- Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102166512
作品紹介・あらすじ
人はなぜ自殺するのか。人生に絶望して?そうではない。大半は心に病を抱え、その病こそが人を死へと駆り立てるのだ-。名門大学医学部教授で全米屈指の臨床心理学者が、自殺衝動と闘い続けた経験を元に解説する自殺の歴史、各国文化の比較、芥川を含む遺書の研究から報道の影響、各科学分野の最新成果まで。自殺はどうすれば防げるのか?現代人必読。
感想・レビュー・書評
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2007-08-00
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215ページから(16/12/23)
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自殺者の心理、状態について、生々しく書かれている。
著者も自殺衝動と戦い続けた人だから、他人事では無かったことが本文からよく分かる。日本語訳も素晴らしい。
自殺は私が18歳の時から向き合ってきたテーマで、現実と書物からたくさんのことを学んできたが、本書はその中でもひときわ貴重な物だ。
きわどい言い方だが、本書は自殺を真剣に考えている人にとって、助けにはならないかもしれない。しかし、自殺を社会の現象や問題として、正確につかむために、必要十分な内容が盛り込まれている。
文庫本で読めることに感謝したい。 -
涙が止まんなかった。
文庫化でキャッチーなタイトルに改題したみたいだけど、けして生きるよう励ます本じゃないです。
むしろ自殺願望ない人むけ。自殺という病死について理解できる本。
やや独断的な箇所もあるけれど、自殺を研究する中で自殺がより身近になりすぎるというParadox的リスクを払っても生きてこの本を書き上げた著者に敬意を。
今日も世界でたくさんの人が自殺します。さようならおつかれさま冥福をお祈りします。 -
かなり面白かった
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2009年8月、読了。
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自殺は良くない。どうしてみんな、そんなに死にたがるのか理解できない。生きていればいいことたくさんあるのに。。
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まだまだまだまだ知られていないことがぎっしり載っている。
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「つらい気持ち」と「自殺」の間にはどのような違い、過程があるのか興味をもっていたときに見かけて読んだ本。
著者は医学部精神科教授、臨床心理学者であり、躁鬱病患者。
前半は、古今東西、それぞれの文化の中で自殺がどう捉えられていたかを博物学的にみていく(古くはギリシア・ローマ時代の英雄的名誉の自害など)。後半は、現代における自殺に焦点を当て、統計データから客観的に読み取れる自殺の実態や、個々人のストーリーが語られる。
個人的に、自殺に至る段階には、自殺の方法の検討や必要な道具の入手といった計画的な段階があるものだということが印象に残った。
考えてみると、行動の前に、その行動を起こすのに必要な道具の入手といった具体的な段階があるというのは、当たり前のことなのだが、最初にこの本を読んだ動機(「つらい気持ち」と「自殺」の間にあるものはなにか)の答えとして、本書のなかでいちばん明確になりそうなものだと思い、印象に残った。
というのも、いろいろと書かれている、他の兆候はもっとあやふやで気づきずらいもののように感じた。 -
自殺について書かれた本というとなんだか重たいイメージですが、内容は事例ばかりでもなく、精神安定剤として処方される薬についての誤った知識についてや、自殺のチェックリスト等、資料的なものもありました。
専門的なことも書かれていますが、割とわかりやすかったです。
自殺とは決して人事ではない。
そして、心の弱さだけが原因となるわけではない。
病気によって、または遺伝的にある種の病気にかかりやすく、自殺の危険に陥りやすい人というのも存在する。
また、自分がしなくても周りの人が自殺する危険だってある。
そのとき、何ができるか、何をするのか。
死に対しての興味はさておき、知識として自殺について学ぶことは悪くないと思います。