プリンス論 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
3.90
  • (17)
  • (36)
  • (25)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 289
感想 : 38
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106347

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自分が洋楽ドップリだった高校大学時代。「1999」〜「グラフィティーブリッジ」辺りまではカセットテープが伸びるほど聴きました。特に「parade」は曲数も構成も私にとって完璧。
    でも、流石に殿下の全キャリアにはついて行けず、久しく追うこともありませんでした。
    殿下が鬼籍に入り、ラジオ「アト6」で西寺氏の熱いプリンス論を聴き、この本を参考にCDラックのプリンスの棚を補間し始めました。


  • プリンス入門書。
    プリンスは後期の数枚しか聴いたことのないにわかなので、ネットの知識も良いけど書籍でも吸収したいと思い読了。

    そもそも新書のサイズで語るには足りないアーティスト。多作家としても有名なのは知ってましたが、ここまでとは、と。公式のでも年に1作以上出しているので、40数枚。ブート盤合わせたら何枚なのだろうと、畏怖の念を抱きつつ、リアルタイムで追ってた人はさぞかし忙しくも幸福な時間だったのだろうと想像しました。

    常に時代の先に行っていたというのは、楽曲の権利に対する主張や楽曲の発表方なども、まさにという感じです。ネットにあがろうものなら即削除、また著者の西寺氏も現役のミュージシャンのため、海賊盤に対しての論著は意図的に控えられています。

    現代のミュージシャンは、なんだかんだでSNSなどを通じて身近というか、見える存在ではあります。それが運営の管理のもとだったり、アーティスト自身のものにせよ。セルフプロデュース的な側面を有しつつも、オープンな関係がファンとの間に構築されているように思えます。健全ではあるけれど、どこか物足りなさを感じるのは昭和生まれの悪い癖なのかもしれませんが、プリンスは逆ですね。謎を作り、語りすぎず、語るときはコントロール下に置き、自身を神格化してきた。グラミーでのスピーチの若干盛りすぎじゃないかっていうような考察、歌詞の対訳のくだり、『We Are The World』研究しかり、誰もがそれぞれのプリンス像を持っているのかもしれません。

  • 筆者の好みも反映されているが それはあたりまえ うっすらプリンスの全体像をつかむことが出来 コンパクト

  • プリンスが亡くなった後、この本の著者である
    西寺郷太さんがラジオに出演されていて
    プリンスのこれまでの功績等を語っていた。
    その際に紹介されていた『プリンス論』
    いつか読みたいと思っていた本を読了。
    もちろんプリンスの存在は知っていたけれど
    世代的にも音楽的にも全く触れることなく
    この世から彼がいなくなってしまった。
    はじめて存在に触れた時には、確かに異質で
    奇妙にも感じたが、同時に興味もあった。
    僅かながらにも彼と同じ時代を生きたことを誇りに思い、
    またもう少し早く魅力に気付きたかったと思う。
    ワーカホリックであった彼の音楽は山のように
    宝のように、彼がいない今も生き続けている。
    まだ著者の言いたいことが理解できない部分も多い。
    これから少しずつ、本書と共にプリンスの足跡を辿りたい。

  • 20191206読了

  • さすが西寺郷太さん、プリンスに愛情たっぷり。自分の言葉で適切に解説していて後追いでプリンスに関心を持つ者にとっての完璧な指南書。小学生の時に興味を持つことすらいけないことと感じつつ、岡村靖幸を隠れ蓑にしていつかは…と思っているうちに亡くなってしまったプリンス。こんなにマルチな才能だったとはね。

  • 著者も書いてるとおり、プリンスは多作家なのでディスコグラフィーを追うのがデビュー後のバイオグラフィーに近い。自分が全てのオフィシャルアルバムを持っていることが確認できて一安心。奇をてらわずプリンス初心者向けの最新情報も入った好作。
     ミネソタ州ミネアポリスの80年初頭の黒人比率は3%で(現在はアメリカの州平均が11%、ニューヨークは16%でミネソタ州5%)、ミネアポリスでは黒人がごくごくマイノリティだったんですね。それでプリンスのギターがロックというか白人っぽい部分もかなりあることに納得

  • さらりと読めるが深みというか凄みがあった。

    著者と同じく、自分も初めて聞いたのはパープルレイン前で、自分の場合は『controversy(1981)』がもらったテープに入ってた。

    テープには何も書かれていなかったので、それがプリンスの曲だと知るのはずっと後のことで、著者のようにプリンスを追いかけることはなかった。
    それでも音楽を聴き始めてから、ずっとアルバムを発表し続けてきた「身近なミュージシャン」がなくなるのはやはり辛い。
    文筆業が本業ではないが、プリンスの才能の爆発をリアルタイムで見続けてきた人なら共感するところが多いと思う。

    1999年にラジオでプリンスが特集時に、一曲目が『1999』だったことをふと思い出した。

  • プリンス入門書として最良。曲のテンポから分析したりとエピソードだけの本では無い。
    個人的には自分の大好きな曲「クリスタルボール」を熱く推してくれた事に大感謝。

  • これは決してプリンス追悼本ではない。プリンスがまだ生きていた時に出版され、その直後に本人が急死したのだ。結論から書くと、自分のようなライトなファンにとっては、こういう本を求めていた!というドンピシャの内容。プリンスの全体像、アルバムディスクガイドとしても大変優れている。早速これを片手にプリンスを聴きまくり始めようというところだ。

全38件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

西寺郷太(にしでら・ごうた)
1973年東京都生まれ京都府育ち。バンド「NONA REEVES」のボーカリスト、メインコンポーザーを務める。音楽プロデューサー、作詞・作曲家として、V6、岡村靖幸、YUKIなどへの楽曲提供・プロデュースを行うほか80年代音楽研究家として、マイケル・ジャクソン、プリンス、ジョージ・マイケルなどのオフィシャル・ライナーノーツなども数多く手がける。
著書に『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(新潮文庫)、『マイケル・ジャクソン』(講談社現代新書)、『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』(NHK出版新書)、『プリンス論』(新潮新書)、『始めるノートメソッド』『伝わるノートマジック』(スモール出版)、監修『MJ ステージ・オブ・マイケル・ジャクソン』(クレヴィス)などがある。
現在、『GOTOWN Podcast Club』を配信中。

「2020年 『ディスカバー・マイケル THE BOOK』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西寺郷太の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×