- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104363049
作品紹介・あらすじ
命をはぐくみ、あるいは奪う、水の静けさ、こわさ、あたたかさ。響きあう九つの物語。山で人が溺れた日から半年、グランドピアノとともに町に流れ着いた一人の少女。子守唄、海の歌、重なってゆくピアノと人びとの歌声、そして訪れる奇跡――。全篇をとおして音楽が鳴り響く「海と山のピアノ」。四国という土地がたっぷりと抱き込んだ命の泉に浸されるような「ふるさと」など、豊かな物語性にみちた水にまつわる短篇集。
感想・レビュー・書評
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「水」の物語でもあるし、土の物語でもある。そして音楽が溢れ流れている…と感じた。それは流動的な曲ではなくて、断続的な音、祭の囃子のようでもある。
昔「ブランコ乗り」を読んで理解が追いつかず、敬遠していたのを何となく借りて読んでみたのだが、今回は好みだと感じる作品が多く読みやすかった。
突然現れる「熊」や「海賊 」や「海のオヤジ」等のワードに躓きそうになるが、あえて「そういうもの」としてスルーして進めてしまうくらいがちょうど良いのかもしれない…とも思いつつ読んだのが良かったのか。
9つの短編のうち、「秘宝館」だけがちょっと理解が難しかった。一番好きなのは「ふるさと」。読みながら田中泯さんの場踊りを思い出す。
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あまりに深すぎて理解が難しい。思考を求めてくる作品。
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私はこの世界のなにも、みることができてはいないのかもしれないなぁ
「ルル」はなんでかわからないけど涙出てきて止まらなかった。 -
・短編集。
・非現実的。
・土着的。
・東日本大震災以降の作品って感じ。
・海の…
・からだのなかにあるプリミティブなもの。
・ちからづよさ。
・自然とのまじわり。
・歌、躍り、音楽。
・ものごとは不定形。不定形なものほど確固たるもの。
・一種の神話。 -
2017.10.20 図書館
野島沖
川の棺
ふるさと -
途中で小休止
ルル は 好き -
感想はブログにて。「僕たちが立つ場所」
http://mihiromer.hatenablog.com/entry/2016/09/13/211922 -
グランドピアノの中で眠った少女が海岸に流れ着く表題作のほか、震災をテーマにしたアンソロジーに寄稿された透明な犬・ルルの物語、三崎の漁師が経験する不思議な体験など、この世のものではない、けれどまざまざとその場面が目の前に浮かぶような強い力の物語が収められている。
いしいしんじの物語は、抽象的だったり不可解だったりするけれど、真の底の底から、やさしい、と思った。
ひとのやさしさ、世界のやさしさを信じようとする意思を感じる。 -
新潮ほかで出された短編集。
なかなか入り込みにくい世界。 -
ルルに再会。
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津波のあとで。
短編集。
表題作がすき。パワーが別格なかんじ。
他のものも、よくわからない、けど病みつきになるようなそんな。
装丁もずるい。 -
丁寧にゆっくり時間が流れてる世界の話。
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豊かな物語性にみちた、水にまつわる9編から成る短篇集。
ハッキリ言って私には理解はできません!ww
でも、理解できないからこそ、惹かれるのです。
かといって、当然のことながら、理解できないものすべてに惹かれるわけではありません。
理解できるもの、共感できるものに、惹かれることの方が多いに決まってます。
でも、いしいさんの物語には、共鳴する何かが潜んでいるのです。それも、あちこちに。
開けるたびに、まだ知らなかった、見落としていた宝物を発見するような、喜びを驚きが、いつも私を待っていて、裏切られることはありません。
こわい時もあります。闇の中に突き落とされるような気持になることもあります。
そのまま怒涛の底をさまよう時もあれば、見あげた空にぽっかりと明るい月を見ることもあります。
え?言ってることがすでに意味不明?w
それはさておき、どうです?読みたくなったでしょ?
そしてまたこの本の表紙が素晴らしい!!
ほらほら、手に取って開いてみたくなるでしょ~?ww -
短編集9編
「ルル」が良かった.現実と少し重なり合うような異世界.川や海,羊水などの水を仲立ちあるいは媒介として何やら不思議な世界が開かれる.少し難解 -
いしいさんはこわい。えぐってくる。