あと少し、もう少し (新潮文庫)

  • 829人登録
  • 4.07評価
    • (89)
    • (135)
    • (47)
    • (9)
    • (1)
  • 111レビュー
著者 : 瀬尾まいこ
  • 新潮社 (2015年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101297736

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

あと少し、もう少し (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 眩しいばかりのスポーツ青春小説。
    1区の選手から順に1章ずつ襷を繋いでいくように物語は進んでいく。語り手を変えて同じ時間同じ場面を繰り返す事により、メンバーの本当の気持ちが見えてくる。襷の受け渡しの時は彼らの色んな思いがグッとこみ上げてきて何か叫びたくなる。
    上原先生視点からも読んでみたいな。ずっとどんな事を考えていたのかが気になる。駅伝はダメダメだけど、彼女の人間観察力は凄いと思う。そして何気にいい事を言う。
    「取り返しのつかないこともごくたまにはあるでしょ?」誰かに言ってみたい。

  • 年寄りにとって、直球ど真ん中の青春スポーツ小説ほど、手を出すことにちょっとためらいを感じる作品はない。しかし、本作に関しては、素直に読むことができた。
    それぞれ個性の異なる中学生が、県大会を目指して中学駅伝の6区を走る。同じ場面が各走者の視点で繰り返されるが、決して煩雑にはならず、むしろ物語に立体感をもたらしている。それに、顧問の上原先生の立ち位置、存在が何ともいい。
    今や、この分野では古典的名作!と言ってもいい三浦しをんの『風が強く吹いている』に迫るともいえる傑作。
    若いっていいもんだ(年寄りの繰り言)

  • 駅伝を扱う小説って、どうして傑作が多いんだろう。

    人間は絶対的に一人でしかないけれども、確かと誰かに繋がっている。

    なんでこんなに感動するんだろうと思って、気が付いたことがある。

    昨今、タケノコの山のように出されている作品に描かれている人物がただの記号で、物語がテンプレートだからだ。(それが悪いというわけではないし、その中に玉が混じっていることも確かなのだが……)

    だから血肉が通ったこんな物語を読んでもらいたいと思うし、知ってもらいたいんだと思う。

    ゴールの先に待っているのは、今度は私たち自身の物語だ。

  • 「走る」少年たちの
    息づかいが聞こえてくる
    「走る」少年たちの
    美しいストライドが見えてくる
    「走る」少年たちの
    葛藤が伝わってくる
    「走る」少年たちへの
    声援が聴こえてくる

    瀬尾さんの作品を読むたびに
    「人間っていいよな」
    「人が生きているってこういうことだよね」
    が届いてくる
    もちろん
    この作品にも

    解説を三浦しをんさんが書いているのも
    おしゃれですね

  • スポーツ小説で、陸上だったり箱根駅伝だったり、そういう話はとにかく突き抜けて爽やかなことが多いけど、まさにこの話もその王道を行く爽快さ。
    もう一度中学生に戻ってこんなきらきら爽やかな青春したいわ…と心の中で叫びながら読んだ。
    でも実際自分がもし中学生になったとしたら、今過ごしてる日常がきらきら青春の中に居るなんて分からないもので、
    それをふわふわしているように見えて、ズバリと言う上原先生がまたいい味出してた。

  • あの人のために、自分のために、
    なりたい自分になれるまで、
    あと少しもう少し。
    そんな優しい叫びが聞こえてきそうな繋がりの話だった。
    人に求められている、求められていると想像している自分を考えているうちに、
    本当の自分が自分でもわからなくなってくる。
    だけど本当の自分じゃないと思っているなりたい自分になっているのかもしれない。
    各々の章で語られる周囲の人たちは自分自身の章で語られる自分よりも奥行きがあって優しい。
    大人びて見えて強そうに見えて、実は自分を作って弱い桝井が好きだった。

  • タイトルの意味するところが、読み進めるにつれて、
    少しずつ、理解してゆくことができ、
    心が震えてゆくのが、じぶんでもよくわかった。

    登場人物ごとの視点でそれぞれが駅伝に臨む理由が明かされているが、
    それがまた丁寧に描写されていて、得も言われぬ心地になる。

    感動というのは陳腐かもしれないが、やはり感動。

  • 同じ場面なのに、あいつはこう思っていて、こいつはこう感じてたんだ。なるほど。おもしろい。わかりあっているようで、わかっていなかったり、自分でも気がついていない自分を見抜かれていたり。駅伝というドラマをとうしての、少年たちの心の葛藤の描き方が秀逸。

  •  ぶくろぐでフォローしている方が高評価していたので読んだのですが、すごくよかったです。
     スポーツ経験のない私には、駅伝の襷の持つ意味や、ただ6人の走者が決められた距離を走るというだけではない何かを、これまで全く理解できなかったのですが、その何かを、この本を通じてつかむことができた気がします。
     描かれているのは中学生だけれど、お正月の箱根駅伝で走っている選手たちにも似た何かはきっとあるのだろうと思うと、今から来年がとても楽しみです。

  • 面倒くさい中学生たち。
    変に格好つけたり、プライド高かったり。
    本質をちゃんと見抜いている先生は、頼りなくなんかない。
    温かい本質をそれぞれにもった生徒たちは、皆、とても愛おしい。
    自分は、こんなに人に優しく出来ているだろうか。
    口にはしない、相手の本心を慮っているだろうか。

  • 「駅伝」「中学生」というと、先日読んだ『駅伝ランナー』でかなりがっかりさせられた記憶が頭をよぎるのだが、全くの杞憂でした。
    これは素晴らしい小説。

  • スポーツは、まるで興味がないけど、すごく面白かった。
    大会と並行して、それまでの経緯が語られるのも、襷の受け渡しに、
    語り手の受け渡しを重ねてるのも絶妙。
    一人ひとりのキャラクターが、すごく生き生きしていて、読んでいて気持ちが良いし、
    レースの行方も気になる。
    襷の受け渡しシーンは、どの語り手もウルッときた。

    意に添わない部活に文句を言って、「ルールを覚えて」って言われただけで、
    モンスターペアレント扱いする教員が身内にいるから、
    全く逆な上原先生の大事なところはキチッと抑えるところは好感が持てた。
    こういう誰かを貶したり、否定したりしないオレ様じゃない先生が好き。
    できれば上原先生の物語も読みたかったけど、あればあったで蛇足なのかも。

  • 駅伝で県大会を目指す中学生たちの、ストレートな青春スポーツ物。走る順に1章ごとにメンバーが語り手となり、日常に抱えている悩みを乗り越えて、本番で次の走者へとたすきを渡すまでの心の揺れを描いている。
    思春期の子をもつ親としては、どの子も(一風変わった顧問までも)いとおしく、素直に声援を送りたくなる。

    陸上の世界は、三浦しをん、あさのあつこ、佐藤多佳子などで読んできたが、これは一番シンプルで毒がない。親が子どもにすすめたい本、といったくくりに収まる、児童文学とも言えるような優等生タイプの一冊。その分、ひねた大人が楽しむにはやや物足りなくもある。

    今のところ、陸上モノと言えば『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子)が一番強烈に心に刻まれている。でも、ずいぶん前に読んだきりなので、今読み比べたらどうなのかな。

  • 中学生という1番微妙な時期の、微妙な感情がよくわかり、もどかしさと共感とで懐かしい気持ちになりました。瀬尾まいこさんの小説はいつも優しい気持ちになりますね。

  • 2時間半くらいで読了。
    厳しくはあるが確かな指導力があった陸上部の顧問が異動になり、代わりにやってきたのは陸上の知識もなく頼りない美術教師。部長の桝井は駅伝大会のためにメンバー集めに奔走する、というお話。

    久しぶりに瀬尾まいこさんの本を見つけました。瀬尾さんの作品は女の子の心理描写がとても面白くて好きなのですが、本作は男の子が主人公の作品でした。
     あとがきにも書いてありますが、走ることを題材にした作品はどうしてこんなにも人の内面を見ることができるのかと、考えることがあります。野球や水泳など、他のスポーツにはない不思議な魅力があります。シンプルなスポーツであるがゆえに余計なことが削ぎ落とされていて、それぞれの葛藤を描きながら前に進むことがとても美しく見えるからなのかもしれません。この作品では6人の中学生が、それぞれの胸に抱いた複雑な想いを吐き出しながら前に向かって走ります。あと少し、もう少し前に進みたい、そのひたむきさはとても輝いていて、美しい瞬間です。6人それぞれが抱いた気持ちは、これからどうやって前に進んでいくのか、楽しみになる1冊でした。
     一つ、瀬尾さんの作品は本の装丁がかわいくて好きなのですが、この作品はイラストになってしまっていたのが残念でした。『優しい音楽』のような素敵な装丁の本をまた楽しみにしています。

  • 『あと少し、もう少し』 瀬尾まいこ
                                        新潮文庫


    読み出したら、一気読みでした。
    中学生の駅伝大会に向けて、寄せ集めの凸凹メンバーが、それぞれ中学生らしい悩みや痛みをかかえながら、仲間に襷を渡して行く。

    もう、この駅伝大会のメンバー6人が、愛おしくて、眩しくて。
    一人一人の胸の内を知れば知るほど、ああ、そうか、そう思ってたのか君は。
    中学生なんだね、その最後に、この仲間と、先生達に出逢えて良かった、襷を繋げて良かった。涙…。

    と、予想通りの感動だったのですが、意外だったのは、半分までは喘息の発作が出るのでは無いか?と焦るぐらい笑いのツボがあった事です。

    何しろ、名物陸上部顧問が移動になり、代わりに決まったのは美術の先生。この上原先生、陸上や駅伝の知識皆無の女の先生で、キャプテンの桝井君が心の中で「絶望的で悲惨」と呟くほど頼り無い。

    この上原先生と、生徒達の会話が、抱腹絶倒というか、「上原先生と駅伝メンバーの会話集」を作りたいぐらい笑えるんです。そして、役立たずと思われ、トンチンカンで頼り無い上原先生が、どうしてどうして、この人何者?と感心するほど、中学生男子6人の性格や内心を見抜いていて、凄いんです。なんにも先生に言ってないのに、それぞれの生徒の心を駅伝に向けて行くだけでなく、本人さえ気づいていない自分の姿に、向き会わざるを得なくなる様なセリフをさりげなく吐く。
    相談しないのに、悩みがほどけ、チームのそれぞれが実力を伸ばして行く。まさに「ワンダフル・カウンセラー」上原先生凄い!そして、この先生の指導は、この人が居なくなったら駄目になる、と言うコーチタイプと全然違って目立たないまま。勿論、先生も駅伝について学んで行くのですが、全く力まないんです。この先生(笑)

    そして、読み終わって、『あと少し、もう少し』と言うタイトルは、「がんばれば」でも「力を出せ」でも無く、『あと少し、もう少し』で卒業だけど、この仲間とこういう事が出来る。やりたい。と言う彼らと先生の思いだったなぁと思ったのでした。

  • 駅伝の話は本当に大好きだ。全然タイプの違う6人が襷を繋ぐ、ただそれだけなのに私はとても引き込まれた。

  • 瀬尾まいこが瀬尾まいこっぽいものを書いてるんだけどまあうまい。いつもの感じなんだけど、どこかで読んだ感じはしない。スピンオフも楽しみ。

  •  駅伝メンバーのそれぞれの思いが交錯して織りなす物語。あと少し、もう少しの責信頼感、勇気、優しさ、素直さ、愛情、根性があれば、きっと感動的な何かが起こるのだろう。そう信じて、駅伝をがんばろうと思った。

  • 上原先生は天然なように見えて、時に深いことを言う先生だなぁ。
    最後の場面では、陸上部顧問としての成長を感じた。

    駅伝という共通点から、それぞれのメンバーの考え方、思いなどが描かれているのが面白い。
    襷を繋いでいくこと、応援など、駅伝に限らず、自分の生活にも同じことがいえると思う。
    特に桝井の話の後半、ぐっと来ました。
    まさに駅伝の必死さというものを物語ってると思う。
    お正月の駅伝で、頑張る人の姿を見たくなりました。
    解説の三浦しをんの考え方もなるほどと思った。

  • *
    ________________________
    『あと少し、もう少し』
    瀬尾まいこ
    ________________________
    中学生駅伝のお話。
    陸上部の名物顧問が異動になり、やって来たのは頼りない美術教師。
    駅伝大会に向けメンバーを募集し始め、寄せ集めの6人が中学生活最後の駅伝大会を走ることになる。
    *
    みんなそれぞれ悩みを抱えていて、胸に秘める思いは違うんだけど、1区から6区へと襷が繋がっていくようにお話も繋がっていくので、のめり込んで読んでしまった。
    *
    何かをやり遂げる大切さとか、悩みとか…。
    途中何箇所か涙が出てしまった。
    この本、私も中学生当時に読みたかったな。
    高校生とか。
    でも、大人になった今読んでもすごく良くて、今後も読み返したくなる本だと思う。
    そして、夏にピッタリ!
    青春小説は夏に合うよね!
    *
    *
    *

  • 中学生陸上部の駅伝の話。陸上部3人とそれ以外の3人を集めて、漸く県大会の予選へ。それぞれに色々な思いや過去や生活があって、そんな6人が襷を繋いでいく。個性ある一人一人が一本の襷に込めた思いが繋がり、ゴールへと向かっていく。青春ですね。この体験が彼らの一生の想い出となって、生きていく勇気や自信に成ることを願います。おばあちゃんが作ったお弁当。それだけで迂闊にも落涙してしまいました。
    三浦しをんさんの後書き。私たちは決して、一人ではない。あなたがだれかを思うとき、だれかがあなたを思っている。必ず。そう信じて前進する姿は、なんと激しく崇高なのだろう。

全111件中 1 - 25件を表示

あと少し、もう少し (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

あと少し、もう少し (新潮文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

あと少し、もう少し (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

あと少し、もう少し (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

あと少し、もう少し (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

あと少し、もう少し (新潮文庫)の作品紹介

陸上部の名物顧問が転勤となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の太田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。

あと少し、もう少し (新潮文庫)の単行本

あと少し、もう少し (新潮文庫)のKindle版

ツイートする