- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101489261
感想・レビュー・書評
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良かった
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孤独は決してネガティブなものではなく、人をより高みへと導いてくれる内省的かつ精神を耕してくれる素敵な時間である、という著者自身の孤独論を展開しています。著者は斎藤孝先生です。この方の本は何冊か読んでおり、僕の考えと一致するところが多いです。それもあってかスラスラ読めました。世間的には「孤独」とは寂しくて辛い忌むべきものとされている風潮がありますが、著者も僕もこの考えには違和感があります。「学びて思わざれば則ちくらし」と言われるように独り思索に耽る時間は必要だと思うのです。
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人間は活動しているとき三種類の状態がある
ドーパミンが出ているとき
興奮していて、物事に熱中しているとき
セロトニンが出ているとき
快適な1人の時間
ノルアドレナリンが出ているとき
孤立して不快、不満など、虚しさ、海底に沈潜するような感覚
人はどらだけ単独者になれるかで、その後の成長が決まってくる。夢を追いかけるとき、上の3つの状態があるのは実感できる。
建築でものづくりをするとき、人から愛される、愛のある場所を作るには実際にその場所で楽しい体験をする。しかし、その空間を作るには、孤独に勉強しなければたどり着けない。
2つのバランスが大事だ -
自分自身に向き合い、深く内省する時間を持つことの大切さを論じた本です。
テレビで見る著者は、どこまでも明るい印象ですが、そんな著者も若いころに孤独と向き合った時間を持っていたことに感銘を受けました。
かつて吉本隆明が『ひきこもれ』(だいわ文庫)という本を刊行して、一人の時間を持つことの大切さを語っていましたが、本書の基調となっている考え方も、吉本の主張に通じるところがあるように思います。ただし著者は、どこまでも内にこもって他者を寄せ付けない孤独は「悪い孤独」だと言い、自分を確立させることでかえって他者と深くつながることのできるような「良い孤独」をそれから区別しています。「良い孤独」のあり方が十分に明確にされているとは言いがたいようにも思うのですが、孤独が次の跳躍を生み出す力を育むということがイメージ豊かに語られており、著者がめざす方向性は明瞭です。 -
ぼっち期間が今の自分を形成しているという感覚を再認識できた。感覚論で目新しさは無かった。違和感を持たなかったと言うべきかも。30ページぐらいでまとめられそうな内容を、名著の引用を乱発することで1冊の本にまでまとめ上げる能力は凄いと思った。