女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫 129-1)

  • 早川書房
3.58
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本棚登録 : 1011
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150766016

感想・レビュー・書評

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  • 結末が特徴的でタイトルに納得。

  • これ以上の名タイトルは 他に「ライ麦畑でつかまえて」しかありません。

  • いきなりパートナーが病気を苦に自殺から物語が始まります。自殺したパートナーの状況が妙に生々しかったです。
    全体的な内容は、パートナーの後を継いで事件を解決していくって話ですが、22歳の女性とは思えぬぐらいに冷静沈着に事件を解決していきます。その落ち着きようがかっこよかったです。

  •  「死の味」に続いてP・D・ジェイムスの2冊目を読んでみた。こちらはダルグリッシュはほとんど登場せず、主人公は女性探偵コーデリア。タイトルからしていわゆる3F小説のはしりとみえるがさて。著名科学者の息子の自殺事件の真相解明を依頼され、探偵としては駆け出しのコーデリアが頼りなさを残しつつも懸命に走り回る。3Fというとたくましい自立した女性像が浮かんでしまうが、結局は事件に一応の結末はつけるものの、コーデリアにはそんな片鱗はみられない。それどころか、最後に登場したダルグリッシュにいともたやすく隠れた真相を見つけられる始末。お嬢さん、よく頑張ったけどそれはこういうことだね、と年長の男性が諭すというイメージ。これはミルホーンやウォーショースキーからしたら噴飯ものだろう。あと、前作もそうだったがイギリス古典ものらしく硬質で修飾過多の文章がちと読みづらい。訳文の問題というより、こういう作風なのだろう。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/662226

  • 2.9

  • 1972年、イギリスの女性作家による作品であることを知ってから読むとより面白いかも。重厚な表現と作品当時の時代感が楽しかった。

  • イギリスの作家「P・D・ジェイムズ」の長篇ミステリ作品『女には向かない職業(原題:An Unsuitable Job for a Woman)』を読みました。

    「オリヴァー・ハリス」、「ジム・ケリー」に続き、イギリスのミステリ作品です。

    -----story-------------
    探偵稼業は女には向かない。
    ましてや、22歳の世間知らずの娘には―誰もが言ったけれど、「コーデリア」の決意はかたかった。
    自殺した共同経営者の不幸だった魂のために、一人で探偵事務所を続けるのだ。
    最初の依頼は、突然大学を中退しみずから命を断った青年の自殺の理由を調べてほしいというものだった。
    「コーデリア」はさっそく調査にかかったが、やがて自殺の状況に不審な事実が浮かび上がってきた…可憐な女探偵「コーデリア・グレイ」登場。
    イギリス女流本格派の第一人者が、ケンブリッジ郊外の田舎町を舞台に新米探偵のひたむきな活躍を描く。
    -----------------------

    1972年(昭和47年)に発表された作品で、女私立探偵「コーデリア・グレイ」シリーズの第1作目にあたる作品です、、、

    「コーデリア」と探偵事務所を共同経営していた「バーニイ・プライド」は、元スコットランド・ヤード犯罪捜査部の「アダム・ダルグリッシュ警視」の部下だったことや、本作品の終盤に「アダム・ダルグリッシュ警視」が登場することから、「アダム・ダルグリッシュ警視」シリーズのひとつ(番外編)とも言える作品ですね。


    「コーデリア・グレイ」、22歳… 秘書として雇われた探偵事務所で所長の「バーニイ・プライド」の共同経営者となった矢先、「バーニイ」が癌を苦に自殺、、、

    一人残された「コーデリア」は、誰からも「探偵は女には向かない」と言われながらも、故人の遺志を継ぎ、探偵の仕事を続けることを決意する… そんな彼女に舞い込んだのは、突然大学を辞め、自ら命を断った息子「マーク」の自殺の理由を調べてほしいという「ロナルド・カレンダー卿」からの依頼だった。

    ケンブリッジに赴いた「コーデリア」は、「マーク」が自殺した現場を詳細に調べるうちに不自然さに気付き、他殺の疑いをもつ… ケンブリッジ大学在学中の友人への聞き込み等から、「マーク」の出生等に疑問を持ち、「ロナルド・カレンダー卿」や妻の「エヴリン」、「エヴリン」の乳母「ゴダード夫人」等の過去を調査する、、、

    そして、幾つもの不可解な事実を突き止めるが、自身も何者かに古井戸に突き落とされる等、命の危険に晒されながら事件の渦中に巻き込まれてゆく… 他殺だったんじゃないかというのは中盤あたりで判るのですが、なぜ、誰が、どのように犯行に及んだのかについてが、なかなか判然とせず、「コーデリア」に感情移入して、一緒に推理を進める感じでしたね、、、

    まさか、犯人が自殺に偽装した遺体を、別な人物がさらに偽装していたとは… そして、「マーク」の実母が犯人を殺害し、それを警察から隠そうとする流れですからね、なかなか予想できない展開でしたね。

    でも、「アダム・ダルグリッシュ警視」は全てを知っていた… というオチ、、、

    序盤はちょっともどかしい感じがありましたが、中盤以降は愉しめました… 探偵としては未熟な「コーデリア」が、健気にひたむきに探偵業に取り組む姿に共感できました。


    以下、主な登場人物です。

    「コーデリア・グレイ」
     女私立探偵

    「バーニイ・プライド」
     探偵事務所の所長

    「ロナルド・カレンダー卿」
     科学者

    「マーク」
     ロナルドの息子

    「エヴリン」
     ロナルドの妻

    「ジョージ・ボトレイ」
     エヴリンの父

    「ゴダード夫人」
     エヴリンの乳母

    「エリザベス・レミング」
     ロナルドの秘書

    「クリス・ルン」
     ロナルドの研究助手

    「ビューゴー・ティリング」
     マークの友人

    「ソフィア・ティリング」
     マークの友人

    「イザベル・ド・ラステリ」
     マークの友人

    「デイビィ・スティーヴンス」
     マークの友人

    「マークランド少佐」
     退役軍人

    「ミス・マークランド」
     マークランドの妹

    「グラドウィン」
     医師

    「マスケル」
     部長刑事

    「アダム・ダルグリッシュ」
     犯罪捜査本部の警視

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/154758

    22歳のコーデリアは、共同経営者が自殺した後も1人で探偵事務所を続けることに。
    最初の依頼は、突然大学を中退し自殺した青年の調査。
    調べていくうちに不審な事実が浮かび上がり…。
    田舎町を舞台に可憐な新米探偵のひたむきな活躍を描く。

    ちなみに「名探偵コナン」の主要キャラクター”灰原哀”。
    彼女の名前の由来となった女探偵の1人がこのコーデリア・グレイである。
    (もう1人はV.I.ウォーショースキー)

  • 読み初めはなかなかページが進まなかったが、途中から徐々に引き込まれていった。昭和49年(1974年)の翻訳であるため、読みにくさは多少あるものの、逆にこの淡々とした冷静な筆致が心地よくなってくる。

    主人公は探偵として経験も資格もない22歳の女性コーデリア・グレイ。癌を苦に自殺したパートナーのバーニイ・プライドから探偵事務所を引き継ぎ、その最初の依頼がある科学者の息子の自殺の原因を調べて欲しいという調査。そこからコーデリアによる素人なりの一直線の捜査が進むにつれて様々な人と繋がっていき、いつのまにか本人も狙われ巻き込まれていく。そこが面白い。

    コーデリアはパートナーだったバーニイが尊敬していたダルグリッシュ警視の捜査法を伝え聞いたままに用いていくが、その実直な捜査の過程が面白い。そしてラストも秀逸。ポケミスにて読了。

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