- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120053924
感想・レビュー・書評
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うーん。
代理母、という設定はどこまでも重いものに対し、この作品はあくまでも登場人物を掘り下げ続けて話を進めていて、最終的に着地点に向けてそれぞれが抱えるすべての問題がまさに都合良く片付いていった感じ。
これまでも社会派なテーマに対し、素晴らしいラストに流れ着くさまに感動すら覚えたのだけど、今作は首を傾げてしまった。垣谷作品にしては珍しい。
世の中カネってところしか残らなかった。
もっと面白くなりそうだったのに。本当に残念。 -
これは酷い。
雑過ぎる。
初っ端から眉間に皺が寄り、嫌悪感しか無い。
いくら大袈裟に、誇張して書いているにしても、「垣谷さん、どうしちゃったんですか?」状態。
私のこれらの失望感は、代理母というテーマに対するものではなく、著者の書き方に対してだ。
私が読む(本当は大好きな)垣谷美雨さんの14冊目。
図書館貸し出し、長いこと待った。
しかし42ページまで読んだところで、読み続けることに不安を覚え、ブクログのレビューをネタバレお構い無しに、いや、むしろネタバレを求めて拝見した。
皆様のレビュー、参考になりました。
ありがとうございます。
これ以上は時間の無駄と判断して読むのをやめる。
「垣谷美雨さん」カテゴリではなく「読み続けられなかった本」カテゴリ行き。
(あくまでも個人的感想です) -
子どもを産むということ。
登場人物たちが選んだ選択肢が
今の世界で選べるわけではないけど、
私が知らないだけで、
さまざまな生き方があるのだろうなと感じました。
当事者ではないときに、
わからないが故に困ることもあるけど
まずは知ろうと思って
行動していきたいと思いました。 -
表紙からしてほっこりものかと思ったら、
いい意味で裏切られました。
近未来こうなっても、おかしくはないしそんななか生きていく登場人物たちの強さに引き込まれていく作品でした。 -
重いですね。
途中で読むのを辞めようかと思いました。
代理母というのは自分には理解できないですね。
最後はみんな幸せになって終わっているけど代理母の問題は自分は終わってないと思います。 -
垣谷さん、気軽に面白く読めるので好きだけれど、これは全然読んでいて楽しくない。
自分は女で、これまでの中でそれはいろいろあったけれど、
女だからといって、こんなにもミジメな存在だなんて思っていない。
なんだか、共感というよりも読んでいて悲しくなる。
40歳未婚出産も残念な感じだったけれど、垣谷さんの出産関係のテーマは自分とは合わない気がする。
希望病棟での「学費のために風俗」や、本作の「貧困だから代理母」って、
ぜんぜんしっくりこないけどなぁ。 -
タイトルとほんわかした表紙から、高齢女性が働く娘の代わりにお母さん業に奮闘する・・・みたいな話だと思ったら、全然違った。
時は2040年の近未来、日本。
富士山の噴火による火山灰が東京を埋め尽くし、首都機能はクリーンシティである長野県松本市に移された時代。
東京では放棄された土地家屋が多数あり、その中の放棄された電車車両を不法占拠して家族と暮らす少女、ユキ。
義父に騙されて、未成年で妊娠・出産経験もないのに、お金のためにお金持ちの中国人の代理出産をさせられる。ユキが、仲間や支援者とともに、みんなが幸せになれるような代理出産制度を作っていくというサクセス?ストーリーだ。
今から20年後に、これほどまでに国内の格差が広がり、日本国内が多国籍文化になるとはあまり想像できないけど、でもそうなったら怖いなと思ってしまった。
代理出産について、芸能人や政治家、つまりお金ある人達ががアメリカ行ってやってる、という認識しかなかったけど、そこにはもちろん多額の費用がかかっているわけだ。
お金で貧乏な女性に産ませる、という嫌なイメージはなかったけど、この本を読み、代理出産そのものに対して差別的なものだと思えてしまった。
私は「お腹を痛めてこそ一人前」とは思わないけど、日本が妊娠、出産について大いに遅れていることは私も感じている。
かといって、代理出産が当たり前になるのが良いことなのか?命をかけて代理出産しないとお金を稼げない人がいる世界って・・・と思ってしまった。
代理出産について日本では法律がない、というのはその通り。
ただ、代理出産を認めるとなると、他の法律との軋轢や、おかしな例が出てきてしまうのではないかと思う。つい最近も、他人の精子を使って出産した女性が、その男性が国籍、学歴を偽っていたということ等で損害賠償請求を起こした。生まれた子どもは育てられない。そういうトラブルが、増えてしまうのではないか?と思った。
どんな時代や世の中になっても、子どもを育てたい人が育てられる社会、子どもが幸せに成長できる社会であってほしい。
ユキが冒頭、出産後、病院からバスに乗ったときに、乗り合わせたアラブ系の男性と目があい、ニヤニヤされ、男性を怖がるシーンがある。私にはこれが印象的だった。
うちの近くのレストランで東南アジア系の男性が多数働いていて、路上で出くわすと、彼らはフレンドリーに笑って来ることもある。私はそれに恐怖を抱いたことはなく、私は平和を享受しているんだと思った。
誰かの笑顔を怖いと思う・・・それほどまでに廃退した日本になりませんように。