- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122066878
作品紹介・あらすじ
ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。〝愛人〟への送金、墓問題、介護の重圧……がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!? 婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。『嫁をやめる日』を改題。〈解説・角田龍平〉
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
夫が急死した。これで自由な毎日がやってくる。好きな長崎の街で、好きな自宅で暮らすことが出来る未来を思い浮かべるが、、、
葬儀が終わると、舅姑が仏壇の話をもつてくる。合鍵を使い、まるで自宅のように姑の友達を呼んでいる。当たり前のように家に入り込んでいる姑。
自宅には、線香をあげたいと、全く知らない人間が押し寄せる。中には詐欺まがいの人間までもが。。。
都合よく嫁を使おうとする親族たち。
自由とはほど遠い生活が待っていた。
しかし意外な人間が彼女を救うために立ち上がる(笑)
この本には、結婚後の女の理不尽さ等、共感できる部分が随所に散りばめられていた。
全然自分とは違う状況だが、この場面はわかる!という描写がいくつも。
性格的にも、私はこの主人公にそっくりな気がした。何でも頼まれるとやってあげたくなるお人好し。そこにどっぷりと甘える周りの人間。
自分が相手を傷つけないように、しっかり話さないことには、相手にいいように利用されてしまう。全く自分のことじゃないかと(^_^;)
読んでいて色々反省する部分も多かった。
愛人の真相がわからず終いなのが、何となくモヤモヤしたが、ありそう、ありそうって読んでいると、あっという間に読み終わってしまった。
垣谷先生らしく、ほわっとした気持ちで本を閉じることができた(*^^*) -
-
ポプラさんこんにちは♪
この本、私も数年前ですが読みました。
ーー夫の家族が合鍵?自分の家に夫の家族がずかずかと。苛つきながら読んだのを覚え...ポプラさんこんにちは♪
この本、私も数年前ですが読みました。
ーー夫の家族が合鍵?自分の家に夫の家族がずかずかと。苛つきながら読んだのを覚えています。
倒産続きの彼女、あれは半分を過ぎると複雑で判らなかった事柄が解明されていきます。それには、痛みもいくつか伴います。
玉子の人生、過去は大変なものでした。最後は玉子の心情に寄り添ってしまいます。
なので★4つとなりました。
元彼の―と倒産続き、順番に読まずとも楽しめるかと思います!
―ーポプラさん、来年も
よろしくお願い致します2021/12/27 -
ゆうママさん、こんばんは。
気の合わない夫と結婚してしまった女性の不条理が切実でした。
新川帆立さんの元カレ、倒産、女性が感情移入できる...ゆうママさん、こんばんは。
気の合わない夫と結婚してしまった女性の不条理が切実でした。
新川帆立さんの元カレ、倒産、女性が感情移入できるような内容でしょうか?
人気すぎでなかなか順番が回ってきません。
ゆっくり待ちますね。
それでは、また来年もよろしくお願いします。2021/12/27
-
-
嫁ぎ先で突然夫を亡くした主人公・夏葉子が舅姑の思惑から自由になるいきさつが描かれた作品。夏夏子の父親の活躍が面白く、カッコいい!と思った。
-
姻族関係終了届
思わず、呟いちゃった。
今、旦那が死んだら私も出すなぁ
って、声に出しては言えないけど
夫が出張って言って
実は行ってなくてホテルで死んでたら
浮気を疑うしかないよなぁ
都合のいい嫁にはなりたくない!
父親、すごく頼りになるなぁ。
普段は、そんなに話すこともないけど
いざと言う時、頼りになる。
父親が娘の事をすごく思っていてくれるのが泣ける。 -
単に夫が嫌いなのかと思ったら、残された嫁や周りの人達にはいろいろあるって気付かさせる。垣谷美雨さんは、読みやすくて知らない現実を教えてくれるので、お気に入りです。
-
読んでて痛々しさを感じた。自分には舅姑はいないから、本当の意味では分かっていないのだろうけど。
「夫の急死=自分の自由」ではなかった。死後自分の知らなかった夫の姿があらわになり、本当の意味で自由になるために奔走する夏葉子。姻族関係終了届を出してもご縁があった人だから。
嫌いにならないうちに距離を置くという考え方は嫌いではない。何より、敬遠していた実家の父が活躍していたのはよかった。 -
垣谷さんの共感できる人間描写にはいつも引き込まれていき、片づけます系の本のように軽くポップに読み進めていくことが出来る。
ただ、今回の本では本質を突く、学びもあった。
未亡人となり姑舅を始めとした旦那側の親戚に便利扱いされ、未来の介護の想い悩み息苦しさを感じている娘を救うために登場する父親だ。
自分の娘に、お前は潰されても良い人間だと思われている。そんなのは許せないと。怒りを露わにしながらも、娘には絶対に相手を批判してはダメだと説く。
相手は批判せず、自分の感情を訴える。相手のテリトリーには入らずに、自分だけの世界の中で話す。
これはコミュニケーションを行う上で最も必要なスキルだと思う。 -
妻ではなく、夫に先立たれた“嫁”の苦悩をつづった小説。
リアルだからこそ、イライラしてしまうかも?!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夫が脳溢血で、突然この世を去った。
46歳の若さだった。
でも妻・夏葉子(かよこ)には何の感情も湧いてこない。
仕事人間の夫は、家にいることなどほとんどなかった。
独身の身となったはずの夏葉子だったが、夫の両親やその周囲からは“嫁”としての役割をじわじわと強要されはじめる…
そして現れる夫の同級生だったという謎のオンナ。
亡き夫への疑惑も高まっていき…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
嫁としてのグチだらけなのに、文章が自然で読みやすく、サラッと読み終えられました。
ただ、読むタイミングによっては、ストレス倍増の小説でもあるので、心に少し余裕がある時に読むことをオススメします。
どの立場で読むかによって、登場人物それぞれの印象が変わる小説でしたが、正直なところ主人公の夏葉子も含め、登場人物ほとんどのことをあまり好きになれませんでした。
唯一「いいこと言うじゃん」と思えたのは後半にバリバリ登場した夏葉子の実父でした。
夏葉子自身は二人姉妹の姉であり、小さい頃から物わかりのいい人として見られてきた故、「なんでも言うことを聞いてくれる便利な人」というレッテルを貼られてしまっています。
そういう生き方をしていると、“嫁”としてもいいように使われてしまうのかな、と思うと、ぞっとしました。
というかそもそも、“嫁”という漢字があることが、恐ろしいですね。
嫁として悩んでいる方にはヒントが得られ、嫁の気持ちがわからないと嘆く方には、嫁の気持ちがわかる小説ですので、お互いに悩みすぎる前に一例としてサラッと読まれてみるとよいかもしれません。 -
40代なかばで夫に急死された夏葉子。仕事人間だった夫とはまともな夫婦関係を築けていなかったため、亡くなっても悲しいというより自由になった、という感想をいだく。しかし現実は真逆。姑や親戚からの「嫁として夫の親族の世話をしてね。」という圧力がリアルで怖いっ!
夏葉子の感じる閉塞感にこちらまで息が詰まりそうで、一気読みしました。
お父さん、グッジョブ!
「姻族関係終了届」覚えました。