笑い三年、泣き三月。

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163808505

感想・レビュー・書評

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  • 戦災孤児の武雄、旅芸人の善造、復員兵の光秀、ダンサーのふう子…戦後復興していく浅草で、赤の他人の四人が出会い、奇妙な同居生活を経て、またそれぞれの人生を生きていくまでの物語。

    猥雑でデタラメで貪欲でエネルギーに満ちた空気の中で、『生きのびる』ということは何よりも優先で当たり前。
    そんな中でも、暖かさや優しさを頑として持とうとする善造とふう子の姿に、ほんのり温められる。

  • いろいろな人の人生が厳しいけど優しく書かれていて元気が出た。戦後の大変な時期に思いやりながらそれぞれの道を見つけるのがとてもよかった。

  • 2015.10 やはり井上ひさしは天才だな、とあらためて思う。この本もそれなりだけれど。

  • とても良い映画を観たような満足感を得られました。戦後の殺伐とした風景と個性豊かな登場人物たち。見事な演技で笑いあり泣きあり!

  • この小説の主役はだれか?坊ちゃん?善造?光秀?う〜ん決められない。なぜってこの三人が、からみあって、いい味出しているから。それぞれが時代に一生懸命取り組んでいるから。

  • 戦後の浅草での物語。

    それぞれに一生懸命に生きている人達の人間模様、主人公の人の良さ、最後は少し泣いてしまった。

  • 戦後の浅草で、赤の他人が寄り合い生きていくお話。
    決して明るい話ではないのに、すごく心が暖まりました。こういう生きることに一生懸命な話、やっぱりいいです!

  • 戦後の激動の日本。
    浅草で生きる、寄り集まりの家族。

    成功とか失敗とか関係なく
    生きることにしがみついて。
    利用しようとしたり、利用されたり。
    いつのまにか、そんな関係が大切になる。
    居心地の良さと、向かうべきところ。

    家族だの絆だのよびあう前に、
    心の中に誰かの存在をとどめて、前に向かう必要とその勇気。
    きちんと向き合って暮らし、生きてこその人間関係が描かれています。

    決してスピーディに読めないし、
    描写の妙を感じる構成でもありません。
    奇をてらった演出もありません。
    それがとても内容に合っている、どちらかというと無骨小説です。

  • ストーリーや登場人物には、ほっこりさせられて、一気に最後まで読み切ってしまった。
    一人称がくるくると変わり、視点が変わるテンポの良さは舞台が戦後の浅草に相応しい筆致と思われるのだが、生々しい戦地の描写や戦後の混乱に満ちた街の様子は、舞台かテレビのセットを見ているような感じがしてしまった。私が戦争も戦後の混乱も知らない世代だからなのか、単に想像力不足なのか…

  • 好きだな〜

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著者プロフィール

1967年生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。他の小説作品に『浮世女房洒落日記』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』、エッセイに『みちくさ道中』などがある。

「2019年 『光炎の人 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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