- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152091093
感想・レビュー・書評
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こちらはサブタイトルの通り、日本でいうならば介護付き有料老人ホーム(認知症患者用)の医者である著者が、そこで飼われている猫が入所者が末期になると側を離れない、というケースを「ほんとかよ」といぶかりつつ、看護師や遺族にインタビューしたものをまとめたものです。
猫目当てだったのですが、猫写真は口絵4ページくらいでうちどめでした…
びっくりしたのは最初、かの有名な医学雑誌"New England Journal of Medicine"の記事として載り、(うちの職場にもある!)評判になって新聞に載り、全米に知られるようになったとか。
年代としては5年くらい前のことなのですが、あちらの国でも親の介護のため仕事を辞めざるを得なかった女性や、医師からホスピスケアを受けられる条件を教えてもらえなかったために、長年の遠距離介護で疲弊している様子などが垣間見え、国の制度の違いはあるものの、噴出する問題の根本は変わらないのだな、とため息。
祖母が認知症になったときは、「まだご飯を食べてない」と言ってもりもり食べ過ぎるのを聞いていましたが、後期になると逆に食べなくなる、というのも知らなかったので勉強になりました。
カバーデザイン / 阿部 朋子(tomomodesign,inc.)
原題 / "MAKING ROUNDS WITH OSCAR"(2010)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
認知症終末期患者の住まう医療機関ナーシングホームに住む猫、オスカーの話。患者の死が近づくと、オスカーは黙って患者の傍で座り続けるという。猫の不思議さもあるけど、認知症について知ることができる。ノンフィクションね。
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にゃんこ惚れ衝動予約本。さくっと読めます。
「エッセイ」のカテゴリーと悩むところだが、やっぱり介護医療(特に痴呆症)についていろいろ書かれている本という印象が強く残ったので、「医療」に入れとくことにする。
自分の食い扶持分のお仕事はちゃんとこなすよ、といわんばかりの健気な?にゃんこのお話を中心にアメリカでの介護医療現場のようすがよくかわります。
こういう話を目にする時のアメリカ人は素晴らしかったりするよねぇ~。
そして、いずこも同じか・・・、と。
オスカーのお仕事ぶりも、いっぱしの牧師さんや神父さんでもそうは毎度毎度うまくいかないだろう?という類のお仕事を鮮やかにきっちりこなすのである。ほんとにかわいいったらありゃしない。 -
不思議な猫の話というよりは、猫オスカーの行動を通じて認知症の家族とのかかわりかたと看取りについて考えさせられる本です。