稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884607

感想・レビュー・書評

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  • 補助金をもらったとたんにやりたいことをやりたい人がやるから、お金の消費のために何をやるかの考え方になる。
    意見を聞く前に自分で考え行動することが足りないと決断ができない。
    アメリカのまちづくりは自分の資産価値を上げたい不動産オーナーの集まり。
    地元にはぜひ一緒にと声をかけるが期待していない。あいさつに行くことが大切。
    売上ではなく利益に着目する。
    先にテナントを決めてからリノベーションを行う。
    投資回収は2~3年で行えるように。

    役所は公平性を重視するが、結局伝わっているのは一部の人たち。これなら民間で効率的に少数に声をかけたほうが良いと思った。

  • 紫波町のオガールについて
    ・まず図書館や学習塾など、その土地で人が集まる装置は何かを考える、そこにテナント(クリニックなど)が入る、という考え。今の町や村の中で、人が集まる場所といえばどこか?

    ・国際基準のバレーボール専用体育館について、何かの専用にすればいいというわけではない。企画者の人にバレーボールが得意な人がいた、バレーボールについて人脈があったから、できたこと。自分の得意なことを生かすと言うのはとても大事なこと。

  • まちづくりや地域再生のためのビジネスといっても、基本はビジネスの原則を外さないことが非常に大切ということがよく分かった。

    特に、特定のエリアを対象にビジネスを立ち上げていくことからどうしても規模が小さい事業が中心となるが、その際に明確なターゲット(顧客)を見きわめ、小さい事業スケールでも確実に利益(利益率)が見込めるスキームを作りこむことが大切である。

    コストをかけて規模を大きくするより、コスト削減で確実な剰余金を生みだすことに知恵を絞る必要があるということだろう。

    一方で、地域を対象にし、特に商店主などを相手にしていくことから、「まず相手に3回得をさせる」、「事前の挨拶周りを怠らない」といった実務上(?)の進め方なども本音で書かれており、とても有益な本であると感じた。

  • 行政に頼らない民間が稼ぐことで達成するまちづくりの実践書。リアルな体験が書かれていて面白い。また、紫波町のオガールプロジェクトについて、端的にどこが優れていたのかが理解できた。

  • kindle版を購入しましたが、こっちにレビュー書いちゃお。

    「本ってやっぱり素晴らしいなぁ!」と思いながら読みました。木下さんの経験、そこで得た知識、考え方、各地の地域活性の成功例が、799円でギュギュっとのぞけちゃうんだもの。

    お役所体質に関する話があって、今(2015/7/18)ホットな新国立競技場の話題にいつて「なるほど、お役所ってこういう感じで、だからこうなったのね」と、勝手にリンクさせて納得しています。

    個人的に、大企業にご勤務されている方には、あんまり関係ない本かなと思います。けど、それ以外の人、おじいちゃん、おばあちゃん、社長さん、Keep trying trying〜♪じゃなくて。それ以外の、色んな方にぜひ読んでみてほしいです。主婦の方でも、地元の商店街を見る目が変わると思いますよ〜!

  • 行政のことが書かれている訳ではなく、そのため、財政を切り詰めろという話ではない。
    失敗しなければ、成功(稼ぐまちになること)は無いという話。

  • 本書は、「従来のまちづくりの手法では、なぜ上手くいかないのか」といった疑問に対し、ストレートに答えてくれる。

    まちづくりは、「まず、不動産オーナーが本気にならなければ、地域はどうにもならない」と著者は言う。
    まちづくりを行っていく上で一番得をするのは、不動産オーナー。このことは、著者自身がアメリカで掴んだことであり、我が国でも十分通用する考えだ。

    まちを一つの会社に見立て、「利益率」にとことんこだわる。行政のみならず、民間のかたたちが覚悟を持ち、本書に記載してある10の鉄則を実行していけば、まちは、再び輝きを取り戻し、「稼ぐまち」になっていく。

    「補助金は麻薬のようなもの。」
    本書に紹介のあった岩手県紫波町をはじめ、私も訪れたことのあるアーツ千代田3331などの事例を見ると、行政の役割は、「お金をつけてあげる」ことではない。
    やはり、まちづくりの主人公である民間の活動を側面支援することにこそ、行政の役割があるのだと感じた。

  • まあ地方振興界隈の闇は深そうだよなあ、とは思うけど、著者自体も妥当性の高い打ち手を打っているかというとそうでもないところもちらほら見える気がするのだが…

  • 或いは…「開催すること“自体”」が「“目的”なのか?」というように見えなくもないイベントの話しを多々耳にし、「公的資金“ありき”」というような開発の話しを多く聞く中、こうした「思い立った人(達)が、出来るように、出来る範囲で物事に向き合って、何処かの支援をアテにせず、出来る範囲で進めて行き、満足、成果が得られるという状況」を「目指そう!」と正面から論じる本書は、何か清々しいものさえ感じた。そして、これは「もっと多くの人が触れるべき考え方である」と強く思ったところだ。

    多くの人に強く薦めたい!!!

  • まちづくりについて、過去から現在にいたるまで商店街の活性化に携わった著者の経験をもとに、まちの活性化に必要なものを提言した1冊。
    これまでの常識とは違う主張に、新鮮であり、実践的な内容です。
    このような考え方が広がれば、人口減少時代にあっても、明確なビジョンを描くことができると思います。
    何度も読み返したい内容です。


    ・「金がないから知恵が出る。金が出たら知恵が引っ込む」
     補助金は麻薬のようなもの。
     まちづくりは、最終的に利益を生まなければ意味がない。まち全体の利益。
    ・①全員の意見を聞くのではなく、自分で考えろということ
     ②甘い夢を掲げて仲間集めをしてはいけない
    ・アメリカの地域再生に取り組む人たちから学んだ最大のことは、まちづくりは官主導ではなく、民間主導、特に不動産オーナーを基本に据えて考えること。不動産オーナーと話をすると、誰もが積極的に投資をしている。それは、自分の資産価値を高めるため
    ・公共投資は直接的なもうけを目指していないため、成果の検証は曖昧になる
    ・縮小する社会環境でどう稼ぐか。すべての産業を横断して地域の限られた資源を活用し、稼ぎを生み出し、利益を残し、その利益をさらなる事業に再投資し続けるしかない
     まちを一つとして考える。商業・農業・水産業の区別、官民の区別もない
    ・地域で目立つ事業をやるほど、地元から反発を食らう可能性が高まる。まちづくり業界であ、新しいことは常に非難される
    ・うまくいっていない取り組みでは、「誰が得をする話なのか」という部分が明確ではない。まちをよくするためには、まずは誰と何を変えていくのかを意識する必要


    <この本から得られた気づきとアクション>
    ・行政が行う、良かれと思ったことが逆に足枷になってしまうことが良く分かった
    ・少しでも実践できるように、この考えを浸透できるようにするためには、何をすべきか、それぞれの立場で考えなければならない。まずは何から始めるべきか?

    <目次>
    はじめに
    序章  学生社長、ハゲる
    第一章 まちから「利益」を生み出そう!
    第二章 まちづくりを成功させる「10の鉄則」
    第三章 自立した「民」がまちを変える
    おわりに
    【付録】まちを変える10の覚悟

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著者プロフィール

木下斉
1982年生まれ。高校在学時からまちづくり事業に取り組み、00年に全国商店街による共同出資会社を設立、同年「IT革命」で新語流行語大賞を受賞。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。08年に設立した熊本城東マネジメント株式会社をはじめ全国各地のまちづくり会社役員を兼務し、09年には全国各地の事業型まちづくり組織の連携と政策提言を行うために一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。15年から都市経営プロフェッショナルスクールを東北芸術工科大学、公民連携事業機構等と設立し、既に350名を超える卒業生を輩出。20年には北海道の新時代に向けた「えぞ財団」を仲間と共に発足している。また内閣府地域活性化伝道師等の政府アドバイザーも務める。著書『稼ぐまちが地方を変える』『凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』等多数。

「2021年 『まちづくり幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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