- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120053924
感想・レビュー・書評
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近未来らしき日本、貧困に喘ぐ底辺層の家族と不妊ビジネスの餌食になった主人公ユキが自らの経験を逆手にとり頑張る物語。未だに世間を牛耳ろうとする頑迷な男性vs女性(LGBTも含めて)の図式も含めて、全てステレオタイプに収まっているのが気味悪い。しかもこれを女性の読者に発信しているのも不愉快。
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なるほど、そんな世界になるかもなあ、とパラレルワールドの物語として楽しめた。
噴火と地震、放射能汚染で首都が実質移動、ゴーストタウンのようになった東京で、鮨の出前を取れるとか、身内との再会のタイミングが都合が良すぎとか、ん?と思うところはちょいちょいあったけれど、柿谷美雨さんワールドを旅することができて面白かった。
本当に、古き悪きアタマの者どもは、早く滅んでほしいとしみじみ感じた。 -
物語としては面白かった。重いテーマを扱っているため、読みながらつい考え込んでしまった。依頼主にはそれぞれ様々な理由やきっかけがあり、代理母にもまた、それぞれの事情や理由がある。
ずっしりと来たわりに終盤〜ラストが軽いというか…あっさり終わってしまい拍子抜け。 -
代理母、はじめました
垣谷美雨さん。
未来の日本。
富士山が噴火して、
火山灰が降り注ぎ、東京は廃墟となる。
少子化。男尊女卑。
化石のような、古臭い考えのお役人。
貧富の差。
未来の日本。
読むのが恐ろしい。
現実になりそうなお話。
未来が明るいものでありますように。
垣谷美雨さんは、すごいなぁー。
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子供を持つということは、人としての最終目標みたいな文化はどんどん薄れていくんじゃないかなと読み終わって思いました。子供がほしいと思っている人が子供を持ち、ほしいと感じない人はもつ必要がなく、どちらを選択したかってだけであって、当たり前のことだけどそこに人としての上下や劣等はないはず。
私自身も子供はいつかほしいと思ってたけど、なんでほしいと思ってたんだっけ?子供がいれば幸せになれると勘違いしてない?と自分に自問自答した作品でした。 -
近未来の日本が舞台。富士山が噴火し中国やインドに経済的に負け、貧富の格差が広がった日本。
16歳のユキはお金のために義父に命じられ高校を中退し中国人の代理母となる。
代理出産、子供を産むことの価値、
精子卵子提供の意義等等、
盛りだくさんの内容だった。
出産の意義?子供を産み育てることが正しいの?
作中にあるように、人それぞれの価値がある。
人と比べるものでなく自分が良いと思う選択肢を自由に選べるようにしたい。
社会が柔軟にサポートしてくれるように変わっていくことを願います。 -
★4に近い3。なぜ3なのかは、気味が悪いというかこうなったら嫌だという気持ちが残ったから。先が気になってどんどん読めたという点からすれば、★4。
何ておそろしい世界なんだと思うが、ひょっとすると未来はこうなってしまうのかも…と思わせられるのがまたおそろしい。
題名と表紙から、ほのぼの系もしくは実話に近いような感動系かと思ったら、全く違った… -
こんな日本は嫌だ!とおもうけど意外にリアリティあって未来はこれに近いのかもしれない。
産婦人科医として代理母出産がテーマなのは面白かった。メリット、デメリットそれぞれあるけどもし日本で代理母出産が行えるようになったら、そのときは日本政府よくやった!と思うんだと思う。
ほかにもLGBTQとかテーマを詰め込みすぎな感じもあったけど、終わり方は作品としてきれいにまとまっていた印象。 -
同じ「代理母」がテーマでも、「燕は戻ってこない」とは、180度違う。
ヒロインの悲惨さではこちらの方が上かもしれないのだが、全く明るい。
ちょっとSF的な設定が入っているのですが、めっちゃ建設的で前向きで登場人物たちを思わず、応援してしまいます。本を読んで元気になりたい人にはオススメ。
ニコは、「燕」派です。 -
物語はファンタジーだけど、代理母を通して日本社会の様々な課題が見える。