ダウン・ツ・ヘヴン

著者 :
  • 中央公論新社
3.71
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本棚登録 : 2245
感想 : 270
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120036446

感想・レビュー・書評

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  • 今回も主人公は草薙水素。僕で語られる物語。全体的にふわふわとした感じがした、うまく表現できないけれど。空での様子はやっぱり想像力がついていかない。でもちょっと羨ましい、自由に飛べたら素敵だろうなと思う。

  • 2015/05

  • けっこうこの巻はぐっときた。

    理不尽なことに対し怒りを感じつつも、真っ向勝負をしない印象が草薙にはあります。戦闘機乗りたちは良くも悪くもとても純粋なのかと思いました。“空”に対して真っ直ぐ。
    ティーチャーとの空戦の諸々がなんだか切なかったです。自暴自棄になる草薙をティーチャーが止めるとことか、草薙が感情を爆発させるところとか。すごく好き。

    地上での描写は、読んでいても気怠くなります。笑

  • ナバテアの続き。
    舞台が少し広がってきた。
    続きが気になります。
    というより、しまった!いきなり順番間違えてました。
    スカイクロラが最初だったのか。次はスカイクロラ読みます。

    “『ところで死は?どこにいるのだ?』
    古くから馴染みになっている死の恐怖をさがしたが、見つからなかった。いったいどこにいるのだ?死とはなんだ?恐怖はまるでなかった。なぜなら、死がなかったからである。
    死の代わりに光があった。
    「ああ、そうだったのか!」彼は声にたてて言った。「なんという喜びだろう!」”
    イワン・イリッチの死/トルストイ

  • 3作目。
    ここまで読んでおいて今更だけど、面白いか?と聞かれて、一言面白い。と答えられなかった。
    続きも勿論気になるけど、そういう感じではなく、またこの不安定さを味わいたくなる。
    正直、飛行機の事なんでさっぱり分からないので、普通にサラリと出てくる専門用語が何なのか分からず、一番の見せ場の戦闘シーンが一体どんな状況なのやら…
    なのに飛行機乗りになったような雰囲気が、しっかり味わえているのが不思議。
    こんな本もあるのか。
    出会えて良かったと思う。

  • 2014年9月7日読了。
    はやくも、スカイ・クロラ再読の必要を感じたり・・・、再会意外に早いし・・・。

  • ⭐️2014年7月6日読了『ダウン•ツ•ヘヴン』森博嗣著 評価B

    スカイクロラシリーズ3作目 前作のナ•バテ•アの続編 主人公は同じ草薙水素。彼女は、軍きってのエース戦闘機パイロット。飛ぶこと以外には何も興味がない戦闘機おたく。
    憧れのティチャーとの待ち焦がれた空中戦しかしそれは、ただの茶番劇に過ぎなかった 。

    エースパイロットが次第に広告塔として利用され指揮官へと祭り上げられようとされるが、命のやり取りの空中戦にのみ生きている証しを見出している草薙は、その動きに抗おうとする。

    彼女の乾いた目を通して、狂った現代の異常性を描く。それにしても、彼女の飛ぶことへの純粋さが突き抜けて描かれていて、その点では逆にあまりに平板。成る程、アニメ的ではある。

    故に読んでいると劇画的で、アニメ映画を見ているのと同じような感覚に陥るのは私だけなのか。
    それが良い、悪いではなくそういう作品なのです。

  • 『スカイ・クロラ』シリーズ刊行3作目。『ナ・バ・テア』同様、草薙水素が主人公で、組織から広告塔や指揮官へと祀り上げられていくストーリー展開。『スカイ・クロラ』主人公の函南も登場します。

    キルドレたちの精神の不安定さ、葛藤が、特によく表れている作品だなと思います。草薙や函南の揺れ動き方はキルドレだからこそかもしれませんが、内容は異なれど、人間だれしも自分と真剣に向き合えば、精神的に葛藤し、苦悩し、揺れ動く時期はあるものです。そういった不安定で今にも壊れそうな繊細なところがよく描写されているなと思います。

    3作目ともなってくると、そろそろマンネリ化してきてるのも事実なので、次作の『フラッタ・リンツ・ライフ』では、違った部分が出てくることを期待します。

  • 3作目。語り部は前作に続き草薙水素。スカイクロラシリーズは本当に装丁と物語が良く合っている。装丁の曇り空はなかなか晴れないクサナギの心の様でもある。詩のような文章は読みはじめると結構病みつきになる中毒性のある文章。2011/219

  • 地上で一番美しいのは、池や川の水面に映った空。地上に落ちた慈悲のスカイブルー。
    灰色に曇る空の眩しさの不思議。
    味方なんていらない。ひとりで戦える奴だけが空に上がってくる。
    なにものにも触れたくない。触れられたくない。空気だけで充分。空だけが許せる。そこが僕の場所。
    死ぬまでずっと浮かんでいられたら良いのに。
    真っ黒な澄んだ瞳。その中にある空へ墜ちていく日まで。

    雲の上にある天国へ墜ちていく日まで──。

    スカイ・クロラより前、ナ・バ・テアより後。今回の空は静かな怒りを孕んで灰色です。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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