武道館

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902470

感想・レビュー・書評

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  • 途中で脱落。。。

    朝井リョウ初読み。ずっと読んでみたかった作家さんちょっと違う作品にチャレンジします。

    アイドルが武道館を目指すお話しなんでこんなに読めなかったんだろう。。。

  • 矢吹美久と牧野はるなにピンとくるくらいに色んなアイドルが好きだけど、「んんん〜」という内容だった。

    アイドル目線とファン目線は相容れないのかも。私はるりかみたいなアイドルが好きだし、アイドルとアーティストの違いってあると思う。

    "怒るということは、自分の中にある器の許容量や、形をさらけだすということだ。"この一文が好き。

  • 朝井さんは小説家としては若いこともあり、桐島のときから現代特有の身近な感性が表現されているから、いつも興味深い。
    今回のテーマは、アイドル。1から武道館を目指すアイドル。
    私自身は芸能関係の仕事に就きたいと思ったことはないけれど、なにせAKB全盛期世代。
    アイドルというものに大した関心がなかった同世代の周りの友達全員が、熱狂的にアイドルに引き込まれた世代。
    特別アイドルオタクではないのに、アイドルの曲を口ずさみ、毎日どこがで耳にして、カラオケに行ってはMVをみんなで鑑賞し、自分の推しを見つけて語った平成世代。
    対価としてお金を払っていないのに、いつも輝きと感動を享受していた。

    今はSNSの発達によって、一般人、有名人、芸能人の境がより曖昧になってきているし、取得したり拡散できる情報が溢れているから、すぐプライベートが明るみに出る。故により芸能人個人の人格や行動への統一性を要求しすぎるようになったと思う。

    表に出ていようが、アイドルだろうが、"一人の女の子なんだよ"っていうことが、ひしひしと伝わった。
    私がその子達と同じくらいの年だったとき、思春期だったとき、否定されても当たり前にしていた「自分で考えて正しいと思う行動をしたい」「恋をしたい」、何故アイドルであれば抑えられて当然だと言えてしまうんだろう。
    ただ本気でアイドルを好きな人たちに、「アイドルだって好きに生きたっていいじゃん」って外野の人間が言えることでもないんだ、という情報もまた得られてしまっているから難しい。

    色々と考えさせられたけど、舞台に立つ苦労と生み出される感動を、体感しているように感じられて今風に言う"エモい"だった。AKBの卒業ライブ、選抜、あの時感じたエモさを全開に感じたなぁ。
    特段どのアイドルのオタクもしたことがない一般人の私が、アイドルの方々、本当にありがとうって思う作品だった。

  • どんな人間もひとりの"人間"だ、
    自分で決めて、その選択を正しいものにするのは自分次第だ、
    ってのはもうすでに私の考えになってるからいいとして

    刺さったのは「自分がなにが好きかわからない」ってところだなぁ。
    たしかに、ノーリスクでお金使わずにいろいろやって、でもそこから得られるもの、自分のものになることってなにもない。

  • アイドルファンの自分にずしんとくる話。
    いつも笑顔でキラキラしてて、ファンに元気をくれる、わたしの人生にかけがえのない存在。
    そんなアイドルをつい神格化してしまいがちだけど、同じ人間なんだよなあと改めて感じた。
    愛子のファンに見せるキラキラしたアイドルの部分と、自分の中の人間らしい生々しい葛藤の対比が良い。

    読んでる時にどんどん愛子に感情移入していって、胸が苦しくなった。
    大地が登場するとホッとする。
    まだまだ子供で不安定な17歳。母親と連絡が取れなくなって、学校で親友と呼べる相手もいなくて、大地だけが心の支えだったんだろうな。
    アイドルじゃなく大地を選択した愛子の気持ちにも納得。

    それから碧が菅野さんを好きになったきっかけ、すごく素敵。
    相手には何気ない行動でも、自分は救われてその人が特別になることってあるよなぁ。

    ラストで1期生が揃ったのは本当によかった。
    色んなことがあったけど、みんな大人になってまた笑い合って歌うシーンは感動した。
    愛子と碧は脱退したし、初めての武道館はめちゃくちゃにはなっちゃったけど、個人的にはすごく好きな終わり方。読んでよかった。

  • デビューしたてのアイドルが、武道館ライブを目標に駆け上っていく成長ストーリー….かと思いきや、この本に描かれているのは、人生の選択に悩む女性の姿だった。
    「アイドル」のイメージを崩さないような生き方を選ぶのか、自分の気持ちに正直な生き方を選ぶのか。
    どちらも自分のやりたいこと。どちらが合ってるとか間違ってるとかじゃない。
    結局、選んだものが何であれ、「正しかった」と言えるようにするのは、自分自身だ。
    背筋が伸びる物語でした。

  • 朝井リョウ『武道館』読了。
    物語のキーパーソンである愛子の誕生日を《8月31日》にして、《毎年、弾けるほどのの喜びと、明日から始まる新学期へのうんざりした気持ちがないまぜになる。》と、現状の女性アイドル観を誕生日で表現してて痺れた。女性アイドルはエンドレスエイトを生きている……。

    NEXT YOUのトップオタは、サムライと呼ばれるオタなのだけれど、金髪で目立っている、っていう特徴が最高に良いなと思った。ドラマは六角さんが演じる如何にも『オタク』なハカセと呼ばれるオタだったから……。今時そんな分かりやすいオタクなんてそうそういないのではと思う……

    ドラマ版より100パーセントグッときたのだけれども、ドラマ版の優れている点はNEXT YOUをjuice=juiceさんが演じたところと、愛子の幼馴染の大地を吉沢亮さんが演じたことですよね……ええ。大地が吉沢亮だったらそりゃねえ…という説得力が半端ない…(笑)幼馴染力強すぎですわ、ええ。(笑)

    朝井リョウの地味にすごいところは、愛子のビジュアルを直接的に《かわいい》と評してないところにあると思う。それでも、『母親が美人』『素人出身だけど良いポジションで踊っている』『固定の太客がいる』そんなところから、愛子のビジュアルの良さが浮き出てくる。滲み出てくるアイドル像…。

    アイドルオタとしては面白く読ませてもらいました。

  • とてもリアル且つシリアスで感極まって涙が止まらなくなりそうな心にズシリと響く嘘偽りのないアイドル小説ですね。ファンはアイドルにあくまでも非人間的なパフォーマーとしての虚像を求めているのですね。自分だけのアイドルと心で思っても実は自分が独り占めしたら他のファンへの裏切りになるから不可能だと自覚していて永遠にこのままの状態が続く事を無意識に願っているのでしょう。ヒロイン愛子の問い掛けは読者の心にグサリと突き刺さるでしょう。彼女らもアイドルである前に一人の人間なのだから。二人を讃えたサムライは誠に偉い奴ですね。

  • アイドルという存在を一人の人間として深く考える
    物語として引き込まれるだけでなく、現代の社会のコミュニケーションや
    新しいソーシャルメディアの意味、不条理なども考察されており意義深い
    ラストの展開も非常に秀逸で感動的だった

  • 現代の女性アイドルを取り巻く環境について、鋭い視点で書かれている話だった。

    主人公の愛子は幼い頃、「テレビの中のあの子」に憧れている。

    アイドルになってからの愛子「私、どんなアイドルが好きだったっけ?」←ここの描写が印象的。
    これだけ読むと年頃の女の子が自分を見失っているだけだと思うかもしれないが、その理由は…。
    よく考えられているなと思う。



  • 面白かった ラストで未来の話になっちゃったのが少し消化不良だった(作中で提示された現代のアイドルについての様々な問題に主人公は何も答えを出さないまま引退結婚しちゃった印象 それが答えなのかもだけど)けど幼馴染の剣道少年がかっこいいので大地君に☆10個くらい付けたい アイドル残酷物語を期待すると(してた)そこまで不幸な目には合わないので物足りないかもだけど幼馴染との恋愛要素が楽しいので、別マ的な青春小説だと思って読むといいと思いました あと個人的にはドラマ(まだ見てない)で主人公役をやったかりんちゃんさんは明らかに「学校に友達もいない」側のアイドルなので、かりんちゃんさんのため(?)にも「学校で友達がいない」アイドルの子はどう生きればいいのかもう少し書いてあげてほしかった

  • 幼いころから歌うことと踊ることが大好きで、アイドルになった愛子。
    自分で選び取ってきた道ではあるけれど、本当のこと、本当ではないこととはなんなのか、ふと不安になる。

    CDを売るために握手券をつけること、それに対する批判の声、ちょっと容貌が衰えたり今までと違う分野に挑戦すると悪意をもって叩いてくる世間、恋愛をしたことが発覚したために丸坊主になるアイドル、ものを買わない「タダノリ」の人間があげる底の浅い大きな声、売れてほしいから応援するのに高価な品を持つことを否定するファンの二律背反する感情、そういうものごとへの違和感と、アイドルとして奮闘する日々が描かれていて、素直に面白かった。

    ネットで誰もが無料で安易に批評家になれる時代、こうやって自分が本の感想を書くように何についても批評してさらせる時代、よくわからない人間が「まとめ」を勝手に発表できる時代、ここ数年はじまって加速していく時代の空気を感じる。アイドルって大変。

  • 久しぶりの朝井リョウ。
    アイドルが武道館目指していく、サクセスストーリー的なものかと思ったけど、やっぱり朝井さん。そう一筋縄にはいきません。
    人生の中の、選択がテーマ。
    賛否両論あるとは思うけど、アイドルっていう看板だったりレッテルが一人歩きして、いつも笑顔で、恋愛はしなくてっていう虚像が定着してて。アイドルだって人間なのにと思う反面、応援してくれてるファンの夢を壊さないっていうのも求められてて。
    あんまりアイドルに興味はないけれど、彼ら彼女らも多分いろんな選択だったり守らなきゃいけないルールに雁字搦めになっているんだろうなー。
    先が気になってガツガツ読んでしまったのでもう一度一言一句噛み締めながらゆっくり読みたいかも。
    「桐島部活やめるってよ」以来、朝井さんの本は一人称を意識して読んでるんだけど、今回も主に愛子目線で話は進むけど、「私」は愛子じゃなかった。

  • アイドル(Idol)の語源は元々英語で崇拝の対象(偶像、イコンなど)を指し示す言葉だ。それを著者である朝井リョウさんはメタ要素として含めながらも、日本でのアイドルの"黒い部分"を感づかせないように、選び抜かれた言葉を使ってこの小説で書いている。

    自分は正直アイドルに疎いし、そこまで関心を持ってなかった。
    只、昔どうしても金銭で困ってた際にアイドルの警備員のバイトをやっていたとき、スーツを着ながら流し(ファンがアイドルと握手の際に時間を図って、ブースから流す作業)の最中に挙動がおかしく、こいつはヤバイと感じる40,50代のファンの手を、アイドルの方が表情を一切曇らせずに純粋な笑顔でしっかり、その手を包んでいいたのを見て、彼女たちは、ファンからしたら正に現代の"偶像"であるんだなと感じた。結局その後も自分はアイドルの関心を持つ事はなかったが、その代わりに以前と比べてアイドルという存在を無暗に軽視できなくなっていた。

    結局アイドルといっても、一人の少女なのである。友人関係に悩み、恋に悩み、体の成長に戸惑う。そんな日本にごく普通にいる少女の一人である。
    しかし、ファンはそんな事を望んでいない。なぜなら、ファンの脳内に存在する、彼女達は普通じゃない上にアイドルなのだから。結局自分がアイドルにはまれないというか、ファンになれないのは、彼女らはアイドルではなく、一人の少女と見てしまうからであろう。

    それでもアイドルの道を選ぶ普通の彼女らにスポットライトあてた「武道館」はまさにそういった魔法にかかったファンを溶かす呪文書なのかも知れないと自分は感じた。

    p300 引用

    「アイドルがアイドルたらしているものなんて、なんなのかわかんないっすよね」

  • 朝井さんって確かアイドル好きですよね私もアイドル大好きなので、この小説は楽しめました!アイドル目線で描いていて、いろいろとリアルに描かれています。アイドル達はアイドルである前に普通の高校生なんですよね。異性の幼馴染と仲良しだったのに、アイドルになった途端にそれが許されなくなる。アイドル好きの私の考えとしては、愛子と碧がしたことは許せないです。恋愛禁止もアイドルとしてのひとつの仕事です。恋愛がしたいならグループを辞めればいい。アイドルを選んだのも二人の選択なので。高校生には酷ですよね。

  • 先日、朝井リョウさんの「武道館」を読みました(ちょっと前にドラマ化されてたみたいですね)。

    いわゆる、芸能界小説というか、アイドル小説なんですが、アイドルの裏側を描いたショッキングな内容といった感じではなく、アイドルの娘たちを描いた、青春小説といった印象を受けました。

    そして、小説の中に出てくるアイドル・グループ「NEXT YOU」は、特定のアイドル・グループをモデルにしてるわけではないと思うんですが(でも、今のいろんなアイドルや、アイドル・グループの要素が入ってる感じ)、最初はももクロっぽいかなあと思ったりしたんですが、途中から、モーニング娘に近いかも、と思ったりしました。

  • 【正しい選択】なんて、この世にない。
    結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。
    独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。
    しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。
    「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」
    「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」
    恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……
    発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。
    それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。
    (アマゾンより引用)

    有名人ってホント大変だよね。
    揚げ足取られること多すぎで(´・ω・`)
    『アイドル』という生き物じゃなく、一個人として有名人を見てる人がどれほどいるんだろうって思う。
    まぁ、個人的には自分がイロイロ制約があることを承知してそれでもいいからって自分で決めて始めたことに不満なんか漏らすなよ、と言いたい(´д`)
    でも、やっぱそれを応援するファンの質ってのもアイドルに限らず問題があるところは多いと思うが(´・ω・`)

  • アイドルがアイドルとしての仕事をする中での日常。すごくうまいことを言っているように感じる一方でなぜか共感まではいかない、なんとももどかしい感情が残った。大きな山などはなく、あくまでも日常と、スキャンダルや炎上にさらされた時、当の本人はどんな気持ちでいるのか、を表現していたのは面白い。

  • 朝井さんの著作で好きなものはいくつかありますが、正直、作品の出来不出来の差が激しい作家さんかなと思っています。

    アイドル好きな朝井さんの書いた、アイドル小説。

    うーん、これは…かなりがっかりでした。


    内容以前に、今回の文章が苦手でした。
    以前より比喩がくどくて、とてもわかりづらかった。
    それに勿体ぶった表現がかなり多くなり、読んでいてすごく疲れました。

    但し最後の最後だけは読みやすかったので、全編このくらいの精度が欲しかったです。

    テーマには共感するところはありますが、ほぼ愛子視点だけで進めるのなら、この長さはいらなかったのでは。ラストも中途半端。
    冗長で途中だれました。

    新作が出たら必ず読む作家さんなので、次の作品は期待です。

  • 朝井リョウの小説
    今回はアイドルになった主人公が、プライベートとアイドルとしての自覚のはざまで揺れ動く。

    そこここに 「いま」をつかんでいて、
    さすが若い人たちの気持ちの表現はピカイチ。

    終わりが少し失速した感じだったが、まぁまぁ楽しめた1冊。

  • 主人公は愛子であってると思うが
    彼女は序盤に脱退する杏佳や
    他のメンバーのように何かを与えられたキャラクターが全くない普通の人である。

    『桐島、部活やめるってよ』でもそうだったが
    現代の主人公には何も個性がない人が主人公であることが多い。

    いじめられてもないし、貧乏でも、馬鹿でもないそういうキャラクターが確立していない
    自分のグラグラした不安定さに嫌気がさしている人が現代の主人公たり得ている。

    グループ名のNEXTYOU(次の君)は
    世の中の主人公的ポジションから
    バトンを渡された何者でもない君が
    君の物語の主人公なんだから
    そこから先は自分で書き始めればいいと。

    自分の立ち位置なんて気にし過ぎなくていいよと言われてる気がした。

  • 朝井リョウと加藤シゲアキと又吉直樹の対談番組を見た時に加藤シゲアキが武道館を読んだと話していて芸能界のお話ですごく良かったみたいなことを言っていたから興味が湧いて読んでみた。朝井リョウの作品は「桐島、部活やめるってよ」しか読んだことなかったけど、それよりさらに読みやすく、表現力もアップされていたように思う。
    タイトルどおり、武道館を目指して奮闘する10代のアイドルのお話なんだけど、握手会で殺傷事件とか、恋愛がバレて坊主にしたアイドルとか、まさにAKBのことを書いててリアルだなぁと。ただ歌うのか好き、ただ踊るのが好きなだけな愛子はファンのことやメンバーのことを考えた上で大好きな大地を取ったけど、今でもきっとアイドルは恋愛禁止で、るりかのように夢を売ってるんだよねぇ。恋愛禁止の何が悪い!不幸を見たいのか!というより、やっぱりアイドルファンは疑似恋愛を楽しんでるんだろうから、ファンが減るのは致し方ないだろうしなぁ、、、。だから、愛子がるりかに責められた時、ファンの夢に応えすぎちゃダメだよっていうところがあったけど、それはアイドルが言ってはいけないと思う。いや、恋愛するなってわけではなく、撮られたらダメだろ!と思う。
    結局恋愛をとって脱退するわけだけど、撮られる前に自分から脱退を選ぶべき。と思うのはアイドルに対して厳しすぎ?
    ただ、愛子と大地の関係が相当羨ましく、両親より大地といることを選んだ愛子は幸せだと思うから、歌って踊るより大地を選んだのもきっと正しかった選択だと思う。大地にメールしてね!っていうあの帰り道のシーン良かったなぁ。

  • 面白かった。さすかの描写力。
    「異物」、たしかにそうかもしれない。

  • 只ならぬアイドル愛を感じた。
    アイドルを人間とみなした愛。
    ラストはアイドル信奉愚者への痛烈な批判だろう。
    この人はアイドルの味方なのだな。
    かっこ良くてちょっとツマラナイ。

  • 面白かった!!!!!!!
    一気読み。

    大地君が高校で出来た彼氏じゃなくて、家族ぐるみの幼馴染みってのが、男の作家さんらしい甘さのような気も。

    アイドル数が増えすぎてアピールやサービスが大変で。
    ネットやSNS、ケータイの普及で情報が何でも筒抜けになりやすく。
    今どきのアイドルは、本当に苦労してるんだなあ。

    てか、地味に、違う時間軸のカットインがにくいぜ。

  • アイドルの在り方、生き方。
    リアルに感じ取れる朝井作品。
    アイドルだって人間。恋をする。
    そして、華やかな世界を生きるのには、努力も必要。目標をもっていきる強さが必要。
    それらを感じ取ることができた。

  • 暑い。コンビニごと歩きたい。
    まるで人の不幸を見たいと思っている人の方が多く感じる
    自分が生まれるよりずっと前に誰かがきめたことを、まるで自分たちが決めたことなこようになんの抵抗もなく受け入れてきた

    10年前にアイドルを引退した人が書いた自叙伝のようだった。
    それを、若い、男性の作者が書くのだから、想像力がすごい。
    アイドル=偶像と、人間の狭間で揺れ動く気持ち。アイドルであることの覚悟。知らない間に勝手に身についていた覚悟。それが音を立てて崩れる瞬間。
    この描写が丁寧でよかったです。
    人間の心が揺れ動く瞬間というのは、何とも趣深い。
    現実はもっと身内同士がどろどろしてるんだろうけど
    男性が書いた本だなという印象

  • アイドルという名の一般人が程々に苦悩する話?

    なんじゃこりゃ?と思う程、どうでもいい話でした。

    AKBとか他のグループアイドルをモチーフにして、アイドルの心情を描きたかったのかもしれませんが、チョー薄っぺらくて何の感想もありません。

    実際は人気を得るために、必死の努力や若さゆえの苦悩もあるのでしょうが、それが全く伝わらない。

    元々、アイドルが身近になり過ぎて、ワザワザ小説で書くほどの何かがないのかもしれませんが…

    まー、オッサンが読む本ではないということですね。

    アイドル好きか、暇でしょうがない人以外にはオススメしません。

  • 小さい頃から歌って踊るのが好きだった愛子。同じマンションに住む幼馴染みの大地の家族とは、毎年お互いの子供の誕生日に招かれるような家族ぐるみの交流。数年後、愛子は父母が離婚したあとも父とマンションに住み、高校生になる頃NEXT YOUというアイドルグループにいた−

    ◆今ね、あまちゃん再放送やってんの見てんですよ(笑)放送当時1回もリアルタイムで見たことないくせに、2年遅れで「じぇじぇ!アメ女てアキバのことネタにしてんのか?」て思いながら見てたんすよ、それを今度は本で、て感じ(笑)

    前作「スペードの3」では「宝塚ってこんな感じ?」って思ったけど、今回は「アイドルって大変ね」。今までは「たいした顔でも歌でもないのを大量に寄せ集めて競わせて“会える”アイドルであるために投票やら握手やら…売り方がセコくて汚いな」って、興味ないから踊らされてカネつぎ込む人達に呆れてたんだけど…好く方も好かれる方も一生懸命なのね、て反省しましたわ。

    【ネタバレ】“まとめサイトも無料、YouTubeも無料、アプリを使えば電話もメールも無料、何もかもが無料。何かを手に入れたい、と思ったとき、人は、まず無料で実現できる方法を考える。それはきっと普通のことだ。誰だって、できればお金を使いたくない。”“だけど、無料で手に入るものとはつまり、全員が同じように手に入れられるものだ。全員から同じ距離の位置にあるものだ”“そんな銀河の中に、自分を、自分だけを形成してくれるものは、あるのだろうか。”これは朝井さんにしたら本に置き換えて考えるとツライ文章じゃないかなぁ


    「いつも言ってるよね。アイドルは夢を売る仕事なんだから、人間らしいところを見せちゃダメって」「でもね、夢って、叶ったら幸せになる人がいるときに使う言葉だと思うの、私」…うん、そうだね。

  • まとめサイトも無料、YouTubeも無料、アプリを使えば電話も無料、何もかもが無料。聴きたい曲があれば、まず無料でできる方法を探し選択するのが今のやり方。お金とか体力とか限りあるものを使うときに、個々人の個性が出る。中には、後先のこと考えたり、体力温存したり、といったことができないヤツもいる。後悔もするかもしれないが、それはそれですっきりして満足もできるとも言う。自分は、純粋に歌を聴きたいのか、CDだけほしいのか、握手をしたいのか、あるいは何回握手をすれば気が済むのか。

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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