- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103058526
感想・レビュー・書評
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「お父さんが居るとき居ないとき」「空腹で待てない子供たち」など、説明と共に紹介してくれる食卓写真が、これやらせじゃないの?って疑うぐらい強烈。調査初日と最終日の落差と言い訳がこれまたインパクト絶大。笑ったり唖然としたりしながらも、親はともかく子どもだけはもう少し何とかしてあげて…と祈らずにはいられない。
調査期間は7日間と長め。『もし調査を3日目までで切り上げたら、それは「日常」の食卓実態ではなく、「頑張ったらここまでできる」という今の主婦のせい一杯を見る調査になるだろう』という筆者さんの説明に心から納得。すごく面白かった。男女どちらにもオススメです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このシリーズは2003年の「変わる家族 変わる食卓「変わる家族 変わる食卓」からずっと読んでいるが、新刊が出る度に「マジかよ!?」と信じがたい気持ちになってしまう。
とは言え、これはひとつの現実なのだ。
片や、SNSやクックパッドで目にするのは、日々の食事をきちんとしっかりこしらえているひとびとなのだよなぁ。
なんだろう。この格差。
そう、格差。
食をたいせつにしているひとは、とことんたいせつにしているし、本書のケースに見られるようなひとは、なんというか食を軽視している、軽視しすぎだよ!わー!
この格差、どこから来た?
どこに行こうとしている?
食器に執着しないあたり、文化の格差なのかなぁ、とか。
だとしたら、これは大変由々しきことなのではないだろうか。
2005年ごろから食の風景は更に変わってきたと幾度も記述があるけれど、その原因はなんだろう。
かなり気になった。
著者のバイアスがちょっとなぁ、ってことで★ひとつマイナス。
確かに喜ばしくない事態ではあるけれど、だからと言ってジャッジするのは別もんだいだとは思うので。 -
何か辛くて読めなんだ
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最近の食卓の手抜きっぷりに警鐘をならす本?
食事を作る人が栄養など考えなくなっているということを食卓の写真とともに提示される。子供が小さいとしょうがないでしょうと思う部分もあるけど、「最近の母親は自分がすぐ疲れたって言い訳するし、自分へのご褒美は抜かないし、食事の偏りを子供の主体性のせいにするし」というのは同世代として反省する点も多いかも。 -
1960年以降の生まれの家庭の食卓調査写真集。
指定のレンズ付きフィルムでの撮影ということもあり、ますますテキトーに見えてしまう家庭の料理。経験の積み重ねで上手になっていく、ということが忘れられているとの嘆き。
全般的に漂う「面倒」と「放棄」の雰囲気。ひでえなあ、と思うには十分な本ですが、悪いものを選りすぐっているのか、それとも実態なのかはわかりません。僕はこうならないようにしていますが、でもやはり何を食おうが「家族の勝手」だと思ってしまうなあ。ダメだダメだといってステレオタイプの正解をちらつかせるより、幸せに食えることに努力をするかどうか、というほうに導いたほうがよいと感じました。 -
凄まじい本だった。最初は「ちょwそれはねーよww」って笑ってたけど、笑えなくなった。読み進める内に吐き気してきた本は久しぶりだ。
この本の中に「親」はいない。「偶々自分を産んだ大人」が、子どもを殺すことは、こんなに簡単だ…… -
衝撃的な内容。
最初は特殊な家庭の話だと思いながら読んでいたけど、ふと自分の二歳の姪っ子があまり食べることに興味がなく、毎回食事をさせるのを苦労していることを思い出し、途中からリアリティを持って読み進められた。
今、新生児を育てている身としては、今後の食育、生活習慣などをどうしていくかを考える上で、非常に参考になった本。 -
120世帯の家族の1週間の食卓写真を主婦自らに撮ってもらい、そこから見えてくる現代の家庭の食卓を考察する。
この本では各章ごとにテーマを設け、説明とそれに合った食卓の写真を載せていくのだが、とにかくその食卓の写真のインパクトに圧倒される。調査前後のインタビューから浮かび上がる虚像と実像のギャップや母親達の食に対する意識の低さには愕然とするし、それが食卓の写真というはっきりした形に表れてしまう姿には喜劇どころか怖ささえ覚える。
ただ、後書きでも書いてあるようにこの本は決して世のお母さん達の糾弾する為に書かれているわけではない。この本を起点として食について考えることが正しい読み方だと思う。
お父さんもお母さんもこれから親になる人も、とにかく皆一度読んでみた方がいい。