茶の世界史: 緑茶の文化と紅茶の社会 (中公新書 596)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121005960

感想・レビュー・書評

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  • 中国語の広東語 茶(CHA)
    福建語 茶(TAY)・・・・の二つの流れが・・・・

    茶(CHA)は 日本語 茶
    韓国語は チャ・・・緑茶は ノクチャ 抹茶は マルチャ 
    モンゴル語は チャイ
    ポルトガル語 ヒンズー語 ペルシャ語の CHA
    アラビア語 ロシア語の CHAI
    トルコ語の CHAY・・・・・

    これは 陸路をへて・・・北京、朝鮮、日本、モンゴル
    西には チベット ベンガル インドから 中近東 ロシア

    福建語のTAYは・・・
    オランダ語 THEE
    ドイツ語 TEE
    英語の TEA
    フランス語の THE につながる。

  •  中国原産の茶が,イギリスに定着して世界商品となり,どのように歴史を動かしていったのか。また近代化後,日本茶の海外進出の試みはどういう道をたどったか。日本茶の話は少々退屈だった。
     著者はしきりに茶の湯の文化をとりあげて,緑茶は精神的な色合いが濃く,紅茶は物質的な色が強いと主張してるのだが,これにはちょっと違和感。砂糖や牛乳を入れる入れないの違いからそこまでいくのは深読みな気が…。
     それと「ナウい」という死語が頻出したのには面食らった。1980年初版だから仕方ないか。

  • 約200年前、交易品の中で茶は高級品であり、そして独自の紅茶文化を発展させたイギリスは交換品の銀の流出を防ぐため中国にアヘンを広めアヘン戦争になったのですか。むごい。紅茶のお供である砂糖も。奴隷貿易を制するものは、砂糖を制する。う~む。そしてインドでも茶は発見され、開国した日本は緑茶は英国紳士には適さないということで広まらなかった。そして男たちは立ち上がった。(プロジェクトX)面白かった。たまには急須でお茶を飲みますかな。

  • 紅茶、緑茶、中国茶の歴史を記した本だが、当時の現地の背景もとても詳しく書かれている良本だった。

    日本が開国した当時は、緑茶は貧乏人が飲むお茶として、アメリカやカナダに輸出されていたと聞いてびっくり。さらにお砂糖やミルクを入れて飲んでいたと聞いてまたびっくり。着色までされていたと聞いてぞっとした。きっと不味いから、こうやって味をつけて飲んでいたのだろう。

    確かに、外国のメーカーのお茶を買うと、緑茶がベースになった甘い香りのお茶があったりして驚かされる。日本人の私としては、緑茶に甘いフレーバーなんて気持ち悪いと思ってしまうが、本書を読んで、なぜ緑茶がこのように変化して世界に広まったのかということが良く理解できた。

    お茶が「茶の湯文化」から「商品」へと変化していった過程を追うことができ、興味深い一冊だった。

  • 茶で世界を語った最初にして最高の本。茶業研究を始める人間は、角山榮を通らずして先に進むことはできない。膨大な領事館文書を駆使したその研究には、ただただ敬服するのみです。

  • 大航海時代を通じてインドや東アジアとの交易が盛んになったヨーロッパ。 かつてオリエント文化が流行した様に、人々は未だ知らぬアジア文化への強い憧れと好奇心に突き動かされるまま、アジアの代表的な文化である「茶」が浸透していったのである。 さて、くだらない前置きはおいておくとします。 本書ではイギリスでは日常的飲み物として堂々たる地位を築いた「紅茶」について取り扱っています。 茶の発見から始まり、何を引き金にヨーロッパ、特にイギリスで紅茶が普及したのかについて解説されています。

  • お茶の流通経済史として読めば面白い本。お茶を流通、経済からの側面から書いた本を読んだのが私は初めてだったので、興味深く読めた。

    お茶の動きを読めば、近現代史の新たな一面が見えるというのがおもしろく感じられた。

  • 今、目の前にある文明がどのような過程を経てここにあるのか。

  • 「茶の世界史」というより、「経済史に見る茶」。プロローグに釣られて買ってしまったけれど、期待していた内容と全く違った。

    期待してた内容
    茶の原種分布や農作物としての栽培の歴史、農作物としての伝播について。植物煮出し汁?を飲む習慣の歴史。茶の精神とその成立過程についての解説…等々。
    実際の内容
    西洋の東洋に対する憧れの象徴、文化としての「茶」が、資本主義の商品としての「茶」になるまでの歴史。大航海時代から19世紀の帝国主義時代が主で、資料は貿易の記録と飲茶風俗を伝える雑誌などが中心。

    これで題に「世界史」と銘打つのは大袈裟だと思う。
    あと、間延びした構成で読みづらい。「本論の構成と目的」の様な説明があればよかったかも。

  • これは面白かった!
    世界史の本として良かった。

    「茶」がいったい歴史上どのように人々に関わって来たのか、
    文明の中心が、東洋文化圏からヨーロッパ圏に
    移り変わっていく様子がわかりやすく書かれている。

    産業革命以後の西欧の非西欧文明圏に対する傍若無人さと
    言ったらないのであるが、特に清をアヘン戦争に追い込み、
    富をもぎ取っていった大英帝国のやりくちの汚さは、
    改めて読んでもひどいものです。
    もしかしたら、清国が紅茶の一大産地でなかったら
    あんな風に攻め込まれなくてすんだのかも。

    かつてはお茶自体に文化・精神が宿っていたけど、
    西欧で一般に消費されるようになり、単なる商品と化してからは、
    その精神性が失われてしまった、というところに考えさせられた。
    ほかにもこういうもの、沢山ある、と思う。
    昔、自分たちが持っていて、失われたものもあれば、
    近年、失わせてしまったものも、あるんだろうな。

    **************************

    西欧文明圏の、非西欧文明圏に対する気持ちの変化
    が納得の図式。

    深い歴史と高い文化に感動・憧れ、真似をする

    追いつき、追い越せ、で頑張るも、原料も技術もなくムリ

    しかし産業革命により、今までにない新しい力と技術を得た

    これ、もう自分たちのが上じゃない?

    新しい力と技術を持たない国は自分たちより下とみて、
    見下し、攻め込み、奪い取る

    その見下し感を継続したまま、今に至る

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