代理母、はじめました (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053924

感想・レビュー・書評

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  • はじめの方、ユキちゃんの義父や院長先生が無理すぎて、なんて恐い世界なんだと思った。
    難しいなあ。
    そういう生き方もあるし、みんながみんな納得のうえで行えるなら素晴らしいとも思うけど、極限の貧乏を経験したことがないから、絶賛もしがたい。

  • 20年後の日本、本当にこんな状況になっている可能性もあるんじゃないかと目を背けたくなった。
    希望のある結末でよかった。

  • 代理母ビジネスへの経緯が貧困と義父の搾取から始まったのは悲惨なことだが、ユキと彼女を支えるミチオの前向きな力に拍手だ。まだまだ女性にとって生きづらい男社会の偏見に代理母出産という形で警鐘を鳴らし、法的な仕組みも分かり面白かったです。

  • 垣谷美雨さんの本はほぼ同世代の、身につまされるストーリーが多くすべて読んでいます。
    この本もタイトル、装丁からして今までと同じようなストーリーだと思って読み始めて、ビックリ。
    設定もストーリーも想定外。
    二十年ほど先の近未来がこんなに今と違うとは思えず、少し期待はずれでした。
    面白くなかったとは言わないけれど、正直微妙な読後感でした。

  • このほっこり系の装丁に騙されてはいけません!

    貧困、女性差別や人種差別と
    内容のエグいこと。

    繁殖ビジネス待ったなしの社会情勢。

    少し先の未来に起こりそうなこと
    悲惨な生活大連発に、目の前真っ暗。

    でもそこは垣谷さん、上手く着地させてくれましたが
    ちょっと都合良すぎた感は否めないかな。

  • 垣谷美雨さんの最新本。
    好きで、全て読んでいる。
    著者のスタイルとして序盤ムカムカイライラする人物や出来事でガッチリ読者の気持ちを掴み、どーなるのどーなるの?!と頁をめくる手を急がせるのだが、これは初っ端からズドンと重かった。
    重い上に暗い。
    日本の近未来が舞台だが、ここまで落ちぶれるか?!という程悲惨で、あまり救いがない。
    痛快で、最後は多少ムリヤリでもメデタシメデタシとなる話が多いが、こちらに限っては読後が爽やかではなかった。
    まー確かになぁと思う場面もあるにはあったが、日本ってここまで男尊女卑甚だしいか?
    余程著者が悔しい思いをされたのか?
    Amazonレビューであまり評価が高くなかったのも、納得。
    とはいえ好きな作家さんなので、次回作に期待したい。

  • 設定は近未来らしいがやや飛躍気味。代理母や生殖医療にはデリケートな問題が山積しているだろうし、そんな近い将来に代理母ビジネスが進んでしまう事は逆に怖さを感じる。

    少子化を止めるためというなら早急に法の整備が必要なのかもしれないが(やっているでしょうけれど)男性も含めた一定期間の育休や、女性が出産、育休後に同じ待遇で戻れる職場がある事の方が、保育園を増やす事より急務なのではないかな。
    いずれにしても合理性を追及するものではなく、赤ちゃんやおかあさんに優しく。

    どちらにしても女性は子供を生むためだけにいる訳ではないし、代理母でもそうでなくても、喜びを感じない妊娠、出産は始めからやめた方がいい。赤ちゃんが生まれる事は本来、幸せな事だもの。

    今まで読んだ垣谷さんの本は、全てがすっきり解決する訳ではなくても、希望の光が見えるように感じるラストだったが、この本にはそれがなく何だか曖昧だ。

  • 2040年の日本。少子高齢化の加速や生涯独身人口の増加、医療技術の発展など、その頃の日本ではこんなこともあり得るのかな?と想像しながら読んだ。(ドローンタクシー、無人タクシーはすごい)

    代理母のビジネスの闇?裏?は複雑だけれど、一つの選択肢としてあれば良いのでは?と浅はかかもしれないが私は思った。
    同作者の「四十歳未婚出産」を読んだときも感じたが。戸籍とか大切なのかもしれないが、世界には親もいない孤児がごまんといるので育てることのできる人が育てればOKかも…。

  • 貧しいが故に父親から代理母をやらされたユキ。お金を稼ぐため、自ら代理母コーディネーターの仕事を始める。
    少子化や不妊で悩む人、社会の未来を予言するかのような本。
    問題提起としては、有意義な小説だが、実際問題として、ユキのように親からお金目当てで代理母をさせられる懸念もあるし、法整備や社会認識の壁など、いろいろな問題があると考えさせられた。

  • 生活の為義理の父から代理母を強要された16歳。ありえない話からスタートしたものだから、オイオイ美雨さん、と思ったが、2040年の設定と知り、ようやく安心して垣谷さんのデフォルメワールドに没頭する準備が整った。AIが起こしうる問題の数々をこんな角度から考えた事がなかったし、今の少子化問題をなるほど未来にこんなカタチで引き渡すとは。相変わらずページを捲る手を止まらせない。
    ストーリー後半でパタパタとたたみかけるようにあれもコレも問題解決させるテを感じさせるのはいつも否めないが、垣谷さんだから、ま、いっか ^_^。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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