- Amazon.co.jp ・本 (665ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101369129
作品紹介・あらすじ
レベル7まで行ったら戻れない-。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。
感想・レビュー・書評
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まず、この本棚の写真にビックリしましたが。誰かが撮った写真!?
平成5年発行!31年前…。
読み応えっ!!四日間のお話で767頁。
全く関係のない二つの内容が徐々に近づいて、やがて。
長いんですよ、長い。でもそこは宮部みゆきさん。余計な事は一つもなくて、文字全てがこの物語を完成させている感じ?伝わるかなー!拙すぎて!私が!
物語の時代はそれは31年前なので、もどかしさはありますよ。「モーションかけられた」なんてセリフ、胸がときめきますよ。
今の時代ならもっと違う感じになっていただろうって思うところもあるけれど、それもまごまごしててよき。
実際の事件も取り入れられており、社会派ミステリっていうのかしら。分かりませんが、ジャンルは。
面白かったです。ときめきたい方、ぜひ。詳細をみるコメント1件をすべて表示-
megmilk999さん中学生のとき、多分30年ぐらい前に新刊で読んだのですが、たまにまだ、うなされます。中学生のとき、多分30年ぐらい前に新刊で読んだのですが、たまにまだ、うなされます。2024/05/21
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最高に面白かった!
2つの視点から進む話。
キーワードになる"レベル7"
「レベル7まで行ったら戻れない?」と言葉を残して消えた女子高生。
記憶を全て失って目覚めた男女の腕にあった"Level7"の文字。
これがどう繋がっていくのか…
全っ然予測出来なかった!
特に登場人物の1人にいる右足を引きずっている男…
この人の正体や意図。
怪しいけど敵?味方?
え?えぇ!?
なにそのどんでん返し!
伏線回収も素晴らしい!
プロローグのあんな1面こんな1面までしっかり意味がある…!
長編だけど、だからこその面白さがギュッと詰まった1冊。
長いけど続きが気になって気になって仕事も手につかなかった笑
短編で短いのにサラッと楽しめるミステリーもすごいけど、この分厚さならではの楽しみがやっぱり良い。
ミステリー好きさんは是非!! -
著者初期のミステリー傑作
最後にやっとプロローグの意味が分かってスッキリした。
Level7とはどんな意味を持つのか、
全容が知りたくて、
最後までどうなるのか気になってやめられない。
という感じでした。
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宮部みゆきさんのオススメ作品として友人に教えてもらいました。
序盤は状況が良く把握できず霧の中を進んでいく感じで読み進めましたが、終盤になるにつれて霧が晴れきちんと伏線回収されて、最後の展開に感服しました。
これが4日間の出来事だとは思えない!!!宮部みゆきさんやっぱり面白いです。
記憶を失って目覚めた若い男女は誰なのか?行方不明になった女子高生はどこにいるのか?2つの物語がどのように交わるのか。色んな出来事が関わってて奥が深い。
分厚く読み応えありますが、展開気になってサクサク読んじゃいました。 -
レベル7まで行ったら戻れない。
電話相談室から始まる事件。
分厚いページ数ながら一気に読めた。 -
【感想】
奇抜でどういう意味なのか分からないタイトルを始め、何が何か一切の設定がわからないまま物語は進む。
そして後半で一気に伏線を回収していく様、さすが宮部みゆきと言わざるを得ない。
事象だけを見れば殺伐とした背景のはずなのに、キャラクターの絡みはどこかほのぼのとしている。
そしてそのアンバランスさが物語の魅力の1つとなっている。
キャラクター同士の会話も逸脱で、こんな人いるのか?ってレベル。笑
設定もどこかSFというか近未来感があった。
フタを開けると決してそうではなかったが・・・笑
本当に面白かった!
読んでいてページをめくるのが止まらなかった。
【あらすじ】
男はあるマンションの一室で目を覚ました。
隣には見知らぬ女が寝ている。
てっきり深酔いして記憶が曖昧なだけかと思ったが、何故か二人とも記憶をなくしていた。
そしてその二人の腕には「level7」という不思議な文字が残されていた。
見覚えのないその部屋には、札束がぎっしり詰まったスーツケースと拳銃と血の付いたタオルがあった。
自分たちは事件を起こした犯人なのか?記憶をなくした男と女が記憶を捜して奔走する。
一方、「レベル7まで行ったら戻れない」という謎の言葉を残して女子高生・貝原みさおが突然失踪した。
【引用】
p486
「そういうのって、飼い犬に手を噛まれたっていうんじゃない?」
「悦子。人間は飼い犬になったりしないよ」
「母さんがそんな女だったなんて…」
「母さんを悪く言うんじゃない。」
義夫はぴしりと言った。
「お父さん、寛大ね」
「今だからだよ」
「じゃあ昔は?やっぱり母さんのこと、許したんでしょう?」
「許したというのはちょっと違う。母さんの気持ちがよそへ向くことを、どうして父さんが許したり許さなかったりできる?」
p520
裕司
「レベル7というのは、7日間はパキシントンの効き目が切れないという意味か?」
猛蔵
「原則は、そういうことだ。だが…」
「俺たちが本当にあんたたちにレベル7まで投与したとすると、あんたたちは戻ってこられなくなっていたはずだよ。そこまで投与すると、廃人になる道をまっしぐらだ。」 -
650ページ越えの超大作。
裏の裏の裏をかくようなストーリー展開で、最後まで予想を裏切られ、楽しませてもらえた。スリル満点。
なぜ2人は記憶を消されたのか、レベル7とはなんなのか、三枝は一体誰なのか、事件の真相は、、、一つ一つ明らかになっていく度に「あそことあそこが繋がるのか…!」とスッキリしていく。
プロローグと最初の方は読みはじめはよく分からなかったけど、全て読み終えてから読み返すと分かる部分。
文庫本の解説を読んで、本の中に出てきたものの元となる事件が現実にあったと知り驚いた。
他の本の解説に名作として列挙されていたので、今回宮部みゆきさんを中高生時代ぶりに読んだけど、とても面白くてもっと他の作品も読んでみようと思った。-
りきさん、おはようございます。はじめまして。何だか懐かしくもある 宮部みゆきさんの作品、この頃の宮部みゆきさんの作品はどれも、突出した実力を...りきさん、おはようございます。はじめまして。何だか懐かしくもある 宮部みゆきさんの作品、この頃の宮部みゆきさんの作品はどれも、突出した実力を発揮されたミステリーでありながら、フィクションなのにシリアスで、新刊出るたびに読んでた記憶があります。リサーチもスゴイし、画期的だったなぁと思います。勿論、現在も活躍されてる有名作家ですが、この頃は一番乗りに乗った作品を出されてたと思います、、最近は読んでないけど、この頃は自分にとっても、宮部さんはマイブームだった気がする 他も面白い作品多いです。僭越ながら、あの頃片っ端から読んでたのを鮮烈に思い出し、コメント入れてしまいました。現在は凄い作家が多くて悩んでしまいますが、海外ミステリーがその当時好きで、日本のミステリーから遠ざかっていましたが、宮部さんのは怖い部分とエンターテーメントなイメージもあり夢中になれました。他のも、是非お勧めです。2020/09/12
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hiromida2さま、コメントありがとうございます(^^)はじめまして。
そうなのですね、お詳しくて参考になります。中学高校あたりの時に何...hiromida2さま、コメントありがとうございます(^^)はじめまして。
そうなのですね、お詳しくて参考になります。中学高校あたりの時に何か読んだら面白くて友達とも話題になった記憶があります。他にも読んでみますね!
本当に今素晴らしい作家さんが多くて読みたい本があり過ぎて困ってしまいますよね。嬉しい悩みですが、、、2020/09/12 -
2020/09/12
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物語の入りがとても魅力的で、読んですぐに心掴まれました。「レベル7」という言葉の漠然としてそれでいて底しれない謎さ加減と非現実感にとても魅了されました。
また、作品紹介の文が最高にいいですよね。
ーレベル7まで行ったら戻れない。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。ー
とても面白かったです。 -
宮部みゆきの初期作。
単行本が刊行されたのは1990年、本当に初期の初期で、自分にとっては「魔術はささやく」「返事はいらない」とこの本の3冊が今手元に残っている中で一番昔に買った宮部作品です。
ネタばれあります。
思わせぶりなプロローグのあと、物語はいきなりサスペンスフルに始まります。
アパートの一室で目覚めた若い男女は、そこがどこか、自分が誰なのかを覚えていなかったのです。記憶を取り戻す手掛かりを求めて部屋を探していたら、見つかったものは大量の札束と拳銃でした…。
宮部みゆきってとにかくストーリーテリングが上手だと、初期作品から最近のものに至るまでずっと思っています。お話の先が気になって気になって仕方がない、物語がどうなるか早く知りたくて、途中を斜め読みや飛ばし読みをしてまで筋書きを追いたくなる、そんな作品をたくさん刊行してくれるものですから、買っては読み、読んでは買いとしているうちに、宮部みゆきの本がずいぶんたくさん本棚に並ぶようになりました。
ところで、その本棚に並んだうちの1冊を、何かの拍子に再読してみて、驚いたことがあります。内容を全然覚えていなかったのです。ストーリーが気になるあまり、先を急ぎすぎた弊害です。
そんなことがあったので、敢えて意識してじっくり再読をしています。
案の定この本も全く内容を覚えていませんでした。全然です。おかげで、初読のように楽しむことができました。怪我の功名ってやつですかね…w
とにかくストーリーの先が、先が、先が気になります。喪失した記憶の手がかりを追う若い2人と姿を消した年若い友人を追う未亡人。全く関係なく始まった2つの捜索劇は、やがてとある病院で交差します。
ようやく明かされる事件の全貌、手に汗握るアクションシーン。
さらに、最後の最後にあんな展開があって、ようやくプロローグの意味が分かります。
と、以上のとおり、意識的にゆっくり読んでようやくストーリーが頭に入りました。「魔術はささやく」と比べても、記憶喪失チームと友人行方不明チームの2組がそれぞれの捜査対象を求めて事態を動かしているのですから、面白さは2倍…までにはなっていませんが、それでもそれぞれのチームの奮闘っぷりを追いかけている間は楽しく物語を追うことができました。
ただし、ところどころに顔を出すご都合主義や取材不足が興を削ぎます。物語のキーになっている記憶のいじり方だとか「プロ」を雇って人を殺させる話だとか、目が見えなくなったり見えるようになったりする展開とか、初期作品に共通する短所ですが、設定や舞台が強引すぎるように思えてなりません。
特に、素人が探偵役をするのですが、どこの誰とも知らないその素人探偵に対して、聞き込みの相手がぺらぺらと個人情報や自分の勤務先の機密を話してしまう様子には、ご都合主義か、個人情報保護の重みが現在とは全然違う頃のお話であることを思い出してしまう、「古さ」か、その両方かを感じて、いずれであってもよいところではありません。
結構重要な登場人物がラストにしか登場しないのもちょっと不満です。その唐突っぷりは、初めて「機械仕掛けの神」なんて言葉を使って批判してみようと思ったほどです。いや、プロローグに確かに出てますが、あれを伏線って言うのは無理がありますって…。
もう一つ、時事問題がモチーフになっているのは、今再読するにはきついです。当時話題になっていた事件とその背景がある程度前提になっているので、事件をWikipediaで調べなければいけませんでした。
ああ、そう言えば、「パーフェクト・ブルー」から蓮見探偵事務所の蓮見加代子さんがゲスト(?)出演しています。でも、素人が捜索の進め方で途方に暮れているんだから、探偵事務所にお勤めの人が目の前に現れたら依頼しませんか?
そんな感じで、読めば読むほど気になるところが増えてきてしまう結果になりました。ストーリーの面白さだけをガ~ッと追っていく昔の読み方のほうが、初期作品には向いているのかもしれません…。