プレゼント (中公文庫 わ 16-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.39
  • (32)
  • (122)
  • (207)
  • (19)
  • (8)
本棚登録 : 1111
感想 : 143
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122033061

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 若竹七海著 「プレゼント」
    女探偵 葉村晶初登場作品はどんなものなのかと興味を持って読んだ。初登場だけあって後々の葉村晶らしさはまだ色濃くはなっていない様だ。作品は、明るげな表紙の絵とは裏腹にかなり腹にこたえる重量感のある物だった。

  • フリーター・葉村晶と警部補・小林舜太郎が交互に探偵役となる連作8篇。

    若竹七海さんの本を初めて読んだのですが、人間が持つ暗部を無造作に読者に提示して見せる独特のダークテイストに魅せられました。
    救いもなくユーモアもなく、どこにでもある日常的な悪意を作中にぽいっと置いてじわじわ読者を怖がらせるやり方が上手で、イヤミスとも違う怖さを感じました。
    誰もが持つ悪の本質の断片が描かれているから、こんなに惹かれるのかもしれません。

    あと、葉村晶のキャラがいいんですよねー。
    クールで斜に構えてる女性なんだけど、すごく冷たいわけではなくて人間的で不器用な面もある。
    なのに、周囲の人間関係には恵まれずいつも事件に巻き込まれる。
    普通、こういうキャラって最後にはいい目に遭ったりするもんですが、作者はそんな生ぬるいことはしない主義みたい(笑)。

    続編もあるみたいなんで、葉村晶が次にどんな事件に遭うか次も読んでみようと思います。

  • ハードボイルドである
    ストイックに事件に対して納得がいくまで立ち向かうのがいいのだが、探偵役という事でもない
    変な自分の欲を見せないのがいいね

  • 葉村晶のシリーズの最初の話。
    どの短編もブラックだなぁ。
    後味はどれも良くないし、登場人物がいちいち一癖のある人たちで、読んでいてうんざりする部分もあるのだけど、引き込まれてしまう。

  • 葉村晶シリーズの最初のもの。短編集で、御子柴くんも登場します。葉村のお姉ちゃんはやはり怖い。悪いうさぎ、依頼人は死んだの後に読んだのだけどどういう順番で読んでもいいなと感じました。葉村の性格の悪さがたまらない。

  • 若竹七海の「葉村晶」シリーズという名前だけは、前からなんとなく知ってはいたが、実際に読んだのはこれがはじめてである。
    なるほど、かなり個性の強いキャラクターだ。こういう逆境に強い女性は結構タイプなので、楽しく(というような内容でもないのだが)読めた。

    ミステリーとしても良質だと思うが、俺のような万年ビギナーには少々不親切…というか、トリックの核心が分かりづらい部分があって苦戦。「あぁ、そういうことか」と理解できるまでの反すうも面白さと言えば、そうなんだが。

    都合の悪いことは全て他人のせいにする。こういう人が事件に巻き込まれ、葉村晶みたいなエッジの立った主人公が、その事件を解決する。トリックは見えにくくても、その読後感は良い感じ。ただし最後の短編は少々…

  • 奇数回では葉村晶、偶数回では小林警部補が登場する連作短編集。最後の短編だけ二人が共演するという仕組みになっていますが、連作ならではの仕掛けはなくあっさりとしていて物足りないです。
    しかし、葉村パートは人間の悪意が印象的ですし、小林警部補パートはちょっとした仕掛けを施したものがありなかなか面白いです。
    ベストは【冬物語】。良く出来た倒叙ものです。

  • 葉村晶の話と小林警部補の話が交互に載った短編集。小林警部補の話も面白いのだけど、葉村ものはやっぱりスパイスが効いていて一味違う。

    葉村のデビュー作のようで最初の2話ではまだ探偵になっていない。姉のスズとの確執の決定的な事件も記されている。

  • 314

  • 彼女の作品は、短編でも文章の濃密さが魅力。一つ一つの言葉から見える、感じるストーリーの深さ。が、読み終わった後に必ず充実感を与えてくれる。

全143件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

若竹七海の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×