ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

  • NHK出版
3.85
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140056035

感想・レビュー・書評

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  • ほとんど終わりまで来て、途中3年ほど積読したけど、先日やっと読み終わりました。ラストに近付くほどに悲し過ぎてつらかったのです。昔から夢の国だったりはたまた色々と問題を孕んでいたりしたけれど、口に出したり主張しないと伝わらない事がたくさんだけど、あの日から何か少し変わった、アメリカの想いを知れます。

  • 一編の長編だが、短編小説を読んでいるような気になる小説。
    わざと行間を詰めていったり、何枚もの写真を逆回しで載せたりと、装幀がかなり凝っているので、そんな仕掛けも楽しめる一冊。

  • 9.11に購入し、久しぶりに原文で読了。装丁が綺麗だった。映画も観たい。

  • レビュアーの多くがこの物語を9.11について特化して語るのは当然だとしても、私はもっとシンプルに、きわめてオーソドックスに“エディプスコンプレックス”について書かれたものだと感じた。
    だからオスカーについても「ちょっと変わった」なんて思わなかった。
    逆に、少し斜めから物を言ったり、覚えたてのちょっと小難しい単語を日常会話で差し挟んだり、徹底的に“自分理論”にこだわったり、自分の周りの大人の頭の上を越えて雲の上の“すごい人”にあこがれたり…といったことなどを、自分にもあったなあと思い返して、たぶんフォア氏にも同じようにあったんだろなと、読みながら笑みがこぼれた。
    とは言っても、オスカーは誰もが共通する少年像で描かれてるのではない。父をテロで急に失うという体験は、もちろん私も含めて大多数の男子が経験する(した)ものではない。

    オスカーはたぶん、前日に父親からベッドで語られた「第六行政区」の話を、話半分に聞いていたと思う。
    なんで?そんなありえない話を?いま自分にしようとするの?
    ?は頭のなかでいっぱい、でもあえて聞き返す気も起らない。そもそも、自分はパパが思う以上に知識や思考が上回っていて、ぼくなら、もっともっと面白い話を知ってるし、もっともっと役に立つ発明もできるし、The Beatlesで一番好きな歌は“Iam the walrus”て言えるトンガった感性を持ってる…っていうプライドが、その時は支配してたんだと思う。

    だけど実は、それはみんな、パパの存在が当たり前にあったから、できたこと。
    突然の喪失-パパが急にいなくなってからは、自分のよりどころだったものが全く無くなってしまったことに気付いた。
    そこから、自分と相対し、乗り越えるべき最も身近なものを断たれたオスカーが、「パパがほんとうに言いたかったこと」とか「パパはぼくにどんな大人になってほしかったのか」とか、いろんなものを探し求めるための“精神的成長へのロードムービー”がはじまった…

    でもこの物語は、少年の追い求めの旅だけじゃない。おじいさん、おばあさん、ママ、それぞれの大人も、それぞれの喪失を抱え、失われたものはもう元にもどらないのは大人は重々にわかっていて苦しみもがくけど、それでもその喪失を抱えて生き続ける姿も描かれる。
    それぞれ事情はEXTREMELY複雑で、乗り越えるのはINCREDIBLY困難だけど、それでもそれぞれの人物が人生の歩を進めようとする姿が、オスカーがコンプレックスを自分なりに見つめ、とらえ、理解しようとする姿と一体となって最後に向けて収束していくところはここちよく読めた。この本は分厚くて、話が交錯していて読みづらい所もあるけど、ぜひ最後までがんばって読み進めてほしい。

    テロや戦争、または天災による大切なものの喪失というテーマももちろん重要だが、世界に数多く存在するだろう、父親との距離感に何か説明困難なもの抱いている少年のうち何人かは、こういう読み方もするのかなと思って、あえてレビューに書いてみた。

  • ありえないほど読みにくかった。
    少し時間がかかったけど関心が尽きることなく読了。
    挿絵や文章の書き方がデザインされていて視覚でも感じることができる構造が面白い。

  • 言葉遊び、文のレイアウトが凝っている。英語で読んだらもっといいんだろうなー。日本でいう震災前後はアメリカだと911前後なんだろう。

  • --------------


    一度のこの本の映画化の解説を見て、それから興味を持っていた。
    映画を観たい観たいと考えていたのだが、そのチャンスよりも先に本屋で出会う機会に恵まれた。
    こういう類の直感、というのは間違いのない場合が多い。そして事実、読んでよかったと思える物語だった。本当に。
    この本はなんとも美しい愛の物語だ。


    仕掛けがいろいろとされている。
    写真が挿入されているのもあるが、クノーの著書のように文章にも様々な仕掛けがされていた。
    仕掛けものって結構こちらの集中力を削いだりするので、うざったく思えることが多々あるが、この本ではほとんど邪魔をしなかった。
    それどころか、本の世界観にとてもうまく誘導してくれたと思う。
    この種の演出技法はだいたい私は苦手なはずなのだが、意外にもすんなりと受け入れられた。
    全体的な世界観の作り込みが非常にうまいのだと思う。


    物語の軸は二つ。
    9.11で父親を失った少年の現在と、その祖母・祖父のドレスデン爆撃にまつわる過去。
    これは喪失がありきの物語なのだ
    失った存在に対する少年の繊細な心理模様と悲恋から逃れられぬ大人達の歪み。
    いや、どちらにも愛はまつわる。ただ種類の違う愛なのだ。
    この愛の描き方が感覚的なものなのだが、感情に深くしみこむ表現がされておりそして美しい。
    当人達がかたり進む物語ではこの人の描き方は秀逸だと思った。自然体であり、ユーモアも時に忘れないのだ。
    悲恋物を書かせたらすごい、とたしか解説に書いてあったが、うなずける。でも、けして悲恋物ではないけども。


    ラストは読んでいて泣いてしまいそうになった。
    オスカーの告白は非常に悲しみに満ちているが、でも揺るぎのない愛に満たされているからこそのものなのだろう。間借り人の心を捉える過去と手紙も、すべて愛にまつわる悲しみなのだ。
    人とはそこまで強い生き者ではないないのだ。必ず弱さがある。だから、私はけしてこの物語は悲しみから立ち上がると言った類の再生を結論としたのではないと思う。
    ただ深い愛を、それが揺るぎないと言うこと、そしてオスカーの中ですとんと、その置き場が決まった、ということなのだろう。
    パパはかれの永遠の存在であり、それでいいのだ。



    読み終わった後に映画も観たのだが、ずいぶん交通整備がされていてちょっと拍子抜けした。
    でもあの本を2時間にまとめるのはそれも必要なのだろう。
    私は原作の方が素晴らしい、と思った。
    けして弱さを克服するのでも、立ち上がるのでもない。
    ただ、大きな愛がそこにあるのだ。けして忘れなくていい。
    素晴らしい物語だった。

  • かなり文学的な感じ。視覚的な工夫がしてあり、写真も込みで1つの作品といった感じ。
    大人の恋愛小説とも言えるかも。

  • 終始、ワクワクしました。
    一人の少年が、9.11での深い悲しみから立ち直るまでの経緯を冒険的に描いたお話。
    ニューヨークという舞台が、ある意味すでに「冒険」ぽいですよね。

    読み終えて、もう一度タイトルの意味を考えると、とても感慨深いと思います。

  • 切ないラスト...。

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著者プロフィール

1977年、ワシントンDC生まれ。プリンストン大学在学中に作家のジョイス・キャロル・オーツに才能を認められ、2002年に『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』(ソニー・マガジンズ。電子版はNHK出版)で作家デビュー。全米ベストセラーとなった同書はガーディアン新人賞、全米ユダヤ図書賞など多くの賞を受賞、世界30カ国で刊行された。2005年に発表した長篇2作目『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(NHK出版)も各方面で絶賛され、ロサンゼルス・タイムズ、シカゴ・トリビューンなど各紙でベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーに選出。同書はハリウッドで映画化され、アカデミー賞にノミネートされた。2009年に食をテーマとしたノンフィクション『イーティング・アニマル』(東洋書林)を発表し、アメリカの食肉・水産業界に一石を投じる。本書『ヒア・アイ・アム』は11年ぶりに上梓された小説で長篇3作目にあたり、前2作と異なり自伝的要素を踏まえ、多視点で登場人物たちの心情をリアルに描くという新機軸の構成が各メディアに絶賛された。ニューヨーク、ブルックリン在住。

「2019年 『ヒア・アイ・アム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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