれている人物がただの記号で、物語がテンプレートだからだ。(それが悪いというわけではないし、その中に玉が混じっていることも確かなのだが……)

    だから血肉が通ったこんな物語を読んでもらいたいと思うし、知ってもらいたいんだと思う。

    ゴールの先に待っているのは、今度は私たち自身の物語だ。

  • 「走る」少年たちの
    息づかいが聞こえてくる
    「走る」少年たちの
    美しいストライドが見えてくる
    「走る」少年たちの
    葛藤が伝わってくる
    「走る」少年たちへの
    声援が聴こえてくる

    瀬尾さんの作品を読むたびに
    「人間っていいよな」
    「人が生きているってこういうことだよね」
    が届いてくる
    もちろん
    この作品にも

    解説を三浦しをんさんが書いているのも
    おしゃれですね

  • スポーツ小説で、陸上だったり箱根駅伝だったり、そういう話はとにかく突き抜けて爽やかなことが多いけど、まさにこの話もその王道を行く爽快さ。
    もう一度中学生に戻ってこんなきらきら爽やかな青春したいわ…と心の中で叫びながら読んだ。
    でも実際自分がもし中学生になったとしたら、今過ごしてる日常がきらきら青春の中に居るなんて分からないもので、
    それをふわふわしているように見えて、ズバリと言う上原先生がまたいい味出してた。

  • あの人のために、自分のために、
    なりたい自分になれるまで、
    あと少しもう少し。
    そんな優しい叫びが聞こえてきそうな繋がりの話だった。
    人に求められている、求められていると想像している自分を考えているうちに、
    本当の自分が自分でもわからなくなってくる。
    だけど本当の自分じゃないと思っているなりたい自分になっているのかもしれない。
    各々の章で語られる周囲の人たちは自分自身の章で語られる自分よりも奥行きがあって優しい。
    大人びて見えて強そうに見えて、実は自分を作って弱い桝井が好きだった。

  • タイトルの意味するところが、読み進めるにつれて、
    少しずつ、理解してゆくことができ、
    心が震えてゆくのが、じぶんでもよくわかった。

    登場人物ごとの視点でそれぞれが駅伝に臨む理由が明かされているが、
    それがまた丁寧に描写されていて、得も言われぬ心地になる。

    感動というのは陳腐かもしれないが、やはり感動。

  • よかった

  • 同じ場面なのに、あいつはこう思っていて、こいつはこう感じてたんだ。なるほど。おもしろい。わかりあっているようで、わかっていなかったり、自分でも気がついていない自分を見抜かれていたり。駅伝というドラマをとうしての、少年たちの心の葛藤の描き方が秀逸。

  •  ぶくろぐでフォローしている方が高評価していたので読んだのですが、すごくよかったです。
     スポーツ経験のない私には、駅伝の襷の持つ意味や、ただ6人の走者が決められた距離を走るというだけではない何かを、これまで全く理解できなかったのですが、その何かを、この本を通じてつかむことができた気がします。
     描かれているのは中学生だけれど、お正月の箱根駅伝で走っている選手たちにも似た何かはきっとあるのだろうと思うと、今から来年がとても楽しみです。

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あと少し、もう少し (新潮文庫)の作品紹介

陸上部の名物顧問が転勤となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の太田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。

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