- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102010099
感想・レビュー・書評
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書いてる言葉や言い回しは分かりやすいんだけど、話が重く、感情が生々しいせいで読むのにかなりの体力を消費した。しかしその分主人公の気持ちに感情移入出来て、読み終わったあと大きな満足感を得ることが出来た。
呼ばれてもないパーティーに無理やり主人公が参加するシーンは読んでて凄くムズムズした。共感性羞恥というか、、、
苦痛で死んでしまいたいという絶望の中に快楽がある~みたいな話はめちゃくちゃ共感した。そこそこの気分の時に、中途半端に失敗して落ち込むのが1番嫌なんだよね。
何もかもが決定された世界では人間は生きる意味を見出すのだろうか?意外とそんな世界でも楽しくやって行けるものなのかな?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
孤独 小役人 娼婦
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ドストエフスキーとの出会い。
手にした契機は覚えてない。
精神描写に胸えぐられた感覚だけ残る。 -
先日文喫というブックカフェに訪れ、前から触れていなかったドストエスフキーの作品が目に留まり読んでみました。40歳で地下室に閉じこもった主人公の手記を読まされました。基本自分語り(登場人物は一応出てくるが相槌とか引き立て役程度)だったので、仲良くもない話も通じない、社会に絶望している人が怒りで書いた手記を読めと言われたらそれは苦痛なわけで…笑正直よくわからずに読了しました。読み返したくもないんですが、作品としてよくなかったかと言われればそうではないです。鮮明に心理状態を描写する表現力や、250ページ近くも自分語りで作品を完結させる力(完成度も高い)は圧巻でしたし、わからないけどなんとなくこれは凄い作品だなと思わされるなんらかの力も…笑
時代を超えて評価される理由の一端を知ることができて満足でした! -
面白かった。こういう類いのひねくれ文章だいすき。なんとも言えない見えない感情とか思考の端から端までが全て拾われて文字として形になって表現されている感じに感動した。あまり認めたくはないけど、共感できる部分もかなりあった。
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薄いので読みやすかったです。
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かなり面白かった。
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■憎悪、偏愛、嫌悪、復讐、執念、侮蔑、屈辱、恥辱、虚栄、悔恨、演技、腐敗、自虐、臆病、傲慢、苦悩、エゴイズム…病的なおもしろさ■
「僕にとって愛するとは、暴君のように振る舞い、精神的に優位を確保することの同義語だからだ」
手記の著者である主人公は、自身で認めるとおり、虚栄心の塊みたいな男である。
精神の病み具合、頭のイカレ具合が尋常ではない。それでいて自身の虚栄心、病的心理、過剰なまでの自意識を冷静かつ精緻に分析して記述している。なんという自意識か。
高すぎる知性ゆえ、プライドを傷つける者に対し懲罰を与えたいという執念にも似た欲求と、虚栄心を満たすことへの渇望が彼の原動力である。そしてそれを完全に認識しつつも止められない。むしろ止めることをよしとしない。
「僕にはならせてもらえないんだよ…僕にはなれないんだよ…善良な人間には!」
悲痛な心の叫びのように聞こえるが、彼自身、本気で善良な人間とやらになりたいと思っている節はない。仮になったとしても、翌日には100%偽善であることを自ら認め、笑い飛ばすに違いない。
さて、本書前半は非常に読みづらい。主人公の御託が延々と続く一方で、ストーリーに動きがないため、文字の上を目線が滑っていく。楽しむための読書であれば、それで全く構わないと思う。
一転して後半、ようやく人物とストーリーが動き始めてからの主人公の病的な言動と心理描写。このおもしろさは圧巻だ。
本書を読み、自分の性格のひねくれ具合など、まったく取るに足らない、かわいいものだと妙に安心してしまった。はてさて、これでいいのやら…