代理母、はじめました (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053924

感想・レビュー・書評

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  • 20年後の代理母ビジネスを描いた作品
    確かに20年後に出産という大業に
    女性の社会進出や結婚離れを考えると
    代理母は一つの選択肢になるのかも
    知れない…
    今後起こりうる少子化対策に必要なのか
    だけどそれでいいのか?
    何か違うと思うし…
    すっきりしない結末だった
    これは今後大きな社会問題として
    考えていくべき事だと思う

  • +++
    義父の策略で、違法な代理母出産をさせられた17才のユキ。命がけで出産したにもかかわらず、報酬はすべて義父の手に。再び代理母をさせ稼ごうとする義父の手から逃げだし、ユキは自らの経験を逆手に取り、自分のような貧しい女性を救う大胆な〈代理母ビジネス〉を思いつく。ユキを支えるのは医師の静子&芽衣子のタッグと、ゲイのミチオ&一路。さまざまな事情を抱えた「子どもを持ちたい」人々が、最後の砦としてユキたちを頼ってやってくるが……日本の生殖医療の闇、貧困層の増大、妊娠・出産をめぐる負担など、現代日本が放置した社会問題を明るみにしながら、「代理母」ビジネスのタブーに切り込んだ問題作。
    +++

    表紙からは、もっと軽くコミカルな感じの物語を想像したのだが、いきなり悲惨な現状が目の前に展開していて驚いた。主人公のユキの年齢に比しての無知さも気になる。義父に都合のいいように言いくるめられて代理母を引き受けてしまうなんて、16歳としてはあまりにも自分のことも世間のことも知らなすぎるのではないか。題材はとても興味深く、知らないことも多かったが、いささか都合よく進み過ぎの感が否めず、しかも結局、代理母たちは実情を偽っていたりするのが腑に落ちないところもある。社会においての女性の立場を少しでも良くしたいという思いはとても伝わってくるので、疑問符も浮かびながら共感する点もたくさんあった一冊である。

  • 今から20年後の日本から物語が始まる。度重なる天災や感染症の拡大で、日本は今とはまるで様子が変わっている。男女の格差、貧富の差がさらに広がり治安も悪化している…。
    前半は読んでいて正直しんどい。
    そんな中、いろいろと事情のある主人公が代理出産のコーディネートビジネスを始める。所詮世の中はお金なんだ、と大金持ちになることを目的に始めた仕事を通し、様々中気づきを得ていく。
    希望を持たせるエンディングになっているが、今から20年後の日本、実際どうなっているのかな?と急に心配になってきた…。

  • 代理母ビジネスがテーマ。16歳のユキが父親に丸めこまれて代理母となるがその経験を生かして会社を興す。不妊治療、少子化、性の差別、ジェンダーと盛り沢山のヘビーな内容だけど垣谷さんの文体で暗くなりすぎず前に進んで行く様子が清々しい。ドローンタクシーとか近未来は本当にこうなるかもと思えました。今までの作品とは違う感じだったけど、これも好き。

  • もしかしたらこんな世界が来るのかな。
    富士山が爆発して、貧乏な人が増える。
    仕事を続けるために、代理母をお願いする。
    貧乏な代理母はお金を貰える。
    育った子供が幸せならば良いけど。。普通に生まれても色々あるし、どうなんだろうな。


  • 主人公がとても強くて魅力的で読んでいて元気が出た。未来の話だが、いつか日本に本当にこんな時代が来そうで考えさせられた。

  • 垣谷美雨さんの本で初めて手に取ったもの
    読みやすくちょっとだけ考えさせられてこの作家さんの他の本も読んでみようと思った作品

  • そう遠くない未来、こんな世の中になるのだろうか。。

  • 02月-10。3.0点。
    この作家にしては珍しい、近未来の日本。題材を考慮すると現代というわけに行かないかなと読んで納得。

    貧困にあえぐ16歳の女の子、義父に欺され代理母に。中国人女性の子供を産むが。。。

    表紙とは違い、シリアスな展開。

  • 格差やレイプ、未成年での代理出産など不条理な世の中から脱却しようと奮闘する物語。
    経済的余裕を手に入れるための手段がとても皮肉やった。
    ただ、同性パートナー・高齢女性などの現代では子どもを諦めることが多い方たちが子どもを持てるというメリットやったり
    代理出産を依頼する人の見極め(経済的に育児ができるのか?犯罪目的ではないか?:人身売買/児童ポルノ)が必要だったり、
    金儲けのために身体に負担の多い手術をする病院やったり、、、
    1〜2ページでサラッと触れられてるけど考えさせられるポイントは多かった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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