朗読者 (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
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本棚登録 : 1089
感想 : 132
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900182

感想・レビュー・書評

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  • 主人公が、彼女の隠していたことに、裁判まで気付かなかったのは恋のせいか。裁判の関係者、彼女の弁護士すら、それに気付かなかったのは物語の都合か。
    他人に対して、当たり前にできることだと思い込んでいて気付けないことが、自分にも沢山あるのだろうと思った。

  • とても暗い重い話でした。
    これを読んでしばらく海外小説を敬遠してしまったくらい。

  • 朗読者 (新潮クレスト・ブックス)

  • 翻訳は読みにくかったけれど、淡々と流れる心情はわかってなかなかよかった。
    YAとして紹介していいか?という話を聞いて読んだのだけれど・・・
    大人の本だよねぇ・・・
    ナチスとその罪のあたりは若い人に読んでもらいたいけれど。
    映画はどうだったんだろう?R指定じゃなかったの?

  • 「わたしたちは幸福について話しているんじゃなくて、自由と尊厳の話をしているんだよ。幼いときでさえ、君はその違いを知っていたんだ。ママがいつも正しいからといって、それが君の慰めになったわけじゃないんだよ」

    安易に感想をまとめたくない作品。
    読んだ後も自分のまだ言葉に出来ない部分、まだ意識にさえ上らない部分も執念深く考えて暴いていきたい。

  • 15歳の時に出会った年上の女性。抱き合うほかに「本を読んで、坊や」と言われ、数々の本を一緒に読む。なのに訪れた突然の別れ。次に再会した時、彼女はナチスの裁判にかけられていた。

    ハンナが文盲である事は早い段階から分かりました。そして彼女がそれを恥じている事も。なのに、裁判の後、主人公の送った朗読のテープを一生懸命聞きながら、牢獄で文字を覚えた彼女がとてもいとおしいです。

    なのになぜ最後に自殺してしまったのだろう。
    せっかく自由の身になれたかもしれないのに。図書館の近くに家も用意してもらったのに。もしかしたら、主人公と一緒に生きていけたかもしれないのに。

    でも、その「たら、れば」をすべて可能性として考えられるうちにすべての幕を引きたかったのかもしれない。その気持ちも分かる気がします。

  • 初恋は特別なのだと思う。そしてそれが思春期であるならば、日常とは違う見え方をするのかもしれない。そんなことを思いました。
    背景にナチスのユダヤ人迫害があり、単純な恋愛小説とは異質な印象です。罪と愛は対なのかもしれません。

  • 15歳の少年ミヒャエルの初めての切ない恋。
    第一章の恋の部分はかなりあっさり読んでしまいました。

    第二章から引き込まれました。
    裁判でかつての恋人を見るために裁判に通い詰める主人公。
    元恋人が「文盲」であることに気がつくが
    彼女のプライドを優先する。刑期を終えた
    彼女が選択したのは自らの死。

    「あなただったら何をしましたか?」
    「あなただったらどうしましたか?」
    ハンナの問いかけに私は答えられない。

  • ドイツの小説の主人公って、
    ・影が薄い(地味)
    ・頭でっかち(自分の頭の中ばかりでごちゃごちゃ考える)
    ・自尊心が強い(青二才のわりに…)
    …というのが多い気がする。

    この小説も主人公よりハンナの方が印象に残る。
    裁判の場面で、「私はどうすべきだったんでしょうか」と問いかけるところ、このシンプルな質問が胸を刺す。

    人がある状態に置かれたとき、どう行動するかなんて、その場に立った人にしかわからないというのに、それを想像したつもりで他人が裁くって、なんだか変だなぁと思った。

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著者プロフィール

ベルンハルト・シュリンク(ドイツ:ベルリン・フンボルト大学教授)

「2019年 『現代ドイツ基本権〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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