検察側の罪人

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163824505

感想・レビュー・書評

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  • 最上も沖野も、それぞれの正義を貫いた。
    けど、中盤以降熱くなってくる展開とは裏腹に、その正義の果ては何だかあっけなく淋しい。
    松倉は死刑に処されることはなくなったけど、あんな感じで世に放たれてしまうし、なんだかなぁという。

  • 映画を見て、なんとなくもやもや、内容結論がわからなかったので、原作を読んでみた。映画と違う結末だった。原作の内容には納得感あり。一気に読める面白さだった。なぜ映画が原作と違う結末になったのかよくわからない。原作通りなら納得できたものをなぜ?役者イメージありきのせいか。
    正義を貫くことへの疑問や辛さが伝わってきて、原作は良い作品と思った。

  • 起訴に至るまでの検察と冤罪を主張する犯人との攻防。

    時効を迎えた23年前の女子中学生殺人事件で重要参考人として浮上した松倉が、再び老夫婦殺害事件の捜査線上に。

    女子中学生と親しかった検事の最上は、捜査本部で松倉と対面した瞬間、事件の歯車は思わぬ方向へと転がりだす。

    法律にのっとって人が人を裁くとき、何が起こりうるのか?

    冤罪事件の背景にせまる。


    完璧でない人間が、人の罪を裁くとき、いろんな化学反応が起こる一例で、考えさせられる作品でした。

    久しぶりに雫井ミステリー感服しました。

  • 映画になるだけはあるかも。

    内容はタイトルから察しろ!って感じですが、
    若手とベテラン検察官がある事件を巡って対決するお話。

    始めはマッタリしてましたが、
    上司のムチャブリに対する葛藤のあたりから
    緊迫感が高まり、真犯人が解明され、
    復讐というか、私刑のあたりからは
    もうノンストップで読まされました。

    後半のギリギリとした緊張感は、
    さすがに映画化するだけのことはあるなと。

    実質4.5ですがオマケで満点です。

    かなり面白いと思いますよ。
    オススメです。

  • 最後まで、沖野の心の着地点が想像出来なかった。沖野の途中の苛烈な取り調べでは胸が痛んだが、ストーリーの波が一方向だけでない所が先を予感させずミステリとして深かった。最上の松倉に対する執念は共感できなかったが、法や権力を持つ人が一歩間違うと…というありそうな現実が描かれていて緊張感があった。冤罪って本当に怖い。

  • 正義ってなんでしょうね。どうしたって殺人はしたくないものです。

  • 映画の予告が面白そうだったので読んだ。
    まず長い、途中でうへぇとなるぐらい長く感じる。たぶんテンポが悪いからか、取り調べとか細々した調査が多いからかな。殺人を犯してまで、松倉を犯人に仕立てあげる、ストーリとしてはありだけど、そこまで憎いなら20年以上もまったく手をつけてないのなぜ急にそんなエネルギーを出しちゃうのか。あと切れ者検事が自分の殺人の証拠を残しすぎ。映画を見た人に聞くと、途中からストーリーがだいぶ違うようだ。

  • 映画を観たあとに購入。若干ストーリーが違いますが、大筋は一緒です。キムタクの最上検事が映画では救われない感じでしたが、小説では心は救われたかな。正義とは何か考えさせられます。

  • 正義、、検察官だからこその正義。

    読破後、重く深く思わずため息が出てしまった。

    今までにないシチュエーションと動機。

    どこにも漏れがなくきっちり書いている気がした。

    うまい!

    と読み終えた後、思わずうなってしまうような話だった。

  • 冤罪の罪深さ、正義って?
    罪を犯した者が逃げ通せる世の中は間違いだ!
    罪は罪を作る
    復讐は復讐の連鎖がある

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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