フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101324517

感想・レビュー・書評

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  • ゆったりと流れる時間が素敵です。

    A 042232

    ジャケットはシミだらけで白とは程遠いけれど、
    この本のよいBGMでした。

  • 他の方の、ブクログ本棚で知り、読んでみました。
    世界の果ての食堂の話~短編が続き~ジョンレノン~ビートルズと、話がつながっていくようでもあり、また違う感覚に・・?
    自分では選ばないだろうと思う本を、少しづつ楽しめているような気がして、嬉しくもあります。

  • 吉田篤弘さんの本は何冊目かなのだけど、どれも上手い。
    破綻がない。
    文章、物語、キャラクター、ちょっとずつずれているのだけど、不快にならない程度にまとめられている。
    そして泣き所もきっちり押さえてある。
    だから安心して読める。
    見本のような本だと思う。
    その分、作者が物語から一歩引いているような、逆に読者を観察し、読者の好む通りに書いてあげた、と言われているようなあざとさを覚えることもある。
    掌の孫悟空のような気分になったので、星がこの数。
    でもやっぱり上手いし、何度か泣いた。
    的確に泣かせてくれる本が読みたい時に、また手に取るんじゃないかと思っている。

  • 食べ物の描写がおいしそう。
    一見ばらばらな短編集なのに、一つの軸があるのも良かった。
    ひとつひとつ紡がれた言葉と、登場人物の会話、流れる時間。
    どれもが私の中にすっと溶け込んで、温かい気持ちになるような一冊。

  • 10/31 読了。
    「ピザを水平に持って帰った日」の梶くんのような、小学生的な生真面目さ、健気さっていいなぁ。
    リアルとは言えないけれど、吉田篤弘の小説はどんなに短くても人間を描写できているのが素晴らしいと思う。ある意味でのキャラクター小説として読むこともできるだろう。

  • 「世界の果てにある食堂」を舞台にした物語を書きあぐねる吉田君は、奇妙な連作小説を予告して消息不明となった謎の作家=ジュールズ・バーンを知る。
    「物語」の入り口を探し求める吉田君がいつしか迷い込んでいたのは、バーンが企んだ連作の世界なのかーー。
    ビートルズの<ホワイト・アルバム>を軸してシンクロする過去と現在。16+1の短篇のリンクが「物語」の不思議を奏でる。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    うーーーんよくわからんかった。
    不思議な雰囲気でした。
    うーーーーーーん……なんというか…とりあえず頭に残ったのはシシリアン・ソルトを風呂に入れてはいるとこ……やってみたい………

  • 連作短編小説。
    ビートルズの<ホワイトアルバム>のジャケットや、世界の果てにある食堂のテーブルクロスに、しわや汚れがついていくように、それぞれの話にどことなく暗い影が落ちているような感じだった。

    ハッピー・ソングがわりと好きだった。

  • ゴンベン先生と私と一緒にシシリアンソルトのお風呂に浮きながら、むしゃむしゃ…とやりたいな。

  • 初めて読んだ作家さんです。

    16+1の短編からなる物語。
    「世界の果てにある小さな食堂」を舞台にした物語を書きあぐねていた吉田君は、たった一作だけ発表し、膨大な未発表作品を書き残して消息を絶ったイギリスの作家・ジュールズ・バーンを知る。
    彼が残した連作は『フィンガーボウルの話のつづき』というタイトルで、各話には6桁か7桁の数字が記されていた。
    それらの数字から吉田君はビートルズの「ホワイト・アルバム」を連想し、いつしかバーンが企んだ連作の世界へと迷い込んでいく。

    過去と現在、虚構と現実を行き来する不思議なお話。
    「私は殺し屋ではない」「キリントン先生」が特に好き。

    イラストがまた良い味を出しています。
    久し振りに好きな本に出会えました。

  • 世界の果てにある、小さな食堂を舞台にした物語を書こうと思っていたら、ビートルズのホワイトアルバムに繋がった・・というのが大筋。短編連作集。「予告編だけの映画監督」の話が好き。短編としても読め、ふわんとした雰囲気漂うのが夜の読書にぴったり。

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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