老人と海 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100042

感想・レビュー・書評

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  • 2020.5.8

    初ヘミングウェイ
    サリンジャー以来のアメリカ文学

    老人は大きなカジキマグロや鮫と闘うが、それは老人の自身との闘いだなと思った
    自分自身に言葉を言い聞かせることが多い、多くを願わない、ストイック
    ただ大きな魚を釣りたい、自慢したいみたいな下劣な欲は無くて、自分のプライドや運命と闘っての魚との長い航海なのがいい



  • 情景描写がすごい。海の様子が鮮やかにかかれている

    老人の洗練された判断、動きに引き込まれる感じ

    元実力者、経験も豊富、84日不漁でいきなり大きなマカジキを一人で釣り上げ、鮫と戦い、4日後生きて帰る。めちゃくちゃすごいおじいさんなのに、肝心のマカジキは食べられちゃった、、、。ほんとに理想を求めてやりたいことやってるのが伝わるから、明るい印象を持てる。

    老人、でかいサカナ、鮫も含め生命力を感じる、
    ハッピーというわけではないけど、ただただ全力で生きている、強い

    少年は最初と最後に登場するだけなのに、存在感がすごい、心のつながりを感じた、個人的に最高の人間関係だと思う

    老いること、人生の要素がつまってる作品なんだと思うけど、捉えきれなかった。私の力不足。
    ひとつひとつの表現を味わいながら、できるだけ丁寧にゆっくり読みました。でも、消化不良。ほんとに、全体的に消化不良
    また読み直さないと
     

  • 人間は負けるようには造られていない。
    殺されることはあっても、負けることは無い。


    『老人と海』には喪い続ける人生というものに対して抗う者への賛歌が描かれている。思考を行動がねじ伏せ続けていく、非常にタフな人間像が描かれている。

    自分は四日間、ほぼ不眠不休で生き抜くことが出来るのか。
    自分を振り返るとどうだろう。ここまで自分がほしいものはあっただろうか、ここまで自分は真摯に向き合っているだろうか、もはや自分は、沖にさえ出ていないのではないか。

  • どことなくノスタルジックな気持ちにさせてくれて、ふとした時にまた読み返したくなる。映画、小説ともに大好きです。

  • ひとりの老人の四日間の死闘。
    そのなかに彼の過去を見て、未来さえ想像させられる。
    ときに友であり敵である魚へのリスペクト。一方で、サンチャゴやその他の漁師たちが生きていくことは、その魚たちを殺しつづけることと等しい。
    そこにある種の無情さと真理とストイシズムがある。
    サンチャゴを見続けて成長したマノーリンが、これからどのように自分の人生と向き合い、歳を重ねていくのかも知りたくなった。

  • 写実的な描写をたくさん読むことにより、ヨーロッパの気取った精神世界の孤独から逃げる事が出来たように思う。自然界のハードボイルド作品であるが、単純な文章により、多くの人の目を引き付ける。擬人化によって単なる老人の漁師を写実的に描いているとも言える。

    自然描写は人間同士の醜い争いではなく、天運と人命を天秤にかけたようなスリリングさも味わうこともでき、現代人にとってストックとして頭に入れたほうが良い物語のようにも思う。

  • とにかく、毎日が新しい日なんだ。
    人間は負けるように造られてはいないんだ。

  • ヘミングウェイ生前最後の刊行作品でノーベル文学賞受賞のきっかけとなったとされる小説。短い話で脇道にそれることなく、確かに最初から最後まであらすじの通りではあるのだが、読み込んでいるとあらすじはポイントを押さえていないのではないかと思い至った。

    負傷やそれに伴う不調、昼夜の気温差、飲み水や栄養不足、睡眠不足など直に自分の命が削られていくのを感じながら「自分の闘う相手の姿」が時を追ってクリアになってゆく様子は、ウルトラマラソンや長期縦走登山など、例え主人公サンチャゴのように己の生活の為ではなくても体験が出来る世界である。弱気になり過去を振り返り、神に祈り準備不足を呪いほんの一握りの幸運を願う。その心の機微と葛藤こそが人間らしく闘う姿だと感じる。肉体が限界に近づいた時に垣間見える精神的な闘いは「老人」でなくとも「海」にいずとも直面することのあるシーンだと思う。瓶に2口残った水を1口半残す生々しさは読んでいるだけで胃がせり上がってくるような苦しさがある。

    サンチャゴの闘いは何との闘いであったか、という部分は、淡々と語られる話の中で、船よりも大きな魚との格闘にフォーカスされてしまいがちだが、実際に日陰の無い船の上でひたすら待ち続け、沖に引きずられてからの水と食料との闘いや獲物を仕留めてからの、ハイエナのように横取りをするサメたちとの激しい死闘は特に、すべての武器を失った後に舵の柄を使ってまでの文字通りの背水の陣であり、強い殺意を感じ取れる。

    あらすじに語られる様に主人公はサメに敗れ獲物を失ったかも知れないが、それでも生きて陸に戻った。少年と村の人々は彼の身を案じ、彼の帰りを待ち侘びていたのだ。彼の闘った4日間で生きて巣に戻った者が恐らく殆どいなかったということを考えれば、真に勝ち残ったのはサンチャゴなのではないだろうか。彼は何と闘い、何に敗れ何に勝ったのか、読む人によって見える景色が全く異なる小説だと思った。

  • おじいさんが巨大な魚と奮闘する話。おじいさんが魚を捕らえるまでに1人苦労する様子を雄大な自然の中で、細かく描いている。情景描写が美しく、癒される。またおじいさんが次第に魚と絆を深めていく様子が感じられ、釣った後にサメたちに喰われていく場面は悲しい。力強さをもらえる作品。

  • 釣りの話…と言ってしまえばそれまでな気がしないでもない。
    情景が浮かぶのはさすがの名著。
    海、行ってないなあ。

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