- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102010099
感想・レビュー・書評
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親しくもない友達の送別会に無理矢理参加して逆ギレし、酔って風俗嬢に説教するという、この主人公のやってることは最悪なんだけど、こいつのことが可愛そうで可愛くて、抱きしめてやりたくなる。
あーでもないこーでもないと考えを巡らせ、リーザの考えを勝手に想像していきなり怒り出したり泣き出したりする。これは鬱状態の人間の思考、意識をものすごく克明に描いていると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自意識が強くて、偏屈で、それゆえ「虫けらにさえなれなかった」男の手記である。
友人にかまって欲しくて、でも素直になれなくて、暖炉とソファの間を3時間行ったり来たりしている様子がなんとも滑稽で、でも他人事ではないような気がした。
あれはダメだ、これは嘘だ、そんなの自分じゃない、などと考えすぎてしまうと、結局この男のように地下室に閉じこもる羽目に陥ってしまうということなのかな。
「ぼくは病んだ人間だ」という書き出しで始まるこの手記には、太宰治の「人間失格」に非常に近いものが感じられる。 -
2020年4月28日BunDokuブックフェアで紹介されました!
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安っぽい幸福と高められた苦悩と、どちらがいいか?
不幸にしがみついて生きる書物的人間
「僕はならしてもらえないんだよ…善良な人間には!」 -
情緒不安定でヒステリックな主人公が、自分にも周りにも、腹を立てまくり続けるお話でした。
でも、自分の心に正直にしか動けなければ、誰しもこんな感じかもしれない。
考えされる作品でした。
とはいえ、楽しい作品、ストーリーを楽しもうといった自分のようなライトな読者にはちょっと楽しめない作品かも。
読書上級者やドストエフスキーについて深く考察したい方向けの本だと思います。 -
この手の、といったら何だけど、昔の偉い小説家?の本を読むと、このどうしようもないダメ人間っぷりをさらけ出すのが大事って思うよね。みんなダメ人間だけど、それを赤裸々に語るのは結構厳しいわけで、ある種の黒歴史的な。
というわけでこの偉そうなおっさんの本も読んでみればどうってことないっていうのを分かるためにも良い本じゃないか。何しろどうしようもないおっさんの日々を読んでもどうでも良いじゃないかっていう感じがすごくて、もしかしてわしも本を書いても良いかもってなる罠。 -
プライドが高く、自意識過剰な人にオススメ。
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