- Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163903408
感想・レビュー・書評
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「はよ死にたい」と言いながら
本当に死ぬ気があるのかないのかよくわからない
そういう人を
甘えん坊の構ってちゃんだの嘲罵する声は
一昔前のメディアでは、若者のリストカッターに向けられていた
だからまあ、年の差に関係なくそういう人はいるのである
そしてだいたい、「はよ死にたい」と言う人は
実際のところ死にたくない人で
逆に、前向きに生きようと必死にがんばってる人ほど
鬱状態に近いところでいたりするわけだ
祖父をできるだけ楽に死なせてやりたいという主人公の願いはさておき
資格の勉強よりも就職を優先した彼は、最終的に
どう考えてもやばい会社へと中途採用されてゆくのである
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又吉じゃない方、でテレビでも大活躍の
羽田圭介。
どんな小説を書いているのか…と、初めて読んでみた。
綺麗事じゃない介護の現実が、重苦しくないように書いてある。
しかし、結構ズシンとくる。
祖父母と同居なら、なおさら。
いつも身体を鍛えている羽田氏の姿が、小説を読んでいる最中、何度も主人公とかぶって浮かんできた。 -
15.dec.14
置いて認知症やら身体の不自由がすすむ祖父と、休職中の孫の話。
とりとめなく大きな展開もない話で苦痛だった。
芥川賞ってどういう基準で選んでるのかな?って思っちゃった。他の作品は読まないと思う。 -
高齢者の介護小説。
身近な問題でもあるので、興味深く読みました。
テーマとしては深刻なのですが、この作品は、悲哀の中に滑稽さとユーモアが感じられて面白かったです。 -
火花のついでに、用事を済ませながらも2時間もかからず読めた。
面白い考え方だなーと思うところはあったかも。
でも、基本的に淡々とした日常という感じで、健斗の考え方もまぁそういう見方もあるかもね、って感じ。真新しさはない。そこがいいのか?
何が言いたいのか結局よくわからず、終わり方も唐突で投げやりに見え、普段ミステリーやファンタジーを好む私にはつまらなかった。
正直火花も面白くないなと思っていたけど、同じくらい話の展開が訳分からないわりに火花のほうが大分面白いなぁと思い直させてくれた。 -
まさか又吉さんの「火花」がすばらしい作品であると実感できるとは思わなかった。それも、この作品を読むことで。
自宅警備員(筋トレ継続中)の主人公と、要介護の祖父との同居生活のなかで、次第に芽生えていく家族の絆を描くという、現代らしい作品だ。
ところが、どうも作品としていただけない。
とりあえず、文章が読みにくい。
登場人物はやたらと声を張り上げていて読みにくいし、また、話のリズム感がなく、読んでいて喉ごしが悪い。
紙の本で64ページと短めの作品(火花は92ページ)なのに、とても長く感じる。
また、要介護の祖父は「早く死にたい」としきりに呟くが、実は生への執着はばっちりで、あくまで「死ぬ死ぬ詐欺」なのだ。
ネタばれになってしまうが、ふつうの読者なら、「そりゃそうでしょう」と気がつくレベルの、「純文学でのお約束」的な設定。
ドラゴンボールでいう「トランクスは未来からタイムスリップしてきたベジータとブルマの息子です」くらいのものだ。
ところが、本作品ではその「お約束」のネタ晴らしが、ストーリー上のクライマックスに位置づけられている。
先述のとおり短い作品のなかでふんだんに伏線を散らし、それを主人公目線で指摘させているにも関わらず、最後の最後まで重大な秘密扱いなのだ。
とっくに気がついている読者としては、いまさらネタ晴らしをされても戸惑うばかりだし、むしろ、ひょっとして作者も気がついていなかったんじゃないか?と変な勘ぐりをしたくなってしまう。
そんな浅い設定・展開の結果、テーマであるはずの「家族の絆」への深みがなくなってしまっている。
どこかの朝ドラの「主人公が子供の頃に食べてパティシエの道を進むきっかけとなったケーキは、実は師匠が若い頃に、父親の注文をうけて作ったものでした」といった展開とは大違いだ。
結局、文章表現でもストーリー展開でも、芥川賞同時受賞作品である「火花」のとんでもない引き立て役になってしまった。
いったん「芸人さんの作品なんて読んでられるか」と評判をスクラップしておいて、いざ読んでみれば「やっぱりいい作品だったかもしれない」と再ビルドするとは、ある意味、高度な作品かもしれない。 -
今年の芥川賞受賞作。芥川賞作であるが、全体的に読みやすかった印象。その中に、介護を通して見えてくること、おじいさんが死にたいという願望は、苦しまずに最期を迎えたい気持ちがあり、日に日に自由が利かなくなる体に苦しみ意欲が低下していること、家族に迷惑をかけたくない気持ち、一日でも長く行きたい思いが現れていると感じる。祖父の希望を叶えるためにとった健人の行動はちょっと頂けなかったり、確かにあるなと感じる所もあったり。若者の立場から見えてくる介護、どこまでが介護なのか、死を迎えるというのはを考えさせられる。
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これはよかった。無職の若者の介護の日々をこの切り口で描くとは。全体に明るいのもいいなあ。九州育ちのおじいちゃんのセリフがかわいい。その娘である母親の情け容赦ないセリフもリアルです。
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既に火花を持っていたのとご本人が出演されたテレビ番組で「本を買ってくれないと僕にお金が入らないんです!買って下さい!」と言っていたのを思い出し、単行本を購入。
90歳を過ぎた祖母と同居している事もあり、介護か…と始めは手に取るのを躊躇した。
いざ読んでみるとユーモアたっぷりな文章で書かれており、全体を通して明るい雰囲気でこういうのならすんなりと読めるなと思った。
これなら家族にも薦めたい!