孤独のチカラ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101489261

感想・レビュー・書評

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  • 一人で自分と向き合う時間の大切さを説いた本。
    また、孤独と付き合う方法や、孤独と向き合ってきた人々の話を通して、現在孤独と戦っている人を応援する本でもある。

    孤独と向き合い自己を研鑽する重要性に気付いても、時が経つうち、最初の決心は薄れ、少しずつ前の自分に戻って行く。
    それほど自分と向き合うのはつらく、継続するのは難しいと思う。
    本書は1章を「孤独の技法」という章に当てていて、孤独と付き合うためのコツや工夫を色々と解説している。
    一言でいうと自己の感覚に対する意識を高めるということに集約されると思うのだが、これだけのバリエーションが考えられるところに、著者の教養の深さを感じた。
    今日からすぐ始められる簡単なことも多いので、興味を持ったものから試してみたい。

    また、「ひとりぼっちの世界<孤独の実践者達>」という章を設け、先人の実例を多く挙げている。
    しかし、自分にとっては、そういった遠い昔の詩人だとか小説家の話よりも、多くの著作を出して一見何の挫折も無く成功しているように見える著者にも、相当長い間孤独と戦った時期があったという点に、一番慰められる思いがした。

  • ● 私は仕事というものは基本的にポジションでやるものだと思っている。役割を得られれば徐々に経験値は上がり、誰でもそこそこできるようになる。難しいのはむしろそのポジションをつかむまでなのだ。

    ● ラテン語に“メメント・モリ(死を思え)”という言葉があるように、自分が死すべき存在であることを忘れなければ、自分が時間的制約の中の存在であること、つまり、生は限定された時間をどう生きるかという真剣勝負の場であることを意識することができる。

    ● 人は、ノルアドレナリンで不快、セロトニンで安定、ドーパミンで快感を感じる。

    ● 実際に教養があるかないかはさして重要ではない。大切なのは、そういうものと出会いたいと思う気持ちがあるかどうかだ。

  • 孤独の時間を大切にすることは,自分を客観視し,内面を磨き上げ自己肯定力をつけること。この本を読んでそう思った。

  •  2011年40冊目。
     199頁。

     書店で購入。






    ≪本文引用≫
    p.31
     なぜ、友達に愉快な奴だと思われる必要があるんだろう。こういうタチの人は自動的にみんなに気をつかって、サービスしてしまうんだろうけれど。それは他人のためというより、つまりは自分の立場をよくしたい、自分を楽なポジションに置いておきたいからだということをもっとつきつめて考えてみた方がいい。

    p.55
    1.内観する
    2.教養という反射鏡を持つ
    3.<日記>を書く

    p.142
     みずからを下げることが友情ではない。友情とは、相互の上昇でなければならない。上昇はすべての根本だ。低俗で退屈な交友よりは、充実した孤独を望む。
     現在のぼくの孤独を、しっかり噛みしめて、そこに沈潜してみよう。これは深い意味を持つ孤独だ。独りでいること、これこそ生の根源だ。
    (林尹夫『わがいのち月明に燃ゆ』)

  • 孤独だなあって思ったから読んでみた。
    ・何かを成し遂げるには、何かを犠牲にしなければならない。
    ・何かを決断するということは、何かを捨てるということだ。
    自分の頭の中の言葉が思い返された。思い描いている自分になるためには、それなりの過程を経なければ、その地点に到達できない。その期間は孤独になる。でも、自分と会話をして、それが最善の選択肢だと思ったならば、その道を歩むのも人生の一過程だと思う。そんなことを思いながら読んだ。

  • 「孤独をクリエイティブに変換する単独者のみ、到達できる点は必ず存在する」という裏表紙の一言に惹かれて読んでみました。著者の齋藤孝は今でこそ、明治大学教授という冠、多分野に渡る出版、ビジネス誌のコラムなど多岐に渡って活躍しているが、18歳から32歳で教授になるまでは、1人で勉強し続ける孤独な日々を送ったのだそう。そこで自分の内心を掘り下げた結果、今があるのだと。ゲーテやヘッセからココ・シャネル、岡本太郎など、芸術を究めた天才撻も常に孤独の影を抱えていた。自分と徹底的に戦う孤独な時間から逃げなかったからこそ、発露できる何かを見出すことができる。(一物の孤独を抱えている方が男性としての魅力も上がるという節の主張には少し辟易させられましたが・・)

    SNSの普及によりますます縦に浅く横に広いネットワークの展開が容易になり、加えて日々の仕事に追われることにより、ヒトと接する時間は増加したものの、自分と向き合い存在意義から徹底的に考える時間はますます反比例するかのように少なくなってゆく。しかしそれでは、他人と意見と自分の意見を混同し、個性といったものはいよいよ埋没してゆく。しかし人々の認識を変えてしまう程のインパクトをもたらす過去の偉人たちは共通して、個性を徹底的に絞りだし遺憾なく爆発させてきた。一度きりの人生、「他人の人生」を歩むばかりでは面白くない。

    っていう、孤独を前向きにとらえる本です。

  • 武術の精神が染み入ってくる一冊。
    齋藤孝先生の生き様を読むことができる一冊。
    『単独者』として生きることができるか問われている一冊。

  • 自分がさみしさ、孤独を最近、感じるから買ってしまった。

    ただ、一つ言えることは孤独を恐れる必要はまったくないのではないか。
    なぜなら、孤独の先を超えた境地に足を踏み入れ、他の人を一気に追い抜けばいいのだから。

    また、孤独に負けそうになった時、読んでみよう。

  • "孤独は悪いことじゃないんだよ!"

    【選書理由】
    同期が読んでいた。安かった。

    【感想】
    孤独と聞くと、負のイメージが先行する。
    しかし、孤独=独りの時間と捉え、そこで
    自分と向き合い、自分を磨くことは、誰もがやるべき。
    400円(税別)でとってもお得だと思う。
    読んだ後は、独りの時間を有意義に使って、
    ライバルを追い抜いてやる!そんな気持ちになった。

  • 「孤独」が何なのか考えさせられる一冊です。

    孤独といっても、誰もがイメージするような単純な「孤独」の話では無く、一人でひたすらに沈潜することの必要性と、その方法、そこから生み出される力について、齋藤先生らしい表現で教えてくれます。

    齋藤先生の本からは、底抜けの明るさが表に出がちですが、その明るさは深く一人で沈潜した経験があるからこそ、意識的に作りさせるものなんだろうなぁ、と考えています。

    それにしても、この人の著書は、どんな体裁、タイトル、テーマをとっも、「教えたい!」という意欲が溢れ出ていますねぇ。良くも悪くも、それを強く感じます。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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