隠蔽捜査

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103002512

感想・レビュー・書評

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  •  竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。
     連続殺人事件のマスコミ対策に追われる竜崎は、衝撃の真相に
     気づいた。そんな折、竜崎は息子の犯罪行為を知る―。
     互いに自らの正義を主張するキャリアとキャリアの対立。
     組織としての警察庁のとるべき真の危機管理とは。

     面白かった!私は続編の「果断」を先に読んでしまったのだが、
     この本を読んでさらに竜崎のことが理解できた。
     この本から先に読んでいたら、きっと竜崎のことを最初はイヤな男だと
     思っただろう。竜崎はエリート意識の塊みたいな男だけど、悪い意味で
     はない本当のエリートのあるべき姿を示してくれている。
     身内の事件を隠蔽しようとする警察。そして竜崎の息子の事件も隠蔽
     するようにすすめる警察。しかし竜崎の取った行動は・・・あ~竜崎は
     本当に変人だけどしびれる男だ。

  • 今野敏の作品に共通するのは、なんか、作者の人に対する目線が優しい、ということ。警察小説なんだけど、出てくる登場人物が、みんなどこかいいやつだったりして、それがおもしろい。きっと、今野敏さんは、根がやさしい人なんじゃないかなと思ってしまう。
     この小説は、主人公のキャラが最高。警察小説では悪く描かれがちなキャリア官僚を主人公に据えたのがにくい。意地悪そうな人に見えて、実は正義を貫くいいところがあるのがおもしろい。文章がうまいとか下手とか、ストーリーがよくできているとか、そのような評価はあまり意味がない。作者の人に対する目線の暖かさがよく伝わってくるいい作品だと思う。

  • 20120525

  • 警察モノは横山秀夫作品ばかりだったので、
    食指が動いて読んでみた。
    冒頭からいけすかない主人公の性格を、
    読み進めるためにどうにか理解しようとするが、
    やっぱり近くにいてほしくないタイプだった。

    しかし彼も多少なりの変化を経ていく様子もあって、
    終盤にかけてはさくさく読んだ。

    ものすごくいい訳じゃないが、
    ダメでもない、読み易い本。

  • 大好きです。今野敏さん。
    今回も期待を裏切りませんでした。

    一つ一つの会話が分かりやすく登場人物の個性がよく表れている点、全体を通して一連の繋がりを初心者にも容易に把握させる文章力、まるでドラマを見てるかのように想像力を掻き立てるストーリー、そしてなにより警察官として働く竜崎署長のかっこいいこと。こんな風に、まっすぐ揺ぎない軸を持って仕事ができたらいいなと思う理想の人物像でもあります。でも上司がこんな人だったらやりにくいかもしれない(笑)

    隠蔽捜査シリーズは全て読んでいますが、個人的に3作目があまり好きではなかったので今回4作目の転送には満足です。

  • 面白いの一言。竜崎の人柄が最高でした。自分の原理原則に対してあそこまで徹底しているところが素晴らしい。
    ああいう上司がいたら……面倒か(笑)
    でも、竜崎を尊敬しているという谷岡の気持ちがよくわかるし、その谷岡に対し、優秀になれと言った竜崎がまたかっこいい。自分も、この人に認められたい!と思うだろう。
    また自分の仕事に対し、あそこまでの思いがあるというのが素晴らしいし、そうなりたいと思う。
    男が惚れる男だと思う。
    本当に面白かった。

  • なんだろね、この作品は・・・。
    大きな事件があるわけでもなく、スリルやサスペンスに満ちてるわけでもないのに、グイグイ引き込まれてしまう。エリート官僚を軸に警察官僚の内幕を描いた作品だが、面白かった。少年法の問題などにも触れているが、少し中途半端かな。シリーズ物らしいので、続編を読んでみたい作品。

  • 星4.5という感じ。
    面白いけどちょっと淡々としていたかな。
    そういう小説だからしょうがないけれど。

    竜崎という男が魅力的でいい。
    こんなエリートが本当にいたら面白いのに。

    軽くて読みやすい文章が好き。
    話も軽くてちょうどいい。
    正しいことを正しくする姿は見ていて気持ちいいです。

  • 後半、伊丹が追い詰められていく過程とその結末が個人的な見所。
    最初だけ読むとものすごくイヤな奴でしかない竜崎が、読み終えてこんなに魅力的なキャラになるとは思わなかった。すごい。

  • Mさんお勧め図書です。
    お薦めです。筋を通す事の格好良さというか、こう在りた​い!って思わせてくれる本です

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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