絶対貧困―世界リアル貧困学講義 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325323

感想・レビュー・書評

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  • 途上国のスラムで生活しながら取材したルポタージュ。
    あまりこういうテーマに関心のない人に読んでもらいたい。
    筆者が実際に路上だったりスラムで寝泊まりしながら見たもの、
    ってところで、深いとこまで書けてるのかなぁとも思う気もする。
    けど、まぁ、ルポタージュだからしょうがないのかもしれないけど、
    どうもセンセーショナルというか、なんかしっくりこないとこもあった。
    でも、私がそこに行って見たわけでもないので、なんとも言えないけど・・・
    やっぱり女性や子供は貧困下だと犠牲になりやすいよね。
    戦後の日本もバラックみたいなとこで暮らして、まさに、ここでいう
    スラムみたいなもんだったと思うんだけど、実際どうなんだろ。
    でも、その日本が今これだけ豊かになってるんだから、
    途上国ってやっぱ伸びしろもあるよね。
    1人でも多くの人が生き方を選べるような社会が作れたらいいなぁ。

  • レンタル・チャイルドと地を這う祈りは既読。
    同じ貧困について描かれていても違った観点から貧しい状態での暮らしを伝えています。

    特に私も作者同様に考えていた価値観が変わった所がありました。
    それは、売春で生計を立てている子供達は決して不幸せ、可哀想ではない事です。
    親が売春という辛い仕事をしているからこそ
    互いに助け合って子供には同じ道を進ませない様に、
    学校で教育を受けさせている点がとても印象に残り感動を覚えました。

  • P138の「インドネシアの人口ピラミッド」の話が自分には一番興味深かった。
    講義調でさくさく読み進めやすい。
    現場を見に行きたくなるような興味を惹かれるルポルタージュでした。
    世界に貧困層はたくさんいてそういった国に経済支援を~とかそういうのはよく耳にするけど、そういう人がいったいどんな生活をしているかって案外知らないものだと気付かされました。

  • 1日1ドル以下で生活している人 12億人。本書は、アジア、中東、アフリカ諸国の貧困地域の実態を講義形式であらわしたものです。著者の「貧困学」の精神には、すっかり感銘を受けてしまいました。

  • 情熱大陸で作者が出ていたので読んでみる。

    なんとなくイメージとしてある世界の貧困層の生活、その密着取材。富める国の住民が持つ勝手な貧者のイメージとは違う生きた人々の生活が伝わってくる。

    オモシロイな。

  • 非常に丁寧に取材されているので、一読の価値あり。

    お勉強では決してわからない世界がある。

  • 石井光太さんの講義形式のルポルタージュ。世界の人口の約半分が2ドル以下で暮らしているという事実に驚愕。貧困が貧困を産む理由、貧困の中でも逞しく暮らす知恵、貧困社会のルールというものが、解りやすく解説されている。

  • 著者は、「貧困学」という言葉を考案した、ノンフィクション作家の石井光太氏。

    貧困という単語を聞いて、多くの方が路上で暮らす物乞いやストリートチルドレンなどをイメージすると思います。しかし例えば彼らがどんな食事をし、どんなお酒を飲み、どんな恋愛をして、誰と結婚するのか、などということは、我々にとってイメージするのはなかなか難しいと思います。

    本書は筆者が世界各国の貧困地域を訪れ、そこに住む人々と生活を共にし、『彼らがどのように人として生活しているのか』、ということを紹介する一冊です。
    「スラム編」、「路上生活編」、「売春編」と三つのテーマ別に描かれているので読みやすく、掲載されている話も、スラムの成り立ち、路上生活者の結婚からの出産、売春婦の実態、物乞いのヒエラルキーなど、どれも大変新鮮で興味深かったです。
    また、貧困地区に生きる人々に密着取材をし続ける筆者のバイタリティは本当に凄いと思いました。

  • 人間、貧困のどん底にあろうが、恋もするし、ごはんも食べるし、排泄もするし、仕事もするし、夜の営みもするし、結婚もするし、家族もいるし、子供も育てる。ボランティア団体の広告イメージなどで、目を潤ませたガリガリの子供の写真を見たりするけど、実際、生きている限り、生きるためにやらねばならないことは、国も人種も宗教も越えて人間みんな同じ。もっと言えば、生き物はみんな同じ。そういう視点で、世界の貧困層を体をはって自ら取材してきた著者が、先入観を捨て、情にほだされず、淡々と、でも温かく分かりやすく講義形式で解説する本。貧困、それにまつわるドラッグや売春やマフィアの話など、重たくなりがちなテーマが語られているのに、笑いあり、涙ありで、前向きな気分にさえしてくれる、先進国の都会人に欠けがちな「たくましさ」を教えてくれる本。

  • ミクロな視点から21世紀に生きる貧困者たちの生活を知ることができて面白かった。喜捨が社会的なシステムとして組み込まれている国では、政府が対策をとる以外に進む道はないように思える。南アフリカにおいては、スラム問題の深刻さから解決の糸口すら見出せないように感じた。

    重要なのは、こちらの立場では「知ること」、あちらの立場では「教育」かと思う。先進国は途上国を食い物にして安い労働力を手に入れるわけだから、そういう世界があることを知るだけでも見方が変わるはず。

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著者プロフィール

1977(昭和52)年、東京生れ。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている。ノンフィクション作品に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』『こどもホスピスの奇跡』など多数。また、小説や児童書も手掛けている。

「2022年 『ルポ 自助2020-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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