数学する身体

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 950
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103396512

感想・レビュー・書評

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  • 物理世界の中で進化してきたシステムにとって、リソースとノイズのはっきりした境界はない。

  • けっこう売れているらしいので、遅らばせながら手に取る。まず森田さん、年ひとつ上か。近い年代でも、そろそろこうして社会的にインパクトのある仕事をする人が出てきた。すごい。そして紹介されている岡潔のストイシズムは尊敬を超えて、畏敬だ。森田さん編の新しい岡潔論集「数学する人生」も読みたくなる。

    なぜ「数学」は人類史によりそい続けてここまで発展したのか。その必然性にふれることは、リアルタイムで数学を学習している中高生にとって大きなモチベーションになると思う。国語の授業で取り上げるといいかもね、この「数学する身体」。冗談ではなく本気で。

  • 岡潔のこと知りたくなった。

  • 「思考は頭だけで行われているのではないし、思想は漏れだしまた周りの影響を受けている」というのは自分がずっと考えていたことだった。数学という面からも同じことを考えている人がいたとは…。

  • 月一度の「東京遠征」(本当は毎週のように足を運びたいのだが、先立つものが…(><)○倍のバカヤロー!!)の際、ふと立ち寄った本屋で見かけた数学本。パラパラめくってみると、およそ数学者とは思えない柔らかな思考と文体に夢中になり、立ち読みから5分足らずで購入を即決。文体が柔らかいのも当然、かれはもともと文系学部を志望していたが、尊敬できる数学の師匠に出会ったらしく、大学は数学科で幾何学を専攻していたという経歴の持ち主だそうだ。彼の文章を読むと「数学も文化である」ということを実感する。この本には、小難しい「数式」という概念が全く出てこない。それどころか折に触れ「数学の歴史」という概念が出てくるため、理系及び数学アレルギーを持っている読者でも、すんなりと理解できること請け合いである。日本古来の数学を「和算」、日本の学校教育で展開されている算数・数学を「近代(西洋)数学」と定義する著者の思考が、今後どのような展開を遂げるのか興味深い。

  • チューリングと岡潔、2人の数学者を軸に「数学」という所作について書かれた本書。人の心を数学で解き明かそうとしたチューリングと、心を考えることが数学だとした岡。2045年問題が話題になる中、この本に出会えたことにきっと意味があると思う。

  • なんか凄い人になりそうです。

  • 購入前に勝手に期待していた内容とは趣が異なっていて、それでも面白ければもちろんいいのだが、残念ながら私の感覚には合わなかった。
    表題とのマッチングも、なんとなく入り口だけは説明しているが、結局中盤以降は忘れられているような気がするし、数学の具体的な思考や発想と“人間”との関係を門外漢にも分かりやすく伝える、という点では、展開の方向や語彙の選択を含めて、物足りない部分を感じる。

  • 20160315読了
    著者、30歳。在野で研究している人。●数学のなりたちが興味深かった。あと、チューリングと岡潔。正直言って、数学的な話題や情緒と数学に関する部分は頭のなかがハテナだらけ。「零から」とか「零まで」とか…もうさっぱりで、結論としては、自分に数学的センスは皆無だった。知ってた。●新聞11月の書評。

  • 算数、数学、まったく親しみを持てず苦しみしかなかった。それなのに、なぜこの本を手にしたか。曖昧とした気持ちで一行目に目を通す。衝撃にも似た気持ち。なんだ?これは。かつて読んだ寺田寅彦、中谷宇吉郎、とも似ているようでどこかちがう。理路整然としながらもどこか外す文系臭(笑)著者の経歴を知り納得。元文系かぁ。なるほどと腑に落ちながら、読み進める。
    途中の数学についての記述は難解なので読み流しながらも、学問やもっと人間の本質的なことである思考について、その表し方が実にいい。最後に。ずっと読みながらぜったい自分と同じ年代だと思い込んでいたけど、その若さにびっくり(笑)

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著者プロフィール

森田 真生(もりた・まさお):1985生。独立研究者。京都を拠点に研究・執筆の傍ら、ライブ活動を行っている。著書に『数学する身体』で小林秀雄賞受賞、『計算する生命』で第10回 河合隼雄学芸賞 受賞、ほかに『偶然の散歩』『僕たちはどう生きるのか』『数学の贈り物』『アリになった数学者』『数学する人生』などがある。

「2024年 『センス・オブ・ワンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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